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慣れない仕事

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第四章

「成績優秀、また運動の方も」
「よくですね」
「動ける方です。そしてご気質も」
「はい、そちらもよくわかります」
 執事が何を言っても寛容に聞いていて止めることはしない、そして食べていても決して我儘を言うこともない。
「淑女ですね」
「まだお若いですが」
「お父様とお母様、お兄様にいつも言われていますので」
 少女自身も話した。
「他の方に迷惑はかけるな、常に自分を磨けと」
「だからですか」
「無体な避ける様にしています」
 そうした振る舞いはいうのだ。
「いつも。ですが」
「お食事については」
「止められません」
「それで、なのです」
 また執事が言ってきた、立派な応接間の中で。
「私達もどうなるかと」
「そうですね、では」
「ではといいますと」
「お嬢様は身体を動かすことはお嫌いではないですね」
「乗馬も水泳もお好きでテニスもされます」
「ではです」
「それではですか」
「はい、運動の量を増やさせて学業もです」
 こちらもというのだ。
「どちらも睡眠と朝昼晩のお食事の時以外はされて」
「あの、お食事は」
「慎むことはないです、ただ運動の後お身体を整えることは」
「マッサージ等ですか」
「間接についても」
 その後のケアを忘れない様にしてというのだ、そしてだった。
 執事にだ、喜久子はそっとこう囁いた。そのうえであらためて言うのだった。
「こうされれば」
「大丈夫ですか」
「お嬢様は必ずです」
「痩せられますか」
「はい」
 内心慣れないしかも経験のないことなのでどうかと思いつつもここは自信をがある様に見せて話すことが問題の解決にいいと思ってだ、喜久子ははっきりと答えた。
 そうしてだ、早速だった。
 少女の運動量をこれまでの三倍に勉強もそうさせてもらった、そしてだった。
 入浴もだ、湯舟と水風呂それにサウナを毎日じっくりと入ってもらった。すると目に見えてだった。
 少女は痩せていった、喜久子は太宰と共に移動の術で都で政務にあたりながら少女のダイエットに毎日付き合っていったが。 
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