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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE208 蛇の名を持つクマ?・・・アスナ、遂に般若化!

前途多難・・・・っ!ALO(アルヴヘイム・オンライン)のオズマをコンバートし、GGO(ガンゲイル・オンライン)にフルダイブして早々に自信の余計な一言が原因で危うくSBCグロッケンの外に連れ出されて、袋叩きに遭い掛けた矢先であった・・・・オズマの窮地を救ったのはなんとクマ・・・っ!渋い哀愁を帯びた中年男のような声と左目を眼帯を装着した姿とは裏波に愛らしい小柄なテディベアであった!! by立木ナレ


スネーク「若いの、アンタまさかとは思うが・・・ALOからコンバートしたオズマって者かい?」

スネーク・・・・と言う名に反してクマのぬいぐるみの姿で、渋い声でのその質問からして俺も気が付いていた。
このクマのぬいぐるみの姿をしたプレイヤーこそが進藤の言っていた協力者であると言う事に・・・・

俺「俺の事を知らされてるって事は、アンタが進藤の奴が言ってたこのゲーム内での協力者さんだな」

スネーク「ああ、さっきも名乗ったが、クマ・ザ・スネークだ。改めてよろしく頼むぜ」

スネークは改めて名乗りながら、手を差し出すが、その手はテディベアだけあって丸っこく、握手のつもりで掴んでみると案の定、中に綿でも入ってるんじゃないかと思うくらいにフワフワとしていた。

俺「つうか、俺がログインしてから声かけてくるまで少し時間が掛かったみたいだな」

スネーク「おう、それに関しては待たせたな。」

俺「まあ、助けてくれたから良しとしてだ・・・・まずは何から始める?死銃と接触するにも、相当強いプレイヤーじゃなくちゃ向こうから狙ってくれねぇんだろ?」

スネークは腕を組んで、考え込む仕草を一瞬見せて、つぶらな瞳を俺に向けたまま渋い声で話を再開する。

スネーク「そうだ、そして強いガンナーになるには当然装備がなくては話にならない・・・・だが、強い装備を整えるには当然金が必要になる。この世界ではクレジットと呼ばれてるな」

俺はそう言われて、ウィンドウメニューを開いて、所持している(クレジット)を確認してみた。

俺「1000クレジットか・・・」

スネーク「知っての通り、コンバートしたばかりのお前さんは能力値こそ引き継がれてはいるが、所持金は初期金額の1000クレジット、その程度じゃ小型のレイガンか中古のリボルバー式拳銃・・・・それか安価なナイフ類を買うので精一杯だ―――それでだ」

スネークもウインドウを開いて、丸っこい手を素早く動かして俺には可視化されていないウインドウメニューを操作していた。
そして何かをオブジェクト化させたらしく、目の前に白い発光が輝いたと思うと、目の前に箱に詰まった状態の金貨がオブジェクト化していた。

俺「おお、アンタ、パトロンって奴でもあったんだな♪」

スネーク「まぁな・・・・お前さんの依頼人、進藤の奴にクレジットを注ぎ込んででもお前さんの面倒を見るように頼まれてるんでな」

どうやら、目の前にオブジェクト化した金貨はスネークが大枚をはたいて用意したクレジットらしく、つぶらな瞳のスネークは細目になり口をヘの字に曲げていた。
一応、テディベアみたいなアバターでもそんな表情が出来るのか・・・・ひとまず俺は目の前の金貨を全て入手するとマネーストレージのクレジットは見る見るうちにその数値を増していき、最終的に俺のマネーストレージの金額は20万クレジットにまで達していた。

俺「それで、早速俺の装備の購入ってわけか?」

スネーク「ああ、割と近い所に装備品を売っているショップがあるにはあるんだが、この街の地理を知らないお前さんが一人でむやみに歩き回れば確実に迷うからな、付いて来な」

スネークは俺のすぐ目の前まで近づくと、短い右腕を手招きするように振る。それにしてもこうして目の前でこいつを見てみると俺との身長差がいかに差があることやら・・・ざっと大雑把な目測で1メートルくらいはあるんじゃないかと思えてくる・・・・

俺「っと、そう言えば俺のアバターはどうなってんだ?」

スネーク「ん・・・そうか。お前さんはこっちにフルダイブしてからまだ自分のGGOでのアバターを自分でかくにんしてないんだったな・・・これで見てみな」

スネークがそう言いながら指・・・と言うより手を向けた先にあったのはドーム外壁を飾るミラーガラスだった。

俺にとってVRMMOのアバターと言うのはSAOでは正式サービス当日にデスゲーム化と同時にリアルと同じ姿のアバターとなり、ALOではそのSAO時代のデータをほぼ丸ごと引き継ぐ機能が実装されている為、従来のコンバートと異なり、基礎ステータスに加えて容姿も、種族的な特色や体格こそ差はあるものの、相変わらずリアルの姿をそっくりそのまま再現した姿になっている為、このGGO出は初めて俺はリアルとは大幅に異なる、VRワールドオリジナルのアバターを得た事になる。


そしてオズマ、自らのGGOにおける姿を確認すべく、ミラーガラスへ歩み寄り・・・・おのれの姿を直視! by立木ナレ


俺「まぁ・・・・別に悪くはねぇかな・・・・」

一目見たGGOにおける俺のアバターに対する感想はそれだった。身長は今現在の、175センチある俺の身長よりも感覚的に3~4センチくらい高くなっている気がする。
外見年齢は恐らく20歳前後ところだろうか・・・・そこまでは良いのだが俺が妙に気になっているのは――

俺「髪長げぇな・・・・」

ログインした時から何となく、前髪の長さとかが気になっていた俺だったが、こうして改めてミラーガラスで確認してみると、薄っすらと無精髭を生やしている他に前髪を含めて伸ばし放題の髪の毛はまるで、散髪もロクにしていない引きこもり男を思わせるような、無造作に伸びた髪だった。

スネーク「その程度はメイキングアイテムでどうとでもなるが・・・・どうせ用事が終わったらALOに戻るお前さんにはアバターの外見なんてさして気にする事はないさ」

俺「そうだな、アンタから出資された金はちゃんと装備の為に使うって」

スネーク「それにな、俺がアバターバイヤーから聞いた話じゃな、コンバート前のアカウントを長時間に渡って使い込んでるとM900番系なんてのが出る可能性が高くなるらしいしな」

アバターバイヤーだとかM900番系だとか良く分からない単語をスラスラとスネークは口にするが、俺は取りあえずアバターバイヤーの事は置いておいて、M900番が何なのかを聞いてみる。

俺「そのM900番系のアバターってのはそんなに酷い成りなのかよ?」

スネーク「いや・・・・」

スネークはアイテムストレージから太い葉巻をオブジェクト化してそれを吸ってから、つぶらな瞳を俺に向けて答える。

スネーク「M900番系は男のプレイヤーでありながら・・・・見た目は何処からどう見ても女にしか見えない――俗にいう男の娘の姿になるらしい」

俺「このゲームは一体どんなプレイヤー層を狙ってるんだか・・・・」

スネークの話によると、SAO生還者である俺はプレイ時間が膨大であるがゆえにそのM900番系が出る可能性もあり得たらしいが、俺はその男の娘アバターにならなかっただけ幸いだと心底思っていた――ついでに、クマのぬいぐるみアバターにならなかった事も心の中で有難く感じよう。


そして、クマ――もといスネークの道案内によりオズマが連れてこられたのはマーケットであった。オズマとしても経路を一発で記憶することなどまずは不可能としか思えぬような・・・・曲がりくねった路地やら動く歩道やら動く階段を次から次へと通り抜けて更に数分歩くと不意に開けた大通りに出て、そこでオズマが見たのは大手の外資系スーパーを沸騰させるようなきらびやかな店舗であった。 by立木ナレ


※ ※ ※


その頃ALO・・・・イングドラルシティにてエギルが最近になり開店したばかりの店舗にて、アスナ、リズベット、リーファが集まりガールズトークに華を咲かせていた・・・・っ!そしてアスナはエギルの店の厨房を借りて、SAOから引き付いた熟練の料理スキルで、スイーツ系料理を作っている最中であったっ!

リズ「聞いたわよエギル。オズマの奴、他のゲームに一時的にコンバートするとか言ってアンタの店にアイテムとかお金とか色々と預けてきたみたいじゃない」

エギル「おう、なんでもGGOとか言うVRMMOFPSに用があるんだとよ・・・・大方、あの総務省の菊岡さんだか進藤さんだかが絡んでそうだな・・・」

アスナ「私、あの二人ってどうにも信用できないのよね・・・・」

エギルの口から菊岡、進藤の名前が出た途端にアスナが不安そうな表情を浮かべてそう漏らしていた。

リズ「ああ、言えてる!あの菊岡って言うおっさんは人の好さそうな顔してなんか腹黒そうな感じだし、あの進藤って奴なんて大っぴらにアタシ達の事をクソガキ呼ばわりして腹立つったらありゃしないわよ!」

リーファ「私もアスナさんの気持ちは少し分かりますよ。お兄ちゃんたちにとってはお世話になった人たちかもしれないけど・・・その見返りにSAO生還者の人達をどこか利用してるって気がしてあんまし好きになれないって言うか・・・・」

アスナの不安そうな言葉に対してリズは共感、特に進藤に対しては露骨に反骨心を露わにし、リーファもリズほどではないにしろ同意していた。
そんな中、リズはパンと音が立つ力で広げた両手を強く叩き合わせていた。

リズ「ま、あんな胡散臭い中年男たちの話は置いておいて・・・前に話してたアスナの年下の従妹の娘だけどさ、海外留学したって本当なの?」

アスナ「ああ、芽瑠ちゃんの事ね」

リズが不快な話を吹き飛ばすように話題を変えて、新しい話題はアスナの年下の従妹の事であった。

アスナ「私も急に知ってビックリしてるのよね・・・」

アスナにとっては親戚で数少ない年下の――妹のような存在であっただけに急な海外留学の報告で、しばらく会う事は出来ないと知った時は寂しさを感じ、その時の心境を思い出したアスナは寂し気な表情を浮かべる。

アスナ「詳しい事は私も知らないんだけど、京都の本家のおじさんとおばさんが言うには明確な期限も決まってないらしくて、今は色々と新しい生活の事でゴタゴタしてるから新しい連絡先を聞くのはもうしばらく待ってほしいって言われてるのよ」

リーファ「海外留学ですか~、親元を離れて外国での生活なんて少しワクワクしちゃいますよね~」

リーファが未知の海外留学に心躍らせて笑みを浮かべると、リズはニヤニヤと不敵な笑みを浮かべる。

リズ「そうね~、高校デビューから一年以内って言う・・・それはそれはもう、女にとって一番多感な時期に親元を離れての海外生活なんて刺激が強すぎるわよね~」

エギル「おいおい、妙に楽しそうにしてるが何を想像してる?」

エギルが訝しむ様に眉を顰めると、リズは人差し指を鋭くエギルに突き付けて言い放つ。

リズ「そりゃアンタ決まってるじゃないっ!男よ男・・・・っ!その芽瑠って子だってアスナ以上のお嬢様で普段から親の前では良い子にしてて色々と発散したいって願望が溜まりに溜まってる時に、親元を離れての海外生活なんて始めた日には、新しい環境にあっという間に染まって・・・・男の一人や二人位で来たって不思議じゃないでしょう!」

リーファ「いや、流石に二人以上は・・・・」

リズは更に興奮気味に話しまくしたて、リーファとエギルを交互に呼び指してヒートアップする!日本に戻る時は彼氏を京都本家の家族に紹介する時だとか、或いはそのまま愛の逃避行だとか、挙句の果てには新しい命を身に宿して帰って来る等々・・・思いつく限りのロマンス――もとい修羅場な展開を口にしていた矢先であった―――

アスナ「リズぅ~」

リズ「アスナはどんな男を連れてくると思うわけ・・・・・?」

名前を呼ばれたリズはその高いテンションのままアスナにも意見を聞こうとしたが、自分の名を呼んだ時の妙に低い声のトーン、そして表情こそ一見すると穏やかながら、全身から発する般若のオーラに気が付きリズはその先の言葉を喉に詰まらせていた!

リーファ「ア、アスナさん・・・・お、怒ってる・・・・?」

エギル「リズがアスナの可愛がってる年下の従妹に男だ男だと言いまくるからじゃねぇか・・・・っ!」

そしてリーファとエギルも鋭敏にアスナの静かなる豹変に気が付くが、かと言ってこうなってしまったアスナを鎮める術があるわけでもなく―――

アスナ「リズってば・・・・さっきから変な冗談は止めてよネェ~」

リズ「あ、あはははは・・・・あ、あんまり面白く、無かったかしら・・・・?」

アスナ「ウフフ、本当にオモシロくないわよ~・・・ヨリニモよって芽瑠ちゃんに・・・・」

そう言いながらアスナは、包丁を握る右手に・・・・自らの筋力ステータスが発する事が可能な限界以上の握力を加えるのであったっ!!

アスナ「(クズ)が出来るダナンて・・・うふふふふふ・・・・」

リズ「は、ははははは・・・・ご、ゴメンねアスナぁ・・・あ、あたしったらなんか変な話で一人で盛り上がっちゃって・・・・」

アスナ「ホント気を付けてよネ~、本当に芽瑠ちゃんに(クズ)なんて付いたりしたら・・・私が・・・・」

包丁を握り締めたまま、穏やかに―――しかし般若のオーラを発したまま笑い続けるアスナを目の当たりにした三人は、誰一人として掛けられる言葉を見つけられずに、圧倒的プレッシャーに圧されるのであったっ!! 
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