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憑依者の英雄譚

作者:黄泉姫
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4話

ヘスティアの案内のもと俺が案内されたのは廃れた教会だった。

「本当に、ここなのか」
「まあまた、中に入ればわかるって」

中に入ると地下室へと続く階段の所まで連れていかれ、下りてみる。

「おお、(あっち)は酷い有り様の割りには(こっち)は確りとした造りになったんだな。
「ふふん、すごいだろ!ここが今日からボク逹ヘスティア・ファミリアの拠点(ホーム)になるんだ」
「まあ、団員が増えれば移動するようだけどな」

ソファは古いけど中々のものだ。部屋は一部屋しか区切られてないのか。

「それじゃあ、早速恩恵を刻もう!」
「何か必要なものとかあるのか?」
「ないよ!あ、上半身だけ裸になってくれないかな?恩恵は背中に刻むものなんだ」
「わかった」

俺は言われた通りに服を脱いで上半身裸になり、背中をヘスティアへと向ける。

「ず、随分鍛えられた体だね」
「まあ、刀を扱える程度の筋肉はつけてますよ」
「そ、そうかい。それじゃあ刻むよ」

血が垂れ、背中に何か書かれる。

「な、なんじゃこりゃああああああああああああああっ!!」
「うおっ!?どうしたんだ?」
「べ、ベルくん!これは一体なんだい!」
「いや、見せてもらわないとなにも言えないんだが」
「わかった。今、共通語(コイネー)に戻して見せてあげる」

数秒後、ステイタスが写された紙を見た。


ベル・クラネル Lv.1

力 l 0

耐久 l 0

敏捷 l 0

器用 l 0

魔力 l 0

【魔法】

《| 繰り返した瞳 (カゲロウアイズ)》

・目を隠す、欺く、盗む、合わせる、奪う、掛ける、焼き付ける、醒ます、凝らすが使える

・合わせるで石にしたものは二度と戻らない

・石にした場合魔力が大幅減少

・発動時目が赤くなり、顔に蛇の鱗の紋様が浮かび上がる

【スキル】

《直死の魔眼》

・あらゆるモノの死を視覚情報として得れる

・線や点に触れ、なぞるなどをすればそれは終わりを迎える。

・生きているなら神すら殺す

《英雄候補(イロアス・エポプシフィオス)》

・早熟する

・英雄を目指す限り効果持続

・人を助けれる行動をすればステイタス補正


「なんすか、これ?」
「それはこっちの台詞だよ!魔法に関しては…まあ良いよ。 確かに珍しいよ。でも、このスキル二つは異常だよ!なんだい、この直死の魔眼って!(ボクたち)を殺せるって君はバロールなのかい?!それにこの英雄候補ってスキルもだよ!なんだい早熟するってっ!」

ヘスティアは息を整えるために深呼吸をする。

「いや、この繰り返した瞳と直死の魔眼に関しては覚えはあるけどこの英雄候補についてはなにも知らないんだけど」
「前者二つは見に覚えがあるのも結構問題だけど」
「まあ、繰り返した瞳に関しては生まれつきだ。物心ついたときからあった。直死の魔眼については一度死にかけたときにいつの間にか発現していたんだ」
「嘘は言ってないみたいだね」

そう言えば、神には嘘がわかるんだっけな。まあ、嘘はいってない。直死の魔眼についてはこっちの世界で死にかけたときに発現した。たぶん、それがトリガーになったんだろう。

「まあ、良いや。これで君は正式にボクヘスティアの眷族だ」
「ああ、これからよろしくな。ヘスティア様」
「ああ、これからよろしく。そして今日から始まるんだよ?君の、君だけの物語が」

これは憑依者が紡ぎ出す、| 眷族の物語 (ファミリア・ミィス)。

「ところでベルくんが持っている刀って結構業物だよね?名前とかあるの?」
「確か祖父さんが小烏丸って名前だったような」
「それって結構な業物だよね」
「え?」
「え?」

意外な真実を知った。 
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