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銀河転生伝説

作者:使徒
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第6話 ハプスブルクの日常


<アドルフ>

うん……朝だ。

……朝だな。

どう見ても朝だ。

紛れも無い朝だ。

いつの間にか朝だ。

…………

俺はベッドの上で目を覚ました。
横には裸のメイド。

昨晩、ナニしてたのかって?
言わせんなよ恥ずかしい。

男と女がベッドの上ですることなんて一つしかねぇだろ!
バリエーションは多々あるかもしれんが……な。

ちなみに昨晩は普通にやった。
俺に特殊な性癖は無いからな。

自重しろって?
せっかくの貴族生活なんだ、貴族の特権ってやつを存分に堪能するに決まってるじゃないか。
方向性が少し他の貴族と違うらしいが、そんなの関係ねぇ!
メイドさんとのplayは前世からの夢だ。

リア充爆発しろ?
聞こえんな~。

・・・・・

さて、俺は現在ハプスブルク領の実家に戻って休暇を満喫中だ。
帝都オーディンにも屋敷があるんだが、萌えの皆無なあんなところにいても仕方ないからな。

ちなみに、ハプスブルク家の中庭にはガン○ムの銅像がある。
それも等身大の。
ルドルフ大帝の像やアーレ・ハイネセン像なんて目じゃないぜ。

まあ、それはどうでもいい話か。
久しぶりの休暇なんだ、街に出て同志達に会ってこよう。


* * *


ハプスブルク公爵領は帝国貴族の所領の中で最も人口が多い。
その数、約100億人。
銀河帝国の総人口350億の実に3割以上を占めている。

原作での人口は、帝国が250億、自由惑星同盟が130億、フェザーンが20億であることを考えれば、その多さが理解できるであろうか。
もっとも、これはハプスブルク星系全体(移住可能惑星4つ)での人口であるのに対し、転生前の地球では一つの星に70億もいたことを考慮するとそれほどでもないのかもしれんが。

で、統治なんだが、意外と上手くいっている。
これには、比較対象が他の貴族領というのも大きいだろう。
つまり、他より良い環境であるため不満が出にくいのだ。
これが民主制の国家ならそれでも重箱の隅をつつくように不満や批判が出てくるのだが……。
国民の統制という意味では帝政に軍配が上がる。

別に個人の権利や自由を否定してるわけじゃない。
むしろ肯定している方だ、帝国ではハプスブルク領限定での話だが。

ただ、自由や権利の拡大も度が過ぎれば無秩序に変わるからな。
そうなると本末転倒。
義務あっての権利だということを忘れちゃいかんよ。

前に、『本当の自由』を求めて自由惑星同盟へ亡命したやつがいたが、数年してやっぱりこっちの方がいいと逆亡命して戻ってきたのは笑い話だ。

ぶっちゃけ状態としては前世の日本より良いからな。
雇用も安定してるから失業者も少ないし。
バカな要求とかして無駄に騒ぎ立てれば治安維持局に友愛という粛清をされるしね。

まあ、こういった制度が整っているあたり、日本出身の転生者は意外と多いんじゃないかと想像してしまう。

ん、目的地に到着したか。
存分に羽を伸ばすとしよう。

・・・・・

「なるほど、そんなシチュが……。ところで同志G、私はここ最近までイゼルローンにいたので我々の活動状況がどうなっているか分からん。近況について報告してくれたまえ」

「ハッ、ここハプスブルク領においては順調に右肩上がりを続けており、先日は新しいエロゲ会社も設立されました。これに関しては今後に期待です。また、新ソフト『ハレときどき妹』、通称『ハレ妹《いも》』も発売され、近く彩《あや》たんのフィギュアも……」

「同志G、君が妹好きなのは分かっている。その話は後で聞くから今は報告の方を優先してくれ。では同志B、フェザーン、自由惑星同盟への布教はどうなっている?」

「フェザーンでは萌え文化は計画通り広まってきており、何も問題は無いかと。しかし、自由惑星同盟では規制が厳しくなり、我々の布教活動の成果は当初の予定を大幅に下回っています」

「やれやれ、まったく何が自由の国だ。所詮は帝政への反発から出来あがった国家、我々の崇高な理念を規制しようなどとは度し難い所業だ。ブラックホールに投げ込んでやりたいぐらいだよ」

「どうしますか?」

「別に慌てる必要は無い。それに、これは無理やり押しつけるものでもない。我々はただ広めるのみだ」

「なるほど………」

「同盟が規制を出したことは2chにうpしておけ。未だやつらに幻想を抱いているバカが減ることは良いことだ」

「ハッ!」

「では、本日の会合はこれにて終了する。萌えを銀河に!」

「「「「萌えを銀河に!」」」」


* * *


俺は第六次イゼルローン攻防戦の功績で中将に昇進、個人旗艦としてヴィルヘルミナ級戦艦ウィルヘルムを貰った。

つーか、ネームシップのヴィルヘルミナって現宇宙艦隊司令長官ミュッケンベルガー元帥の母親の名からきてるんだよね。

艦に自分の母親の名前つけるって………ねぇ。
ちょっと引くわ~。

俺も原作の第二次ティアマト見るまでヴィルヘルミナってオランダ女王からきているんだと思ってたよ。
やっぱあのおっさんはマザコンだな。

ま、そんなことはどうでもいいや。

同型艦にはブラウンさんちのベルリンやリッテンさんちのオストマルクなどがある。
普通、個人の専用旗艦が与えられるのは大将になってからなんだが……さすがハプスブルクの家柄、パネェ!!

そうだ!
ウィルヘルムの艦長をシュタインメッツにしてもらおう。
ブリュンヒルトがラインハルトに渡る前にシュタイメッツをこちらに引き抜いておけば、この2人が出会うことはない。
そして、それを可能にするぐらいの権力を俺は持っている。

名門ハプスブルク家の当主、現皇帝フリードリヒ4世の孫。
この二つのアドバンテージは大きい。

あれ?
よく考えたら皇位継承問題に巻き込まれそうじゃね?
皇帝とか面倒なだけだってのに。

でもブラウンさんやリッテンさんに実権握られたら困るの俺だし、我儘なクソガキのヨーゼフ2世やラインハルトとかは問題外だ。断固拒否だ!

………選択肢が俺しか無くなったな。

まあいい、そんな未来のことは後だ。

今は、シュタインメッツを確保することに全力を注ごう。
 
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