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レーヴァティン

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第九十三話 ローマからその六

「随分とな」
「頻出しているな」
「うん、ローマの辺りはモンスターの出没が少ない筈だけれど」
「それがな」
「これまでの何十倍は出てるね」
「そのせいでな」
 難しい顔でだ、久志は話した。
「今そっちにばかり忙しくてな」
「政がね」
「満足に出来てないな」
「旗揚げしたけれど」
 それでもとだ、剛も困った顔で話す。
「政をするよりもそっちに忙しくて」
「中々手がつけられてないな」
「そうだよね」
「困ったな」
「うん、けれどモンスター退治もね」
 これもとだ、剛は久志に話した。
「民の不安を取り除くってことでね」
「政だよな」
「こちらもまたね」
「そうだよな、それじゃあな」
「うん、今はね」
「モンスター退治に専念すべきか」
「そうなるね」
 まさにとだ、剛は久志にこうも話した。
「結局のところは」
「やっぱりそうか」
「うん、それに何時までもね」
「モンスターが頻出しないか」
「今はたまたまそうした時期で」 
 それでというのだ。
「その時期もね」
「終わるか」
「止まない雨はないよ」
 剛は微笑んでこの言葉を出した。
「決してね」
「雨は絶対に止むな」
「何時かね、そして止んだら」
 その後のことにもだ剛は言及した。
「晴れるよ」
「雨の後は晴れる、か」
「フランスの諺だったね」
「フランスらしい洒落たもの言いだな」
「そうだね、そしてその通りだから」
「今はか」
「うん、我慢してね」
 そのうえでというのだ。
「退治していこうね」
「そうしていくか」
「今は」
「そうだな、じゃあ今から食うか」
「何を食べるのかな」
「ステーキ食いたいな」
 明るい笑みになってだ、久志は剛に答えた。
「分厚いのをレアでな」
「あっ、いいね」
 剛は分厚いレアのステーキと聞いて笑顔で言った。
「ステーキだね」
「ソースをかけたのをな」
「余計にいいね、それも何枚もだね」
「赤ワインと一緒にな」
「余計にいいね、じゃあ僕もね」
「ステーキにするか」
「うん、食べてね」
 そうしてと言うのだった。
「英気を養うよ」
「そうしような、あとデザートは」
「そっちは何かな」
「ケーキだよ」
 久志はこちらについても笑顔で話した。
「それだよ」
「ケーキだね」
「それも苺と生クリームのな」
 ケーキの種類も話した。 
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