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駄目親父としっかり娘の珍道中

作者:sibugaki
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第86話 約束をすっぽかすと後が怖い

 
前書き
めっさ久し振りの更新です。しかも短めです。サーセンです。 

 
 前回のあらすじ


 宇宙征服を企む悪の権化『デスパンチラー田中』(39歳独身)は古の時代より封印されていた邪神復活の儀式を行い、蘇った邪神を頭数に入れて人生の転機を図り合コンパーティーへと赴いた。
 だが、そのパーティーの中には、かつて邪神と激しい死闘を演じた善神が同じように合コンに参加していた。
 かつて敵味方として相争った邪神と善神、だが今だけは互いの胸の内を思い思いに吐き出そうと決意し、互いに並び立つ形で合コンパーティーは行われた。
 


 一方その頃、歌舞伎町の色町にあるとあるホテル内にて、守護獣(元)のザッフィーさん(年齢不詳)が15禁小説にて越えてはならない一線を越えてしまっていたそうなーーー




     ***





 話の一部始終を聞かされた三人は、ただひたすらどんな顔をしたら良いか困り果てていた。
 聞くだけ聞いてみた結果、どう見ても完全にザフィーラが真っ黒なのは明白な訳であってーーー

「それで、今こうしてお互い下着姿のまま大通りのど真ん中で激しい格闘・・・と、言うより一方的な虐殺が行われていたって訳か」
「言うようになったじゃないか、クロノ」

 クロノの言う通り、先ほど行われていたのは激しい格闘戦と言うよりはアルフがザフィーラを一方的にボコボコにしている目も当てられない光景だった訳だし。世の男性人一同は間違っても酔った勢いで道行く女性に不埒な行為をしてはいけませんよ。その結果人生の道を踏み外す事になったとしても我々一同は一切責任は負いませんので。

「と、とにかくさぁ・・・何時までもそんな恰好じゃあれなんだし、服でも取りに行ったらどうかな?」
「グズッ・・・そうだね、そうするよ・・・でもその前に!!」

 目尻に溜まった涙をそっと手で拭い取ると、去り際にザッフィーの側頭部に絶妙なフォームの延髄蹴りを叩き込み、その場に撃沈させた後にホテルへと戻って行った。

「グフッ!!」
「続きは服を取ってきてからだよ。それまで逃げるんじゃないよ!」
「だ、だったら・・・ついでに・・・俺の服も・・・とってきて・・・」
「あぁん!?」
「いえ、何でもないです」

 ちゃっかり自分の衣服を取ってきてもらおうと頼もうとした際に、振り返りざまにザッフィーを睨みつけるアルフの視線にとてつもない殺気を感じ取り、即座に先の言を取り消したザッフィーの額は大量の冷や汗を流しまくっていたそうな。

「あぁ、居た居た。こんなとこに居たんですかぃ」
「あ、沖田さん」

 面倒毎は頼んでも居ないのにやってくるとはこう言うもの。
 アルフが去って一安心かと思った矢先、今度は沖田が下着姿のザッフィーを見つけてやってきた。
 相も変わらずやる気のない覇気もないと言った間延びした面持ちでやってきていた。

「あれ? 何でザッフィーはパンイチなんでぃ? まさか色町に駆け込んで一杯引っ掛けた挙句、酔った女を食っちまったとかですかぃ?」
「・・・・・・」
「おやおや、こりゃまたお盛んなこってぇ」

 その時の沖田の顔は「新しい玩具が出来た」と言わんばかりに凶悪な笑みを浮かべていたのだが、それを見た三人は額に冷や汗を流しながら沈黙を守った。
 誰しもが彼の毒牙に掛かりたくなどないのだから。

「そ、それで・・・俺に何か用なのか?」
「あぁ、今晩副長が大志達を連れて行くところがあるからその打ち合わせをしたいって言ってましたぜぃ。ま、俺は生憎別件があるんでその場には立ち会えないんですがねぃ。一応予定としてはあんたとシグナムの姐さんを同行させるみたいでさぁ」
「シグナムも連れて行くとなると、ただ事ではないな。分かった、すぐに屯所へ戻るとしよう」

 すっと立ち上がると、ザッフィーは今の人間の姿から毛並みが整った大型犬の姿へと戻る。
 この姿であれば仮にスッポンポンであったとしても問題なく歩き回れると言うもの。

「新八、すまないが俺は急用が出来たから先に帰ると伝えておいてくれ」
「え、あ、ちょっと!!」

 新八の静止も聞かず、ザッフィーはその場から脱兎のごとく走り去ってしまった。
 よっぽど此処から去りたかったのだろう。
 走り去る彼の背中が何処か焦っているようにも見えた。

「にしても、ザッフィーは一体誰を食っちまったんでぃ? 場合によっちゃ猥褻罪で豚箱にぶちこまなきゃならねぇんで面倒なんだけどなぁ」
「あぁ、えぇっと・・・それはーーー」

 ユーノがしどろもどろに説明しようとした矢先、とてつもない殺気がホテルの入口から発せられたのを感じ取り、一同の視線がそちらに向く。

「何処行きやがったんだぁぁぁ! あのクソ駄犬がああぁぁぁぁーーーー!!!!!」

 其処には怒りのボルテージが限界を突破し、今にも伝説のスーパーリリカル人にでもなりそうな位に額に青筋を浮かべて血管がぶち切れかけているアルフが立っていた。
 因みにちゃんと衣服は身に着けており、僅かな優しさだったのか、ザッフィーの衣服がその手には持たれていた。
 だが、一足違いか、肝心のザッフィーことザフィーラは屯所へ向かって駆け足で帰ってしまった後の事で。

「えと、あ・・・アルフ・・・とりあえず落ち着いて・・・ザフィーラだったら・・・」
「ザッフィーの旦那だったら今晩キャバクラ行くんでその打ち合わせに帰ったとこですぜぃ」
「お、沖田さぁん!!」

 これまたユーノの説明を遮るかのように沖田が真相をぶちまける。
 因みにわざと仰々しく言ったのはこの後の展開が楽しみだった事に他ならない。

「キャバクラだ~~~! 人の純潔奪っておいてそれだけで飽き足らずまだ他の女食うつもりかあの淫獣があぁぁぁぁ!」

 最早理性のタガなどとっくにぶっちぎれてしまったアルフを止められる者などいやしない。
 クロノ、ユーノ、新八の三人は血管ブチ切れて激怒しまくりなアルフを前にして真っ青になっている中、沖田だけはこの後の展開を思い描きほくそ笑んでいたのだがーーー




 因みに、屯所に戻ったザッフィーは急いでいた為にうっかりはやて達の前でパンイチのまま人間の姿に戻ってしまった為に他の騎士達からの飛び蹴りをお見舞いされてしまったと言うのは記憶に新しい光景だったりする。 
 

 
後書き
はい、この後柳生編の冒頭でもあるスナックスマイルへと移行する手筈になります。
土方を筆頭として多数の大志達+αとして連れてこられる事となったシグナムとザッフィー。
彼らがこの後どのような騒動に巻き込まれるのか、それをこれから考えるわけです。 
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