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八条学園騒動記

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第五百三話 慣れることその十

「出来る限りね」
「そういうことね」
「うん、ただ寒いと」
「防寒って大事よ」
「冬にビキニアーマーとかは」
「外ではお断りよ」
 即刻そうなるというのだ。
「私だって他の娘だってね」
「相当好きでないとね」
「そうした風潮を何とかしたいよ」
「リアルを無視したことは」
「女戦士だって重装備よ」
 実際はビキニアーマーでないことは当然だ、防御を考えるとそれが出来る筈がないことは明白である。
「フルアーマーよ」
「リアルは当然そうよね」
「ゲームでもね」
「しっかりした服を着て」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「フルアーマーよ」
「プレートアーマーでね」
 全身を包む金属の鎧だ、当然かなりの重さだった。
「兜に盾に小手、足もよ」
「全部だね」
「しっかり守って」
 それでというのだ。
「やってるのよ」
「そうなんだね」
「そう、そしてね」
 それでと言うのだった。
「身体つきもね」
「イラストとかだとグラビアみたいだけれど」
「そんな風にはならないわよ」
 絶対にというのだ。
「それこそね」
「がっしりした体格になるね」
「いつも全身フル装備よ」
「何十キロもある装備だね」
「それを着て歩いて戦うから」
 そうしたことをするからというのだ。
「だからね」
「体格もだね」
「もう全身ね」
「筋肉だね」
「相当なスポーツ選手みたいになるわ」
 そこまでだというのだ。
「怪力で」
「当然力もあるね」
「だからね」
「創作は創作だね」
「ファンタジーは幻想だけれど」
 文字通りそうした世界だ、魔法が出てきてモンスターが出て来る。現実の世界にはないものを書く世界だ。
「そこはあくまでね」
「幻想だね」
「その幻想の世界でもよ」
「ビキニアーマーの戦士は」
「考えれば考える程ね」
「ああした世界でも現実を無視しているんだね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「そこはね」
「何かジュリアって戦士のビキニアーマー全否定するね」
 ここまで聞いてだ、ジョルジュはこの結論を出した。
「そうだよね」
「ファンタジーの他の露出過多の服もよ」
「ハイレグとか脚剥き出しとか」
「素足にミニスカもね」 
 どれもファンタジーの世界では一般だ。
「大抵のファンタジ―世界でね」
「それぞれの世界でだね」
「実際にあるか」
 それはというと。
「そこはね」
「まずないのね」
「そうよ、寒いし戦闘の時危ないのに」
「戦闘の時危ないのって大きいよね」
「戦闘がしょっちゅうあるのに何で危険な格好するのよ」
 脚を出しても危険だ、脚が身体に占める部分は多く当然守らなくてはいけない場所だからである。
「素足とズボンやスカートで違うでしょ」
「全然ね」
「素足だと石や草木でも危ないのよ」
「山とか森とか進むのに」
「森に住むエルフがミニスカートもね」 
 これもというのだ。
「ないから」
「ズボンだね」
「とにかくファンタジーの世界は」 
 モンスターや自然の危険が多い世界故にだ。
「露出はね」
「ある筈がないんだね」
「絶対にそうよ」
 ジュリアは言い切った、そしてスマホを出してジョルジュに対してその力説を続けていくのだった。


慣れること   完


                   2018・12・9 
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