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ロックマンX~Vermilion Warrior~

作者:setuna
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第27話:Glitteing Death

 
前書き
マイマイン戦 

 
ゼロがシグマ軍の手に落ちてから数日後、エックスはクリスタル・マウンテンに向かっていた。

「エイリア、ここがそうなのか?」

『ええ、クリスタル・マウンテンで正体不明のエネルギーを感知したわ。Dr.ケインもこの時期に現れたと言うことで調査する価値は充分にあるとのことよ』

「分かった、まずはこの洞窟を調べてみるよ」

洞窟の中に入ると彫刻が彫られた水晶で出来た扉が道を塞いでいる。

扉にはシグマのエンブレムが彫られていた。

「成る程、シグマが関係しているのは間違いなさそうだよエイリア。」

『そう、先に進めそう?』

「いや、開きそうにないから破壊して進む。オペレートを頼むよエイリア…もしかしたらゼロの手掛かりが得られるかもしれないしね」

バスターで扉に穴を開けると洞窟内を駆け出す。

しばらく進むと採掘用メカニロイドが水晶を採取しているところを目撃している。

「これは…」

『凄い…何て量のエネルゲン水晶なの…?純度もかなりの物だし、もしこれが…』

「ああ、シグマの手に渡ったら大変なことになる。」

エックスはエネルゲン水晶がシグマに渡らないように採掘用メカニロイドを破壊して奥へと進んでいく。

ある場所では1体のカタツムリを模したレプリロイドがメカニロイドが埋め込まれた水晶に身を委ねていた。

「あは~~~っ、君の美しさは…輝きは…僕の醜さを包み込んでしまう~~~。」

レプリロイドはメカニロイドの水晶に頬擦りする。

「“美”、それは…永遠そのもの。幾星霜経ても変わらぬ唯一絶対のもの。君は“美”そのものだよ~~~」

一方、エックスは洞窟内を駆け回っていたが、奥に進むごとに警備は厳重になっていき、エックスは攻撃を受けてしまう。

「ぐっ!!」

攻撃を何とか耐えるエックスだが、ファーストアーマーはスタッガーとの戦いでのダメージが酷く、修復中のために今はノーマル状態なのだ。

「これはリフレクザーか!?無人だと思って油断した。これではゼロや鉱山を調べる前にやられてしまう!!」

リフレクザーの他にもメカニロイドはおり、1体1体相手にしていたら時間が掛かり過ぎる上に体力も消費してしまうために攻撃をかわしながらエックスは奥へと進む。

「ここのボスを叩けば…ん!?ここは、水晶の間!?」

巨大な水晶がある場所に着いたエックスは周囲を見渡す。

徐々にエネルギー反応は高くなっているが、ボスらしき影は見当たらない。

次の瞬間に地響きが起こり、巨大な水晶が浮遊し始めた。

「何だこれは…リフレクザーの強化型か?」

『そのようね、リフレクザーの能力を発展させたメカニロイドで、どのような攻撃も受け付けない支援メカを操り、そのメカは水晶しか反射出来ないリフレクザーと違って岩や壁にも反射出来るレーザーが撃てるようだわ』

「成る程な!!」

支援メカが放ったレーザーが岩や壁に反射されたことを確認したエックスはダッシュで反射されたレーザーをかわす。

しかし、回避が出来たのは最初のみで反射の軌道は読みにくく、徐々にエックスに当たり始める。

「メカには攻撃が効かないとなると…あの水晶に埋め込まれたメカニロイドを狙えば!!」

すぐさま水晶に埋め込まれたメカニロイドにチャージショットを当てる。

しかし、大型なだけあってチャージショット1発では決定打にはならないようだが、それでも水晶に罅が入った。

「よし!俺が先に倒れるか、お前が先か体力勝負だ!!」

反射されたレーザーの軌道は回避は困難。

ならば肉を切らせて骨を断つ。

ダメージ覚悟でショットを連射し、メカニロイドにダメージを蓄積させていく。

そして水晶の罅は広がっていき、それを見たエックスはとどめのチャージショットを炸裂させる。

チャージショットでメカニロイドを破壊したのと同時に声が響いた。

「声だ…恨みのような…悲しみのような…」

「これもまた“美”…か」

「え!?」

声に反応して振り返ると、カタツムリの殻のような物が此方に転がってきた。

「美とは永遠…それ故にその終わりは想像もつかぬ“艶”を持つのか…貴様のおかげで新たなる“美”が分かった。然りとて礼は言わない!醜い僕のたった一つの心の拠り所を砕いた貴様を許しはしない!!絶対にぃぃ!!」

殻のような物から姿を現れたレプリロイドのデータを検索する。

レプリロイドの名はクリスター・マイマイン。

出自と所属は不明だが、水晶を操る力…特に対象の動きを鈍らせると言う能力を持つ危険なイレギュラーとして認識されている。

マイマインの口から放たれた液状の水晶弾がエックスに直撃し、エックスを水晶の中に閉じ込めた。

「醜い死に方だ…こんな醜い死に方をする奴に僕の…僕の……心の友は倒されたのか………」

メカニロイドの残骸の元に向かい、膝をつくマイマインの視界に比較的大きめの水晶の欠片があった。

「友の…欠片……もう、君の輝きにこの身を委ねることは出来ないのか…ならば…君の輝きをこの身の中に閉じ込めよう…これで何時までも一緒にいられる…」

マイマインはその欠片を拾って飲み込んだ。

友と呼んだメカニロイドのことを体の中に閉じ込めるために。

しかし、エックスを閉じ込めた水晶が一気に溶解し、エックスは水晶から抜け出した。

「うおおおおおっ!!!」

スタッガーの炎属性の特殊武器であるラッシングバーナーで水晶を溶解させたのだ。

「チッ!死に損ないがーーーっ!!砕いてやる!!」

マイマインは殻に籠ると、バーニアを噴かしてエックスに突進した。

「くっ!!」

エックスはマイマインの突進をダッシュでかわす。

「くう~~~…」

ダッシュでかわされたことで機動力ではエックスに敵わないと悟ったのか殻から体を出すと特殊なエネルギーを角から発した。

「そう簡単には……や…ら…れ…は…し…な…い……(な、何だ!?体が動か…いや、鈍くなっている…まさかこれが!?)」

そしてエックスのバスターを水晶弾を当てて、銃口を塞ぐ。

「僕の“力”の一つに“動きを鈍らす”と言うのがある……長い時間は保たないが、君を…殺すくらいの時間は…充分あるっ!!」

エックスの肩に手を置くと、そのまま指を食い込ませる。

「痛いかエックス?でも僕の心はもっと痛かったんだよ~~~」

「(え?)」

睨みと共に放たれた言葉にエックスは驚愕する。

「マグネクォーツの輝きに身を委ねれば、この身の醜さすら僕は忘れられたんだ!!分かるか!?それは至福の時だった!!それを…貴様は奪った!!!」

強引に肩のパーツを引き千切り、マイマインは再び殻に籠るとエックスに突進した。

「(待ってくれマイマイン。俺は知らなかったんだ…君の気持ちを……!!)」

凄まじい勢いで向かってくるマイマインにエックスは思わず恐怖心を抱いた。

「(死ぬ!?死んでしまう!!死にたくない!!)」

丁度マイマインの技の効力が尽きてエックスの体は自由になり、そして体は無意識に動いてバスターをマイマインに向けた。

マイマインの突進の直撃によってバスターを覆っていた水晶が砕けてチャージされていたエネルギーがマイマインに炸裂した。

超至近距離で放たれたチャージショットは見事に殻ごとマイマインを撃ち抜き、絶命させたのであった。 
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