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レーヴァティン

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第九十話 ならず者達その一

                第九十話  ならず者達
 紅葉は謙二と共に大坂に多くある寺社を巡っていた、そうして自分達の味方にせんとしていたがその中でだ。
 今は共にいて昼食を一緒に食べている謙二にきつねうどんを食べつつ言った。
「素直にお話を聞いてそれならと言ってくれるお寺や神社もあれば」
「はい、どうしてもですね」
「頑ななお寺や神社もありますね」
「そこはどうしてもですね」
 謙二は紅葉に食べつつ応えた、見れば彼もきつねうどんを食べている。
「ありますね」
「それぞれですね」
「我々のことをお話しても」
「この島、世界を救うとお話しても」
「それでもですね」
「信じてくれない場合もありますね」
「はい、それで檀家のお話もです」
 領地や僧兵に代わって渡すそうしたものをというのだ。
「聞いてくれませんね」
「そして我々の政の下に入ることも」
 このこともというのだ。
「聞いてくれないですね」
「そうですね、ですが」
「そうしたお寺や宗教はですね」
「また次の機会にお話するということで」
 そうしてというのだ。
「それで、です」
「今は、ですね」
「我々の考えを受け入れてくれる寺社を先に組み入れて」
「勢力圏に収めて」
「そうしていって大きくなり」
「また私達の考えをですね」
「繰り返しお話していきましょう、そうすれば」
 話を信じぬ、聞こうとしない相手のところに何度も行って話してというのだ。
「やがてはです」
「私達の言葉に頷いてくれますね」
「一度お話して駄目なら」
「何度もですね」
「拙僧はそう考えています」
「そう言われますと」
 紅葉は自分の向かい側にいる謙二に答えた。
「わたくしもですね」
「神仏の教えはそうですね」
「一度聞いてもなら」
「何度もお話して」
「そうしてですね」
「そしてです」
 そのうえというのだ。
「頷いてもらう」
「あちらがどうしても無理だと言わない限りは」
「そうするものですから」
「だからですね」
「地道にです」
 まさに一つ一つだ、寺や神社を自分達の勢力に加えていってというのだ。
「そうしていきましょう」
「地道にですね」
「今の我々はです」
「そうしていってですね」
「勢力を確立させていきましょう、今の状況はです」
 二人の働きはというのだ。
「順調です」
「だからですね」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「多少聞いてくれない人がいても」
「気落ちせずにですね」
「拙僧達の為すべきことをしていきましょう」
「わかりました、確かに今の我々は」
「順調ですね」
「はい、権益を確保して」
「商いは拡大出来ていて」
「ならず者達も成敗していっています」
「今現在大坂を取り仕切っている豪商達からも注目されていて」
 しかも好意的にだ、この世界を救わんとする者達として。
「いい流れです」
「ではですね」
「はい、このままです」
「我々もですね」
「働いていき」
 そしてというのだ。
「大坂を一つにまとめ旗揚げまでもっていきましょう」
「それがいいですね」
「そうです、そして今後何があっても」
 例え躓く様なことがあってもというのだ。 
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