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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六話 イギリス風メイドその十二

「それでもね」
「源氏の君はそっちにもなのね」
「縁があったかも知れないのね」
「最後出家するけれど」
 ここも問題だったりする。
「当時お坊さんは結婚出来なかったけれど」
「ああ、それならなのね」
「それはそれで」
「比叡山とかで普通だったし」
 勿論他のお寺でもだ。
「それを咎める人は歴史上誰もいなかったし」
「そこ教会と全然違うのよね」
 メキシコ人だからカトリックのモンセラさんはそのカトリックの話をした。
「本当に」
「キリスト教で同性愛はね」
「時代によって死刑になっても文句言えない位のね」
「大罪だったよね」
「それをお坊さんがしてるとか」
「問題外だよね」
「実際はあるけれど」
 今もだ、そんな話が残っている。
「それでもね」
「許されないことだね」
「そのことから考えるとね」
「日本の仏教のお寺の話は」
「凄いわ」
「これザビエルさんが物凄く批判したから」
 日本の同性愛があること自体をだ。
「とんでもない悪徳が蔓延っているって」
「お寺でさえも」
「というかお寺がその中心の一つだったから」
 一説には空海上人が持ち込んだらしい、けれどその前からあるととも言われているから相当な歴史があったのは間違いない。
「だからね」
「源氏の君もなのね」
「出家したけれど」
 世の無常を感じてだ。
「それだけれど」
「あそこまでやった人が大人しくなる?」
 テレサさんは冷静に言ってきた、この娘もカトリックだ。フィリピンもカトリックの国だからだ。
「そもそも」
「疑問だよね」
「出家してもお顔はそのままだし」
「もてただろうね」
「じゃあね」
「お寺の稚児さん達相手に」
 出家するまでの容貌は頭を剃っただけだし教養や人格はそのままだ。しかも元の地位はどうしても影響する。
「相当なね」
「恋愛劇あったかも知れないのね」
「紫式部は書かなかったけれど」
 同性愛への興味はなかったみたいだ、とはいっても源氏の君への書き方は今でいう腐女子に近いだろうか。
「出家してからもね」
「あったかも知れないのね」
「僕もあれだけの人が恋愛から離れられるか」
 世の無常を感じて出家してもだ。
「かなりね」
「疑問よね」
「うん、そんな簡単な人かな」
 源氏物語を見る限りはだ。
「果たして」
「そこ疑問よね」
「本当に」
「言われてみるとね、しかし」
 それでもだ。
「本当に凄いお話だよ、続編まで書かれたし」
「宇治十帖ね」
「教科書に出て来るわね」
「そこまで書いたからね」
 そこでも世の無常を書くのが紫式部だ、華やかな恋愛で終わらせないことがまた見事であると言うべきか。
「それでね」
「凄いことは凄い」
「作品として」
「凄い伸びた作品だけれど」
 こう書くと今の長期連載、特に某週刊誌のそれみたいだがだ。もうちょっとだけと言って何年も続いた。 
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