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ロックマンX~Vermilion Warrior~

作者:setuna
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ロックマンXorイレギュラーハンターX
  [ロックマンX編]プロローグ:転生

私はどこにでもいる高校2年生の女の子だ。

平凡な家庭で生まれ育って、変わったところなんて何もない。

強いて言うなら女子にしては珍しくロックマンシリーズにハマっていたことくらいだろうか?

今年は嬉しいことがあり、何とロックマンXのコレクション作品であるアニバーサリーコレクションとロックマンの新作であるロックマン11が発売するのだ。

販売元がロックマンをプッシュしているためにロックマンファンとしては堪らない年になりそうだ。

早く発売日にならないかとウキウキしながら私は古いゲームを売りにゲーム店に行ったその時である。

「トラックが突っ込んで来るぞーーーーっ!!!!」

騒音と悲鳴に気付いた私が後ろを振り向いた時には既にトラックは私の目の前に迫り…。

身体に強い衝撃が襲いかかったのと同時に視界がブラックアウトした。

そして、次に目を開けた時には不思議な空間にいた。

「あれ?ここ…どこ?」

「やあ、初めまして」

「!?誰!!?」

振り向いた先には、神々しいオーラを放つ金髪のロングヘアーの美しい女性がいた。

あまりの神々しさに思わず私は息を飲んだけれど。

「信じられないかもしれないけど、私は神様。女神様です♪」

「はあ…?」

彼女のいきなりの女神様発言に少し引いてしまったのは秘密だ。

「あの…私、もしかして死んだんですか?」

「YES♪」

私の問いに対して笑顔で言われ、ショックを受けるより頭を抱えたくなった。

出来ればシリアスな雰囲気で言って欲しかった。

「実を言うと、君は本来死ぬはずじゃなかったんだよ」

「死ぬはずじゃなかったって…現に死んでるじゃないですかあ…ロックマンXアニバーサリーコレクションとロックマン11の発売を楽しみにしていたのに…ロックマンファンとして無念にも程がありますよ…」

「……君はロックマンシリーズが好きなの?」

「はい。ロックマンシリーズはどれも好きですけど、一番好きなのはXシリーズで、次に好きなのはロックマンゼロシリーズとゼクスシリーズですね」

「ああそう…じゃあ、転生先は決まったね」

「え?」

「君のように本来死ぬはずではなかった人は別の世界に転生させるルールがあるの。君はロックマンXの世界に転生させる。」

「え?そりゃあ、エックスやゼロ達に会えるのは嬉しいけど…あそこ死亡率が凄いじゃないですか!!私、あっさり死にます。確実にあの世行きです!!」

主人公ですら死ぬようなシリーズに転生させられてもまたあっさり死んでここに逆戻りしてしまいそうだ。

「大丈夫!!高性能な戦闘型レプリロイドに転生させればいいんだし。エックスやゼロ、アクセルに匹敵するようなね」

「あの…本当に出来るんですか?」

エックスとゼロと言った主人公クラスとなると本当に出来るのか疑わしく、半信半疑な態度を取ると女神は頬を膨らませる。

「勿論。早速転生を始めるよ?どんな姿がいい?」

「えっと…ZXのロックマンモデルZXの姿で…ZXAのロックマンモデルAもいいけど同性の主人公ではあれが好きです」

「OK。それじゃあ…君のレプリロイドとしての名前は“ルイン”姿はZXのロックマンモデルZX…おまけとしてモデルX以外の形態になれるようにしてあげる…」

「…本当?」

「本当です。だけど、何かのきっかけが必要になるよ。」

「それで充分ですよ」

女の子の身体が光に包まれ、光が消えた時には、ロックマンZXに登場するロックマンモデルZXと同じ姿をしたレプリロイド“ルイン”がいた。

「じゃあ、新しい人生楽しんでねルインちゃん。またね~」

「え!!?あ、ちょっと…」

「あ、そうそう、転生の代償に、君の記憶の大半が失われるから」

「それをもう少し、早く言って…」

そして、ロックマンXの世界。

研究所から気晴らしのために散歩をしていた老人は1体のレプリロイドが倒れている姿を発見した。

「これは…!!?」

朱の細身のアーマーに金色の髪のレプリロイドは自分の友人に似ていたのもあって急いで、彼女に触れる。

「ん…」

「おお、目を覚ましたか。大丈夫か?」

意識が完全に覚醒していないルインは声のする方を向くと、そこにいた老人に目を見開いた。

その人物は発見されたエックスの設計思想を流用し、世界で初めてレプリロイドを開発した天才科学者であるDr.ケインであった。

「大丈夫じゃ、お主に危害を加えたりはせんよ」

目を見開いているルインを見て、怯えられていると思ったのか、ケインは安心させるように笑顔を見せる。

「あ、はい…」

笑みを浮かべて頷き返すルインにケインも満足そうに笑みを浮かべた。

「お主、一体何があったのじゃ?どうしてここに倒れておったんじゃ?」

「あ、はい…私はルイン……私は…私…は?」

「どうしたのじゃ?」

徐々に表情が固くなり、突如頭を抱え始めたルインにケインも表情を険しくする。

「わ、分からない…何で…?」

必死に過去を思い出そうとしても以前の記憶が殆ど思い出せない。

かつての自分も…友人も…家族でさえも。

「もうよい!!すまんな…辛い思いをさせてしもうた…」

頭を抱えるルインを見て、申し訳なさそうに言うケインにルインは首を横に振る。

「お主、行くところがないならわしの所に来ぬか?」

「え…?」

どう見ても怪しいレプリロイドである自分に優しい言葉をかけてくれたケインに思わず目を見開く。

「最近1人でいることが多くてのう。昔はシグマがいたんじゃが、今ではあまり来なくてのう…わしも話し相手が欲しかったんじゃ」

「あり…が、とう…」

こうしてルインはケインの元に引き取られ、ロックマンXの世界に転生した少女の物語が始まる。  
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