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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE213 襲い掛かるヘカートⅡ!

首都グロッケンへ帰還しようとしていたオズマとスネークを襲ったのは、前回のBoB大会において本戦出場を果たした実力者として知られるダインが率いるスコードロンであった・・・・!どうにかしてダイン率いるスコードロンの襲撃をやり過ごしグロッケンへの帰還を試みるが・・・スネークの胴体を超遠距離から狙撃が貫く・・・!まさに悪魔的スナイパーの出現であった!

そしてスネーク曰くその狙撃手(スナイパー)の正体はダインと同じく前回のBoBで本戦出場を果たした孤高の女スナイパーシノン、そして狙撃用の愛銃は超レアなアンチマテリアル・ライフルのヘカートⅡというまさに鬼に金棒のスナイパーなのであった! by立木ナレ


シノン「・・・・・なんなのよアイツ?」

スネークに狙撃を浴びせた青髪の少女スナイパーのシノンはスネークと共に行動していたプレイヤーに対して訝しむようにそう呟いていた。

スネークの方は前回のBOBで本戦に出場したプレイヤーと言うだけありシノンも知っており、そのクマのぬいぐるみその物な見た目はともかく・・・・・要注意プレイヤーの一人として警戒している相手だがそのスネークの手を引っ張り自分を追い走るもう一人の男は全くの見ず知らずであった。

シノンがそのもう一人の男に対して抱いた第一印象は一言で言えば―――

シノン「見るからにダメ人間ね・・・・」

ダメ人間・・・・!!まさにその一言であった!無論それはあくまでアバターの外見だけの第一印象であり、実際の人物像は定かではなく、リアルでの本来の姿も知る由も無いが・・・・

シノン「どうでも良いわ・・・殺すだけよ・・・・!」

所詮は普段から行っている狩りで偶然出会った一プレイヤー・・・赤の他人・・・・!自らの愛銃・・・・相棒といっても過言ではないヘカートⅡでその命を絶つ為だけの相手に過ぎないのであった!!


※ ※ ※


俺「確か、そのシノンとか言う女スナイパーはこの辺りから狙撃して来やがったんじゃねぇか?」

スネーク「ああ、バレット・ラインの方角からしてそのはずだが、流石にもう既に遠くに移動してるに決まってるな・・・」

俺「まだだ、逃げた直後なら追跡スキルで逃げ道の痕跡が辿れる・・・」

追跡スキルは、索敵スキルを一定の熟練度まで挙げているプレイヤーが習得する事が出来る、SAO時代から使い慣れたスキルの一つだった。
SAO時代は索敵や追跡は主にレイナ任せだったことが多いが、俺は俺でレイナと別行動を取る事もたまにあった事や、利便性そのものも俺からして見ても高かったので、SAOからALOへの引継ぎ・・・更にGGOへコンバートした今もこうして役立っているわけだ。

スネーク「そうか、元からGGOのプレイヤー達は索敵はゲーム内のアイテム任せにしている場合が多いからな・・・」


※ ※ ※


シノン「は、速い・・・・っ!!」

シノンは新しい狙撃ポジションに移動し、再びオズマとスネークにヘカートⅡの狙撃を食らわせる計画であった、その前に既にオズマが自身の目で確認できるほどの距離にまで急接近して来る事に気が付き驚愕していた!

重いヘカートⅡを装備する事を前提としているシノンはSTRを最優先に鍛えたステータス構成にしており、スキルは狙撃を補助するスキルを率先して習得、接近戦に持ち込まれた場合は負けと割り切り近接戦闘を想定したスキルやステータスはほぼ度外視し、AGIも控えめではあるが・・・・それを考慮してもオズマのAGIは高く、確実にシノンのいる方角に迫り、瞬く間にその距離を縮めこのままでは自分が安全な狙撃ポジションを確保する前に接近戦に持ち込まれる可能性が高いと判断!
シノン「ダイン達・・・・あの連中を見つけるのに手間取ってるみたいね・・・!!」

ここでダインらがオズマとスネークと比較的近距離での交戦に入ってくれれば、その間にシノンは確実に狙撃ポジションに付く事が出来るのだが、未だにそんな事態にならないとなると、それは当てに出来そうになく―――

シノン「所詮、他人なんて頼りにならない・・・・」

冷たい視線でヘカートⅡのスコープを覗き込みながら、シノンはそう呟いた。彼女は幼少の頃よりも元から集団に属する事・・・所謂大勢の友達グループとつるむ事をあまり好まず、比較的一人で過ごす事に安心感を感じる事が出来る性分であった。

そして、幼少の頃に父親が交通事故で死亡し、母親が幼児退行を起こしてしまった事もあり、自立心が幼い内から芽生えていたこともシノンの今現在の人格を構成する要因であったが、最大の切っ掛けはやはり何といっても小学5年生のときだろう・・・・母と二人で郵便局に来た際に、強盗事件に巻き込まれたシノンは、母を守れなくてはという義務感から咄嗟に犯人の拳銃・・・五四式・黒星を奪い犯人を射殺してしまった・・・・

その時の自身の決断に後悔は無く、法的な処罰こそ為されなかったものの・・・それ以来シノンは事件を発端としたイジメや恐喝に遭う様になり、それらから逃れる為に東京の進学校に進み文京区の湯浅のアパートで独り暮らしをしていたものの・・・友人と称し近づいてきた同級生の裏切りによって過去の事を学校中に暴露され、再び孤独の学校生活を送る様になり、シノンはそれを教訓に一人で強くなることを頑なに誓い・・・・事件によって発症した銃器に対する強いPTSDを克服する為にGGOを始め・・・孤高の女スナイパーとしてその名と実力を馳せるまでに至るのであった・・・・!!

そんなシノンにとってスコープ越しに見えるボサボサに伸ばし放題の長髪の男はタダのクズ・・・・!直感的にシノンはあの男に対して、日々を怠惰で塗りつぶし・・・無責任で何も守る物も無く、何かを乗り越えようと努力した事など一切無いダメ人間なのだろうと自身の中で結論付け、その首を吹き飛ばす一撃を放つ為、引き金に指を掛けて引く・・・・それでクズのクビは吹き飛ぶはずであった―――


※ ※ ※


スネーク「オズマ、バレット・ラインだぞ!シノンめ・・・次の狙撃ポジションへの移動を無理と割り切って、あの場からの狙撃に踏み切ったのか!」

俺「大体そろそろ200メートルを切った頃だな・・・」

俺は自分でも少々意外なほどに冷静にそう呟きながら、走る速度を保ったまま、右手で握るAKS-74Uを赤いバレットラインに向けて構えていた。

スネーク「一体・・・何を・・・・?」

俺「ああ、ただちょっと・・・狙い撃つだけさ」

俺がAKS-74Uの引き金を引き、5.45x39mm弾を連続で撃ち放つと、後ろからスネークが渋い声のまま『何ぃ!?』と、珍しくすっきょんとんな、呆気にとられた声を上げていた。
だが、これで良い。俺の距離感が間違ってなければ既に今はギリギリだろうがAKS-74Uの舎弟であると同時に、これだけの距離から撃てば如何にヘカートⅡと言えど、至近距離でターゲット目掛けて撃つ時に比べて空気抵抗や風の影響があるはずだ・・・・!


※ ※ ※

シノン「う、撃ち落された・・・・あっ!?」

ヘカートⅡの・・・・対物ライフルの圧倒的破壊力の弾丸が撃ち落された・・・・!そんなバカなとシノンが思った直後、シノンの顔をAKS-74Uが放った5.45x39mm弾が一発、自身の肩を直撃していた!

シノン「何でそんな事が・・・?大体この微妙な距離でどうして自分の銃の射程内だなんて分かったの・・・・!?アイツの銃は確かカービンライフルの・・・・」

全くの想定外・・・常識外れな事態にシノンが一時的に混乱し、そしてその混乱はオズマ達にとって絶好の好機と化すのであった!

シノン「しまった・・・・!」

慌てて次弾の狙撃の構えを取り、再びの狙撃・・・だがっ!

シノン「ぐっ・・・・!

シノンが引き金を引く前に、敵のAKS-74Uがいち早く弾丸をバラまき、先程よりも更に至近距離まで迫った敵の銃撃は確実にシノンの小柄で細いアバターの中に打ち込まれ、HPバーの残量を大幅に削るのであった!!

そして、ついにその敵・・・オズマは左手にブラックニンジャソードを構えた状態でシノンに至近距離まで迫る!その両者の距離は既に10メートル以内!

この瞬間にシノンはやられた!・・・・そう直感した、接近戦を度外視したビルドの自身は近接用武器を持った敵に太刀打ちできない為、いよいよ覚悟を決めた矢先だった。

オズマ「くっそ・・・!絶好のタイミングで御出ましか!」

シノン「―――ダイン?」

ダインたちがようやく、時間を掛けてオズマの場所を把握しシノンの窮地に気が付き援護しに登場!ダインのSIG SG550を始め、各々のメインアームによる銃撃の嵐をオズマに向けて放ち、オズマは流石に分が悪いと判断しシノンへのとどめの一撃を諦め、その場でしゃがみ込んでいた。

シノン「さあ、どうする気かしら・・・?」

シノンは先ほどまで直感的にクズと見なしていた男の思いがけぬ強さに称賛の意を感じ、そしてこの状況をどう斬り返してくるのかと警戒し再びヘカートⅡを構える。
ダインたちの援護によって危機を脱した事・・・そうでなければ負けていた・・・それはシノンにとってまさに屈辱でもあった!!

オズマ「スネーク、手筈通りやれ!」

ダイン「しま・・・っ!あのぬいぐるみが隠れてやがる!」

シノン「・・・・・」

このオズマの大声の指示で、ダインは初めてスネークの姿がない事に気が付き危機感を感じるが、シノンはこの状況においても決して動じず戦い抜くと決意を改めていた!

すると、辺り一帯に白い、と言うよりも灰色の煙が充満し始めていた。

ダイン「クソ!催涙弾か!」

シノン「成程、体勢を立て直して反撃って所かしら?」

ダインとスコードロンのメンバーが喚く中、シノンはこの煙が晴れ直後の行動が、勝敗の分け目で自身に言い聞かせて全神経を研ぎ澄ましていた。

催涙弾の煙が辺り一帯を覆う時間は短時間で相手の姿が見えないのはオズマら側とて同じ事・・・・そしてその時は訪れる・・・・!

ダイン「け、煙が晴れるぞぉぉ!!」

シノン「・・・・・決着を付ける」

ダインの大声を合図に催涙弾の煙は散り散りに消えて、視界は再び明るくなり、シノンも・・・スコードロンのメンバーもオズマとスネークの出方に細心の注意を払い・・・・・

ダイン「どこだ!・・・どこから来やがる!?」

シノン「・・・・・・・・」

細心の注意を払い・・・・・

ダイン「あ、あれ?・・・奴ら、いねぇのか・・・?」

シノン「・・・・まさか、アイツら・・・・!」

そう、オズマとスネーク・・・・煙に紛れて逃走!脱兎の如く撤退!もとよりさっさとグロッケンに戻りたかったオズマとスネークにとって、元より人数差で不利な勝負を続行する利点など無いのであった!!

そして、たった今強敵として認めた相手にまさかの敵前逃亡と言う・・・ある意味では負けること以上に屈辱的な勝負の幕引きをされたシノンはその顔を憤怒に染めていた!

シノン「ふざけ・・・・・ふざけるんじゃ・・・・ないわよ・・・・!!」

ダイン「やれやれ、まさか煙に紛れて逃げやがるとはな・・・けっ!狡い奴らだぜ!」

「ま、逃げてくれてよかったじゃないっすか!正直あのまま戦い続けてたら俺、やばかったっすよぉ~」

ダイン「ま、それで良しにするか・・・こっちも誰もDeadしなかったんだからな!」

そんなスコードロンのメンバーの気の抜けた会話も、今のシノンにとっては苛立ちを募らせるための材料に過ぎないのであった・・・・! 
 

 
後書き
と言うわけで、今回はダイン&シノンのスコードロンとの戦闘でしたが、その幕引きはオズマ側の敵前逃亡でしたw 
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