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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百五話 紅茶とコーヒーその七

「原作だとハプスブルク家より古いって自慢してたし」
「オーストリアのあの家ですよね」
「欧州きっての名門のね」
 今も王室ではないけれどしっかりと残っている家だ。
「その家にもそう言える位のね」
「古い家で」
「相当な家だったみたいだけれど」
「ブラド四世じゃなさそうですか」
「ブラド四世の残虐さは桁が違ったから」
 どうもイワン雷帝に通じるものがある位だったと思う。
「違うんじゃないかな」
「じゃあ別の人ですか」
「小説の方もね、そして学園にいる人も」
 こちらのドラキュラ伯爵もだ。
「また違う人なんだろうね」
「そうですか」
「あとね」
「あと?」
「フランケンシュタインもね」
 僕はドラキュラ伯爵と一緒にいるこの妖怪の話もした。もっと言えば狼男とミイラ男も一緒にいる。
「オリジナルじゃないね」
「そっちも小説が元でしたね」
「うん、フランケンシュタイン博士が生み出したね」
「人造人間でしたね」
「そうなんだ」
 墓場の死体をつなぎ合わせたものだ。
「結末で北極の方に姿を消したけれど」
「博士は殺されたんでしたね」
「僕が読んだ本じゃ生きていたけれどね」
 小学生の時に読んだ子供向けにした作品ではだ。
「それでもね」
「博士は死んだんですか」
「原作じゃそうらしいよ、それでね」
「フランケン自体はですね」
「北極に姿を消して」
 そうしてだ。
「行方はわからないけれど」
「この学園のフランケンは」
「また別じゃないかな、そういえばね」
「そういえば?」
「この話歴史に残ってるんだよね」
「そうなんですか」
「東ドイツ、確か」
 後輩の子に記憶を辿りつつ話した。
「チューリンゲンの方にね」
「その地方にですか」
「うん、その大学にいた人で」
「フランケンシュタイン博士ですか」
「本当にその人がいて」
 何でも大地主の家でだ。
「それでね」
「その人がなんですか」
「実際に人造人間を生み出したそうなんだ」
「そうなんですか」
「生み出そうとしたところで記録は途絶えているけれど」
 それでもだ。
「それでもなんだ」
「そうしたお話がですか」
「あったんだよ」
「本当のお話ですか」
「それこの事実を元にして」
 そのうえでだ。
「小説がね」
「書かれたんですね」
「そう言われているんだ」
「フランケンは実在したんですね」
「あのモンスターはね。そもそもドラキュラ伯爵も」
「ルーマニアの辺り吸血鬼のお話ばかりですからね」
「実在がね」
 この妖怪にしてもだ。
「言われているんだよね」
「あちらの方で」
「実際に軍隊の報告があるし」
「じゃあ本当にいたんでしょうか」
「そうじゃないとあそこまで広く言い伝えられないだろうしね」
「そう思うと怖いですね」
「早過ぎた埋葬とかあるけれどね」
 ポーの作品でそのままのタイトルである、この人の作品だとアッシャー家の崩壊でも扱われている。 
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