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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百十話 食堂からその二

「そこまでは考えてないのよ」
「あんパンを食べるかどうかは」
「あんパンの歴史も好きだけれど」
「ああ、あのパンはね」
 あんパンの歴史と聞いてだ、僕はイタワッチさんにすぐに答えた。
「明治時代からはじまるんだよね」
「そうよね」
「あるお店がはじめて」
 何を隠そうそのお店こそ木村屋だ。
「売り出してね、それを明治天皇が召し上がられて」
「美味しいって言われたのよね」
「それでなんだ」
 そこから評判になってだ。
「定着してね」
「今に至るのよね」
「そうなんだ、明治天皇は甘党だったから」
 ただお酒もお好きだったらしい、清酒がお好きでよく夜遅くまで飲まれていたという。
「他にはカステラや羊羹、アイスクリームもお好きで」
「あんパンもだったのね」
「そうだったんだ」
 その時召し上がられてからとのことだ。
「それで千歳さんもなんだ」
「その歴史的経緯も聞いて」
「余計に好きになったんだ」
「そうなの」
「そうなんだ、じゃあ僕は」
 その話を聞いて決めた。
「あんパンにするよ」
「義和が食べるの」
「あっ、イタワッチさんが食べても」
 それでもだ。
「いいよ」
「そうなの」
「別に誰が何を食べようが」
 僕にとってはだ。
「いいから」
「構わないのね」
「そんなのどうでもいいじゃない」
 誰が何を食べてもだ。
「その人の勝手だから」
「それでなのね」
「うん、本当にね」
「私が何を食べてもいいの」
「病気でもないよね」
 イタワッチさんにこのことも確認した。
「そうだよね」
「ええ、別にね」
 特にという返事だった。
「私糖尿病とかね」
「リアルな病名が出たね」
 十代でも極端だとなるというけれどそんな人もいるんだろうか、一体どういう食生活をしていると十代で糖尿病になるのだろうか。
「糖尿病って」
「結構多いでしょ、日本では」
「まあね」
 否定出来なかった予備軍を含めると結構らしい。
「一族の人でもいるし」
「そうなの」
「その人お酒が好きで」
 日本酒がだ、このお酒が一番糖分が多い。
「それでお菓子も好きで」
「それでなのね」
「糖尿病になったんだ」
「特にお酒でしょ」
「毎日日本酒凄く飲んでたから」
 一升空けるのが普通だった。
「だからね」
「糖尿病になったのね」
「うん、そうした人を見てるから」
 それで今は日本酒でなくワインを飲んでいる、食生活も改善して治療に真面目に取り組んでいることはいいと思う。 
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