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海底火山の恐怖

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第一章

               海底火山の恐怖
 岡本雅美、田辺瑠璃子、林由香、野上紗枝の四人は今は雅美の神託で硫黄島に来ていた。この島に入ってだ。
 四人共すぐにだ、これ以上はないまでにうんざりとした顔になって話をした。
「最悪やな」
「ほんまやな」
「何ちゅう暑さや」
「島全体がサウナやな」
 こう話すのだった。
「正直あまりいたくないな」
「そんな場所やな」
「さっさと神託終わらせて帰ろうな」
「そうしような」
「さもないとや」
 雅美は仲間達に話した。
「ずっとここにいてな」
「暑い思いするだけやな」
「ほんま名前通りの島やな」
「まさに硫黄島や」
「そやからさっさと神託見付けて」
 雅美は仲間達にさらに話した。
「解決してな」
「こんな島おさらばや」
「よお見たら人住んでへんし」
「この世界やと軍隊もおらんしな」
 四人が起きた世界では自衛隊の部隊が駐留している、二次大戦の頃は激戦地であり栗林忠道中将以下多くの日本軍の将兵が鬼神の如き戦いを繰り広げ全員玉砕している。
 だがこの世界ではだ、太平洋が統一されて戦略上の要地でもなくなっていてだ。
「何もないし」
「地下基地とかもないし」
「遊ぶ場所もないし」
「こんなとこいてもしゃあないし」
「ほんまに神託解決させよな」 
 雅美はこう言ってだ、仲間達と共にまずはその場に座ってお茶やお菓子を出して一服にかかった。だが。
 貝殻から太宰が雅美に言ってきた。
「怠けていますね」
「ちょっとお茶とお菓子楽しんでるだけです」
「それを怠けているというのです」
 太宰は雅美にこう返した。
「そう言うのです」
「あれっ、ちょっと休憩してるだけですけど」
「神託を探していますか?」
「ここ何もないですよ」
 島をざっと見回してだ、雅美は貝殻の向こうの太宰に答えた。
「ほんまに」
「人もいなくてですね」
「こんなとこの神託って何ですのん?」
「海に入りますと」
 そこからだとだ、太宰は答えた。
「街があります」
「そうですの」
「それは聞いていませんでしたか」
 硫黄島に来るまでにとだ、太宰は雅美に問い返した。
「貴女達は」
「聞いてませんでした」
「聞き逃していましたね」
「硫黄島がうちの神託の場所とは聞いてました」
 それはとだ、雅美は太宰に答えた。
「それで来ました」
「しかし海の中の街のことは」
「聞いてませんでした」
「硫黄島はそうした場所です」
 太宰も硫黄島のことは知っていた、それで言うのだった。
「非常に暑く岩が多く」
「暮らしにくいですね」
「私達の世界でも苦労しています」
 駐留している自衛隊の人達もだ、戦争中はよりだった。
「そしてこちらの世界ではです」
「海の中にですか」
「水中でも暮らせる種族の人達が」
「ああ、人魚とか魚人とか」
「そうした種族の人達や」
 太宰はさらに話した。 
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