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徒然草

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130部分:百三十.物に争はず


百三十.物に争はず

百三十.物に争はず
 人は争ったりすることはなく自分の主張を曲げてでも他人の言っていることを受け入れてそのうえで自分のことを後回しにしてでもその他人を優先することが何よりです。
 世間に数多くある遊びごとの中でも勝負ごとが好きな人は勝ったというその喜びに浸りたいからするのであります。自分の能力が相手より優れているということを実感できてそれがたまらなく嬉しいのです。ですから負けた時の虚しさもまた身に染みる程よく知っています。だからといって自ら進んで敗北を選び相手を喜ばせたとしたならばそれはとても虚しい八百長ごとであります。相手に悔しい気持ちをさせてそれを楽しむということはただの背徳でしかないことであrます。仲間同士の戯れ合いの勝負でもその本質は友人を相手にしてそのうえで己の頭の程度を確かめるのですからこれまたかなり無礼な話であります。しがない宴会の与太話からはじまりまして挙句には大喧嘩になることもまたよくあることであります。こういったことは全て戦闘的なその心が行き着く先であります。
 他の人に勝ちたいのならば脇目も振らず学んでそのうえでその知識で勝てばいいことです。しかと学びそのうえで世の中の仕組みというものを理解することができれば利口ぶったりすることもなく仲間と争っても馬鹿馬鹿しいとだけ思うことでしょう。名誉ある閣僚入りを辞退し権利や収入といったものを手放す心が動くことはひとえに学問の為せることであります。


物に争はず   完


                  2009・9・21
 
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