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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE209 今回は武器を選ぶ、ただそれだけっ!

そして、クマ――もといスネークの道案内によりオズマが連れてこられたのはマーケットであった。オズマとしても経路を一発で記憶することなどまずは不可能としか思えぬような・・・・曲がりくねった路地やら動く歩道やら動く階段を次から次へと通り抜けて更に数分歩くと不意に開けた大通りに出て、そこでオズマが見たのは大手の外資系スーパーを沸騰させるようなきらびやかな店舗であった。 by立木ナレ

俺「――――――っ!?」

な、なんだ今のは・・・・っ!?い、今、一瞬・・・・穏やかな笑みで全身から般若の如く禍々しいオーラを纏ったアスナの表情が脳裏に浮かんだような・・・・

訳が分からねぇ・・・分からねぇが・・・・これから先、アスナと顔を合わせるたびに冷や汗を掻く思いをしなくちゃならない気がしてきやがった・・・・

スネーク「あそこだ」

俺が戦慄に身を冷やしていると、スネークが俺の方を振り向いて声を掛けてきた。スネークが右手を差し向けている先に見えたのは巨大な、現実でもありそうな―――

俺「アミューズメントパーク見てぇな建物だな・・・あのやたら露出の高い服着た女は、十中八九NPCだよな」

スネーク「そりゃそうだ。ただでさえGGOはプレイヤーの8割強が男で占められてる。そんな中であんな美女アバターのプレイヤーなんてのはそうそう巡り合えるもんでもないさ」

営業スマイルを捲き散らしている女NPC達は、揃いも揃って黒く光るゴツイ拳銃やらライフル銃を装備していた。

俺「にしても、実際にVRのFPSをやるのは俺としても久しぶりになるわけだが・・・俺はどんな武器を使うべきだかな・・・そもそもこのゲーム内でどんな武器があるのかも俺は把握してねぇぞ」

スネーク「そうだな――お前さんのステータスはどんなタイプだ?」

俺「キャラの能力傾向自体はALOから引き継がれてるはずだからな・・・素早さ最優先で次に筋力ってところだな。と言っても、素早さの方がほんの少し高いってくらいだけどな」

スネーク「成程な・・・AGI-STR型だな。そこそこの重装備に耐えられるとは思うが、メインもサブも重装備ってわけにはいかんかもな――筋力ステータスの範疇を超えた重装備は過重ペナルティによって敏捷性が著しく低下させられるからな・・・」

スネークの話を耳にしながら俺はウインドウガラスの向こうの銃器を一つ一つ眺めていく。メインで使う武器はやはり連射の利く、フルオート機能のある銃器が良いと思っているが、遠距離戦でも使い勝手のいいアサルトライフルを無難に選択するべきか、取り回しの良さや室内戦を考慮してサブマシンガンを選択するべきか。

そんな中、アサルトライフルのコーナーとサブマシンガンのコーナーを見て、次にハンドガンのコーナーを見ようとした俺だったが、そのすぐ隣にアサルトカービンと表記された銃が並んだコーナーを発見した。

俺「アサルトカービンってのは、アサルトライフルとは違うのか?」

スネーク「カービン銃と言うのは、ライフル銃よりも銃身の短い、概ね全長が80センチ以下のライフル銃の事だな。何か気になるのでもあったか?」

俺「ああ、このAKS-74Uって言う、サブマシンガンなのかアサルトライフルなのか分からねぇ銃なんだけどよ」

俺が指さした銃を見てスネークは、小さな身体でトコトコと歩いて近づき、じっと眺める。

スネーク「お前さん、AK-74は知ってるか?」

俺「確かそれって、ロシアって言うか、ソ連製のアサルトライフルだっけか?」

その銃なら様々な映画やゲームに登場するメジャーなアサルトライフルゆえに俺も知っていた。

スネーク「ご名答だ。そしてこのAKS-74UはAK-74の銃身を切り詰めたタイプだな。全長は折り畳み式ストックを伸ばしても精々730mm程度って所だな。有効射程は一般的なサブマシンガンよりかは優れてはいるが、AK-47と比較すればその半分以下に過ぎないな」

俺「それじゃあ、普通にアサルトライフルのAK-47を買った方が良いって事かよ?」

スネーク「そうとも限らんさ」

スネークは指(と言うよりも手)をっちっちっちと振るポーズを取って答えていた。

スネーク「弾丸の威力に関してはどの距離においてもフルサイズのAK74と同程度の殺傷力を誇る上に、発射速度はAK74の毎分650発よりも高い毎分800発だ。射程距離が短い分、それを補う利点はちゃんと備わってると言えるんじゃないか?」

俺「そうか・・・ところでスネーク。アンタのメインウエポンはどんな銃を使ってる?」

スネーク「俺のか?少し待ってな」

スネークはアイテムストレージにしまったままでオブジェクト化されていない自身のメイン武器の銃を俺に見せる為にウインドウを出して、手を素早く動かすと、俺とスネークの目の前にそのスネークの小さな身体には不釣り合いなゴツイ軽機関銃が出現し、スネークがそれを構えた状態と化していた。

スネーク「これが俺のメインウエポンのH&K MG4。ドイツ製の有効射程1000メートルを誇る5.56mm口径のベルト給弾式軽機関銃さ」

テディベアがそう渋い声で語りながら軽機関銃を構えた姿は案外インスタ映えしそうな姿でもあった・・・・・

俺「他にはどんな武器があるんだ?状況次第じゃそれだけじゃ対応しきれない事だってあるんじゃないのか?」

スネーク「ほお、良い質問だな」

スネークは感心した様子で首を二度、小さく縦に振る。

スネーク「確かに、こいつは中遠距離での戦闘では火力・命中率、いずれにおいても申し分のない性能を誇るが――近距離戦になり易い状況、主に屋内戦においては取り回しのむずかしさが足を引っ張るからな、サブウエポンにコイツを持ってる」

スネークがそう言いながら、オブジェクト化したしたのは、まるでSF映画の世界に登場しそうな近未来的な小型のハンドガンだった。

俺「これって、現実には存在しない銃じゃねぇか?」

スネーク「ご名答。コイツは見れば想像が付くかも知れないが光学銃のブラスターだ」

俺「SF映画とかに出てくる、光線みたいな弾丸を発射するあれか・・・・」

スネーク「実銃が対人戦での花形とされるのに対して、光学銃は主にフィールドで遭遇する対モンスター戦においてメインに扱われる事が多いんだ。小型軽量で射程が長く命中精度が高いうえに、エネルギーパック・・・・・マガジンの交換(リロード)も容易で弾薬費が掛からないからな。重量もだいたい同サイズの実弾銃の約半分で狙撃銃やアサルトライフルも同種の実弾銃の3分の2程度だからな、俺みたいにメインウエポンに重い武器に選んでるプレイヤーは、サブ武器はその分軽くする必要性が有る傾向になりがち故に、重宝する事が多いのが光学銃さ。他にも空気抵抗を受けないおかげで風と重力の影響も受けないのも利点だな」

これだけ聞いてる分には、光学銃には実銃にはない様々な利点があるように感じるが。目の前のスネークを始め、ここに至るまで通りかかった多くのプレイヤーがメインの武器に実銃をぶら下げている姿を見た限りでは、光学銃ばかりを使うわけにはいかない理由があるはずだ。

事実このぬいぐるみはこう言っていた。――実銃が対人戦の花形とされると。

俺「光学銃のデメリットも話してくれ」

スネーク「ふ・・・そう急かさなくてもちゃんと話すさ。俺は商人じゃないから、武器の悪い所もちゃんとハッキリと言うんでね」

クマのぬいぐるみが口元をニヤッとさせる姿は見る者からしてみれば愛らしいのかもしれないが、俺はなんとなく憎たらしく感じてならなかった。

スネーク「プレイヤーの間ではトッププレイヤーは勿論、中間層のプレイヤーにすら『対光学銃防護フィールド発生器』ってのが普及しててな、光学銃への定番の対抗策を大半のプレイヤーが得ているのが今のGGOのゲーム環境なのさ」

俺「成程ね、対人戦になったら最初っから相手には、その対光学銃防護フィールド発生器がある事を前提としてるとなると、必然的に対人戦では実銃の方が安定しやすくなるわけか・・・」

スネーク「後は好みの問題だな。GGOのプレイヤーの大多数はガンマニアだからな。架空武器のデザインや発射の反動が少ないのが不満になり易いって所かな」

俺「その拘りさえなけりゃ、光学銃を使うプレイヤーも少しばかりは増えるのかもしれないって事かもな・・・ま、俺は取りあえずメインの武器にはこのAKS-74Uとか言うアサルトカービンに決めるよ。遠距離戦には向かないみたいだが、そっちはアンタと組む事が前提だからある程度任せる」

スネーク「ま、コンビを組んでの戦闘なら役割分担での戦闘が定番だからな。それで、それだけで良いのかい?AKS-74Uを買ってもまだある程度の予算は残るから、サブ武器でも買う事をお勧めするが」

それは当然俺も考えている。サブ武器としてのお勧めは基本的にハンドガンやナイフが好まれる傾向にある事は何となく分かるが・・・

俺「って、なんだこれ?」

長いショーケースの隅に、銃ともナイフとも違う、金属の筒のようなものが幾つか並んでいるのを見つけた。
直径は3センチくらいで長さは25センチほどだった。片側には妙な金具が下がり、もう一方は少し太くなって、中央にはなんかの発射口のような穴が開いていた。

俺「引き金はねぇけど、スイッチが一つあるみたいだな」

スネーク「ああ、それは光剣(こうけん)だな」

俺「光剣(こうけん)・・・またSF系の映画やアニメに出てきそうな武器だな・・・・」

俺が思い浮かべたのは巨大な人型ロボットが近接戦闘で使う様な高熱エネルギーの剣だった。だが、使用者が巨大なロボではなく人間であるのだから正確にはアメリカの超名作SF映画の主人公たちが使ってるあのライト―――

スネーク「正式名称はフォトンソードだ」

俺「なんだよ、銃がメインの武器かと思ったら、ナイフ以外の剣もあるんだな。けど、使う奴なんているのかよ?」

スネーク「いや、いないな」

スネークはすっぱりと即答して答えた。

スネーク「銃をメインに使うこのゲームじゃ、剣なんて超近距離にまで敵に迫らなくちゃ当らないしな。そこまで接近する頃にはほぼ確実に蜂の巣だ。まだナイフの方が良く使われてる方だな、なにぶん需要がない割に高額でな、AKS-74Uを買ったらもう、そっちのフォトンソードは買えないぞ」

俺「マジかよ・・・15万クレジットって、AKS-74Uよりも高いじゃねぇか・・・・っ!」

スネーク「やっぱり同じ近接用の武器を買うんだとしても、ハンドガンかナイフにすべきだな」

俺「だよな・・・」

フォトンソードに対する興味は僅かばかり残っていたが、値段が値段なので手を出すべきじゃないだろう。
俺はショーケースの更に端側に目を通し、今度はナイフにしては刀身の長い、全長で90㎝で、刃渡りは70㎝程度の刃物に目を引かれていた。

スネーク「ブラックニンジャソードに興味があるのか?」

俺「ブラックニンジャソードって・・・ああ、忍者刀の西洋バージョンだっけ?」

スネーク「ああ、ブラックニンジャソードを使った事件が何度も起きてるうちに、日本での輸入はかなり前に禁止されて、無許可での所持は銃刀法違反になってるな」

俺「需要はあるのか?」

スネーク「そうだな・・・」

スネークは短い腕を組んで、数秒ほどの沈黙の後、自分の頭の中で返答の言葉をまとめたようで、俺の顔をまっすぐと見据えて答える。

スネーク「ナイフに比べると使用者は少ないが、それでもフォトンソードに比べればたまに持ってる奴は見るぞ。このGGOではマイナーな近接用の武器としてはフォトンソードに次いで威力は高いし、射程もそれなりあり、なによりもフォトンソードと違って値段は手頃だからな。そのブラックニンジャソードとAKS-74Uを買っても、まだ適当な防具を買うくらいの金は残るだろう。弾薬費用は・・・これからの練習を兼ねた狩りで稼ぐことになりそうだがな」


最終的にオズマはメインの武器としてアサルトカービンのAKS-74Uを、そしてサブ武器としてブラックニンジャソードを購入後は、ひと先ず残りの予算で購入可能な防具を得て、早速スネークと共にGGO初となる圏外へ狩りへ出動・・・・っ!銃弾の飛び交う殺伐としたガンゲイル・オンラインの洗礼を浴びるっ! by立木ナレ 
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