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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE211 妊娠・・・オズマ、男の責任!?

ひと先ず、その日のGGOでのフルダイブを終えた俺は、夜中の10時を過ぎた時間帯に現実世界の小田桐家で目を覚ますと・・・・

芽瑠「うっそ~!この娘って本当に広末なのぉ?凄い可愛い~」

時生「おう、俺と同じ80年生まれだからな。当時は15歳だな」

俺「・・・・・・・」

何だコイツら?やたら古いドラマをネットの動画で見て、随分と盛り上がってるみたいだが・・・

芽瑠「アタシより年下なんだ~――あ、お兄ちゃん起きたの?」

俺がフルダイブから目覚めた事に気が付いた芽瑠がこちらに駆け寄って来て身を寄せてきた。どうやら爺さんは家にいないようだった。

俺「爺はいねぇみたいだな」

時生「親父ならノミ屋で博奕やりに行ったぜ」

俺「なら、帰ってきたらまた喚き散らしてくるだろうな・・・」

俺の幼馴染の実家が経営するノミ屋の常連である爺さんだが、その勝率は言うまでも無く悲惨・・・故に奴がノミ屋から帰って来る時は大抵不機嫌だ。

芽瑠「それよりもお兄ちゃん見てみて!パパに96年のドラマを紹介してもらってるの!『魔法のキモチ』って言うドラマでね、主演が広末で女子高生の役なんだよ~」

俺「おっさんよ・・・アンタは今時のJKになに自分と同世代の女優の青春時代のドラマを見せて楽しんでやがる・・・・」

時生「別に良いじゃねぇか。芽瑠だって楽しんでるんだしよ、だよな芽瑠?」

芽瑠「うん!お兄ちゃんも一緒に見ようよ~」

親父が親指を立てて芽瑠に同意を求めると、芽瑠も楽し気に首を縦に振って俺を仲間に引き入れようとする。

芽瑠「それにしても壷を割ったら魔法使いの精霊が願いを叶えてくれるのはロマンあるけど、その壷の精霊がオジサンってのは思い切った設定だよねぇ~」

俺「イメージぶち壊しじゃねぇか・・・」

時生「このドラマは木曜の会談っつぅ、枠内で放送されてたんだけどよ、他にもいろんなドラマが放送されたわけよ。当時の若手が色々と採用されててな、なんとジュニア時代の滝沢と翼も出てるドラマもあって、それが一番人気だったな」

芽瑠「見たい見たい!って言うか滝沢って今は事務所の社長の人でしょ!その人のジュニア時代むっちゃ興味あるぅ~」

もう既に30年ほども前のドラマをウチの親父に紹介されて芽瑠はテンション上がりっぱなしの状態だった。
この家に来るまでは結城家の本家で教育熱心な両親のもとで勉強漬けの息の詰まる生活を送っていたが故の反動を発散するかのように芽瑠は毎日毎日遊びまくっていた。

無論、芽瑠も一応はこの家の家賃や光熱費を折半で入れているので、バイトくらいはしているわけだが・・・・

俺「バレたら終わりだ・・・コイツ以上に俺達が・・・・」

俺が恐れるのは結城家の本家にバレて裁判沙汰になること以上にALOの青いバーサーカーヒーラーのアスナに知られる事だ!アスナは年下の従妹、芽瑠の事を相当可愛がっているらしく、曰くあの子に男なんて考えられないとの事らしい。

俺「アイツにこの事が知られたら・・・この部屋が血の海になっちまう・・・・」

芽瑠「ああ~、滝沢も翼も可愛い~!」

時生「中学生編からは前田も出てくるんだぜ」

芽瑠「何それ!?中学生編なんてのもあるんだ!もう、こっちに来てから毎日楽しいことだらけじゃ~ん」

そんな俺の危篤などまるで察する事無く、親父と芽瑠は大いに盛り上がり続けるのだった・・・



※ ※ ※



翌日、台東区御徒町のダイシーカフェにて・・・

アスナ「キリト君、今度のクリスマスの予定だけど、ちゃんと開けておいてくれてるわよね?」

キリト「当然だろ。仮に他に何か予定が入っても、アスナに開けてくれって言われたらそっちを優先するよ」

アスナ「バ、バカ・・・!こんな人がいる前で止めてよね・・・!」


いちゃいちゃ・・・・っ!オズマの目の前で繰り広げられるのは、キリトとアスナのいちゃいちゃ・・・っ!! by立木ナレ


リーファ「本当に・・・この二人っていつどこに居ても自分達だけの世界を作っちゃうんですよね~」

俺「これはこれである意味一つの仮想世界だな・・・絶対に入りたいとは思わねぇがな」

俺とリーファはキリト、アスナのやり取りを遠い目で見ながら完全に蚊帳の外。リーファからしてみれば身内が人の目が届く店の中で彼女といちゃついてる場面など、あまり見るに堪えない光景だろうな。

アスナ「所でキリト君、明日なんだけどさ・・・・」

キリト「皇居の前で待ち合わせだろ?分かってるよ、ただその前にアイツに呼び出されててさ・・・」

また明日もデートの約束かよ!コイツら・・・キリトが埼玉の川越市とアスナが東京の世田谷区で電車だと片道で1時間半くらい掛かる距離だってのに、よくもまあこんな感じに頻繁にリアルで会えるもんだな・・・・っ!

アスナ「アイツって・・・まさかまた菊岡さんなの?」

キリト「ああ、どうせまた《モニター》とかだろうけどな・・・」

アスナが僅かながら眉を顰め、警戒心を感じさせる表情を浮かべて、キリトもめんどくさそうに口をヘノ字に曲げていた。

俺が総務省仮想課の進藤にGGOで死銃の調査を依頼されたこのタイミングで、今度は同じ総務省仮想課で進藤の同僚である菊岡がキリトを呼び出す・・・・偶然か?それとも、菊岡は菊岡でキリトを使って俺とは別でGGOの死銃の調査をさせようなんて考えていやがるとかか?

もしそうだとしたら、俺とキリトで目的が競合する事になるな。まあ、万が一、菊岡が死銃の事をキリトに依頼したらの話だが。

リーファ「お兄ちゃん、あんまりあの人に気を許しちゃダメだよ。私はALOで少し離したり、一緒にパーティー組んだことが何回かある位だけど・・・やっぱりあの人って何か裏がある感じだし・・・・」

キリト「はは・・・分かってるって。俺だってアイツとはそうだな・・・お互いに利用し合うって感じの関係を維持してはいるけど、気を許すつもりは無いからさ」

そこに、大柄なダイシーカフェのマスターのエギルが四人分の飲み物を持って俺達が座っているカウンター席に運んできた。

エギル「お前らよ、せっかくこんな洒落た店に遊びに来たんだからよ。少しは明るい話題でもねぇのかよ?」

キリト「洒落た店ねぇ・・・今時電子通貨での清算も出来ない様な店なのにな・・・」

エギル「ほっとけ、ウチは昔ながらのスタイルなんだよ」

自らの店を洒落た店と称するエギルに対してキリトが目を細めて、今時、電子マネーでの清算が利かず、現金での支払いしか対応していない不便さを指摘すると、エギルは不貞腐れたような目付きを浮かべていた。

俺「あん・・・?いつの間にか他の客が来てた見てぇだな・・・・」

エギル「お、そうか?いらっしゃいませ~」

キリトとのやり取りで、エギルは店に新しい客がやって来た事を失念していたようで、先に気が付いた俺に指摘されてエギルは接客スマイルをする。

キリト「なんか妙に子供っぽい女の子だけど、あんな子がこんな店に一人でなんて珍しいな・・・」

エギル「こんな店とは何だ・・・」

再度エギルはキリトに対して不服そうな表情を見せるが、確かにこの店は小娘が一人で来るのはそうそうない。
見た感じ、店に入ってきたのはショートヘアーの髪を赤く染めた中学生くらいの小柄で大きな瞳の娘だった。

何処かその辺の適当な席に座るだろうと思っていたが、その娘はこちらに気が付くとそのまま俺達のカウンター席に向かって来る。

エギル「お、お客さん、席はこっちだが・・・・?」

エギルが俺達とは別の二人用のテーブル席に案内も反応せず、小娘はどこか神妙な表情で、何か重要な事を話すときに見せるような表情を浮かべたまま俺達の前に立っていた。

アスナ「え、何かしら・・・?」

戸惑う俺達だったが、アスナがキョトンとした表情のままだが、とにかく代表するように声を掛ける。すると・・・その小娘のその視線は・・・明らかに俺のみを捉えていた。

一体なんだって言うんだ?見ず知らずの小娘がいきなり・・・まあ逆ナン目当てで声を掛けるって言うのなら相手にしてやらない事も無い。見た感じ容姿は中々だ――

小娘「あたしね、妊娠したみたいなの・・・・」

俺「・・・・・・・・・・」

エギル「・・・・・・・・・・」

アスナ「・・・・・・・・・・」

リーファ「・・・・・・・・・・」


いきなりオズマの前に現れた少女のその一言により、空気が完全に硬直・・・・・っ!!by立木ナレ


キリト「ブッフゥゥゥ―――――――!!」


そしてキリト、吐く・・・!丁度グラスに入ったレモンティーを飲んでいたが、衝撃の言葉に思わず吹き出す!妊娠!少女はオズマを見据えながら、そんなただ事ではない一言を発する!―――しかし、オズマからしてみればそんな事を言われたところで知った事ではない、そもそもオズマは目の前の少女など知らぬのであるから当然の事であったはず・・・・ by立木ナレ


・・・・何言ってんだこの小娘は?妊娠しただと?その年で妊娠とはただ事じゃねぇみたいだとは思うが、何故それを俺に言う?
そんな事を俺に言われたところで、俺は見ず知らずの、離したことの無い小娘に手を貸すほどの余裕などあるはずもない―――

アスナ「ちょっとオズマ君!!き、君・・・・この娘になんて事したのよっ!!」

俺「は・・・・?バカか、俺はこんな奴は知らねぇぞ!」

リーファ「何無責任な事言ってるんですか!妊娠だなんて・・・この子、まだ中学生くらいじゃないですか!」

コイツら・・・いきなり現れて訳の分からねぇことを抜かしやがった小娘の話を何真に受けてやがるんだ・・・・っ!!

キリト「おいおい二人とも待てって・・・・オズマとこの子に何の関係があるのかまだ分かってない状況でオズマを責め立てても仕方ないだろ・・・」

そうだキリト!俺はこの小娘を抱いたことはまだ一度も無いし、そもそもこれが初対面だってのに妊娠なんてあるわけがあるか!
アスナの彼氏として、リーファの兄として、ここはビシッと言ってもらわねぇとな。

リーファ「お兄ちゃんは引っ込んでて!!」

アスナ「キリト君・・・Fuck you!!」

キリト「あ、す、すいませんでした・・・俺、黙ります・・・」

頼りねぇ!呆気なく押し黙らされやがった・・・・!!こう言うのが結婚すると鬼嫁に尻に敷かれる夫になるんだ・・・っ!!
既にキリトは俺をフォローする事を完全に放棄したようで、あからさまに気まずそうに目を背けて、スマートフォンを操作し始めていた。

俺「おい、エギル・・・・」

エギル「悪い、仕入れ行ってくるわ!なんか用があったらこのベルで嫁を呼んでくれ!」

俺「仕入れのトラックなんて来てねぇだろ!あからさまに逃げようとしてるのバレバレ――待てこら!!」

アイツ――独活の大木か・・・っ!デカいだけで、俺のこの窮地に簡単に俺を見捨てやがった・・・・っ!!

アスナ「オズマ君・・・どうやってあの娘の人生に責任取るつもりなの・・・?そもそも君に女の子を幸せにできるとは思えないわ・・・・っ!」

リーファ「オズマさん!黙ってないで何とか言ってください!そもそもセック・・・こ、子供が出来るような事をする事自体が問題ですよ!」

俺「いや・・・セックスなんて俺、小6の頃からやってるしよ」

アスナ「警察沙汰よ!これはもう司法の手に委ねるしかないわ!」

リーファ「はいっ!せめて私達の手でオズマさんに罪を償わせましょう!!」

結局、暴走したままのアスナとリーファを止めるのに俺は四苦八苦!有ろう事か俺に妊娠させられたなどと嘯いた娘はその場から姿を消しており、俺はたった一人でアスナとリーファを相手に問い詰められる事になったのだった・・・・俺ってコイツラからそんなに信頼が無かったのか?



※ ※ ※


「まさか・・・本当にこの辺りで見つかるなんて・・・・仮想(バーチャル)でも、現実(リアル)でも、イケメンの首を獲れるチャンスが来るなんてやっぱりそう言う定めなんだねぇ~」 
 

 
後書き
冒頭で時生と芽瑠が話していたドラマは1995年から1997年までフジテレビで放送していたオムニバス形式ドラマの木曜の会談の枠内で96年の1月~3月頃の間に放送された魔法のキモチと言う、ドラマの話です。
実際に当時15歳だった広末さんが主演で他にも、ジュニア時代のタッキー&翼(当時は川野も含めた通称、会談トリオ)の初主演作となる怪奇倶楽部は小学生編と中学生編に分かれて、最も長期に渡り放送された看板作品でした。 
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