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悪魔の書

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第六章

 一人まさに悪魔の好みの外見の少女が来た、少女は真相を話されてもそれで悪魔が封じられるならと納得してくれてだ。
 引き受けてくれた、由香達も少女に約束した。
「あんたには指一本触れさせんで」
「悪魔はうち等で絶対にやっつける」
「あんたはその場におるだけでええ」
「本でも読んで気楽にしとくんや」
 こう言ってだ、少女に図書館のこれはという場所で座って本を読んでもらった。その階には少女以外は誰も入ってもらわない様にして。
 四人と天使の影は物陰に潜んでだった。
 悪魔が出て来るのを待った、するとすぐにだった。
 もう一つ影が出て来た、その影は角と蝙蝠の翼を生やした人のものだった。その影はすすす、と少女に向かったが。
「今や!」
「ええ、行きましょう!」 
 由香も天使も言ってだった、他の三人と共に。
 影と少女の前に出た、そうして天使が言った。
「見付けたわ!署に連れ戻すわ!」
「くっ、罠だったか!」
「そうよ、観念しなさい!」
「ほないくで!」
 由香も三人も既に神具を手に身構えていた、そうして天使と共にだった。
 悪魔との戦闘に入った、確かに悪魔は強かった。その強さはソロモン王が封じた七十二柱の魔神に匹敵した。
 だが四人と天使は粘り強く戦い。
 最後にだ、悪魔の隙を衝いてだった。
 由香は虎徹を示現流の要領で右から袈裟斬りにした、それが止めとなり。
 悪魔は倒れ天使によって書に連れ戻された、その後はその書だけでなく全ての魔導書がこれまで以上に厳重な結界を幾重にも張られより厳重に監視される様になった。
 これで図書館での影の書の騒動は終わった、それでだった。 
 四人は図書館を出た、すると。
 由香の左手にあるものが宿った、それはというと。
「脇差の痣丸や」
「へえ、脇差か」
「侍の由香ちゃんらしいな」
「それが由香ちゃんの二つ目の神具か」
「投げたら百発百中で私の手に戻って来る」
 由香は心の中で聞こえる言葉を述べた。
「そうした神具や、それでな」
「しかもやな」
「あの悪魔のことが神託で」
「それを乗り越えたから」
「その分な」
 まさにというのだ。
「全体的に強くなったわ」
「そうか、よかったな」
「神具も得られて強くもなった」
「ええことばかりやな」
「そうやな、ほな私の神託も果たしたし」
 それでとだ、由香はその痣丸を収めてから笑顔で述べた、
「次の場所に行こうな」
「そうしよな」
「私等のやることはまだまだあるし」
「面倒臭いけどやってこな」
「この世界救わなあかんからな」
 それでとだ、由香は三人に笑顔のまま応えた。
「そうしよな」
「ほなな」
「また行こうな」
「今度は別の場所にな」
「私等が行かなあかんとこにな」
 由香は笑顔で言ってだった、そうして図書館を後にしてもだった。仲間達と共にまた次の場所に足を進めるのだった。


悪魔の書   完


                  2019・2・23 
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