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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE207 銃の支配する世界・・・ガンゲイル・オンラインへ!

12月5日。俺は進藤からの依頼通りGGOはフルダイブしようとしていた。自宅アパートの普段であれば部屋代わりに使っている屋根裏ではなく、家族がダラダラと過ごしている10畳の部屋の片隅で俺はアミュスフィアを被っていた。

時生「オメェ、今日は珍しくここでそいつを被るのかよ?」

俺「ああ、ちといつもとは違う事情があるんだよ。俺の車の維持費が掛かった依頼をあの総務省の進藤って奴から頼まれてな・・・・」

時生「ほぉ~、そりゃ面倒なこったな・・・」

進藤の事は親父と爺さんも知っているし、この二人も今更俺が何かしようとしたところであれこれと根掘り葉掘り聞いてくるタイプでもないので、説明しなくて済むのは俺としても楽だった。

芽瑠「良いなぁ~。それってアミュスフィアって言うんでしょ?」

アミュスフィアを被った俺を見て、芽瑠が興味深そうに俺の頭の上のアミュスフィアを触ってジロジロと見ていた。

俺「実際に初めて見るのはウチに来てからが初めてなのか?」

芽瑠「そうなんだよぉね~。ウチの親たちったらネットゲームなんてやってたら勉強の妨げになるから絶対にダメだって!」

芽瑠は実家の親からの厳しい躾のせいでゲームすらロクにやらせてもらえなかった事を不服である事を露にするように頬を膨らませて口を尖らせていた。

芽瑠「後ね、アタシの従妹のお姉ちゃん・・・世田谷に住んでる叔父さんの娘なんだけどさ、そこお姉ちゃんがあのSAO事件って言うのに巻き込まれちゃったから親戚一同揃ってVRゲームアレルギーって感じ!」

ああ、アスナの事か・・・アスナには昨日ALOでそれとなく従妹の話を聞きだした結果、年下の従妹の少女を随分と可愛がっていたと言う事が判明しただけに、これから奴と一対一で話すたびに芽瑠の事を知られたらどうなるやらと否応でも想像してしまいそうだ・・・

芽瑠「けどそのお姉ちゃんは今はちゃんと戻って来て帰還者学校ってところに通ってるし、もしかしたらお兄ちゃんと知り合いだったりしてね♪」

屈託のない笑顔のその言動は冗談のつもりだろうがな、知り合いも何も今だってそれなりに付き合いのある相手でキリトの彼女なんだよ・・・・!
アスナには絶対に知られてはならない・・・・芽瑠がウチに家出してきているなどと知られたら・・・・

俺「分かってると思うけど、フルダイブ中にアミュスフィアを無理に外したりすんなよ。強制的にログアウトされちまうからな」

芽瑠「おっけ~、お兄ちゃんの車の維持費の為なんでしょ?アタシもあの車結構好きだから応援してるね~」

目の前で手を振って見送る妹(仮)の目の前で俺はいよいよ銃が支配する世界、ガンゲイル・オンラインへとフルダイブする。

恭史郎「ああん!・・・どうなってやがんだこりゃ一体!なんでユキオ―とカズタカイザーが入れ替わっちまってんだ、えぇ!?折角ここんとこ快勝のユキオ―に賭けたってのに俺が賭けたのは血統の割に冴えねぇカズタカイザーになっちまったじゃねぇかぁぁ!!」

これからGGOにフルダイブしようとした矢先、テレビで競馬を見ていた爺さんが馬が入れ替わったなどと訳の分からぬことを喚き散らしているのを目の当たりにし、いよいよ認知症の兆候が表れたのかと何となく考えながらも、大して重要な事ではないので気にする事なく、俺はコマンドを唱える。

俺「リンク・スタート」

見慣れた白い放射光が視界を埋め尽くし、俺の意識は現実世界の肉体から切り離されて、ガンゲイル・オンラインのアバターへと乗り移るのだった。


※ ※ ※


俺「空が、赤いな・・・・」

ガンゲイル・オンラインの時間は現実の時間帯と同期している事を俺は事前に知っていた。今は午後の2時前であり、幾ら冬場であるのだとしてもこの時間帯でこの夕暮れ空は現実ではあり得ない。

俺「取りあえず、進藤が言ってやがったこのゲームの協力者ってのに会わねぇとな・・・」

このGGOで死銃と接触するに当たり、進藤からはいきなり一人で未経験のゲーム内で断ちまわるのは流石に厳しいと言う配慮?で、GGOのプレイヤーを一人協力者として俺に寄こしたらしい。

なんでも、そのプレイヤーの方にも俺に関する情報は既に伝えているようで、この日この時間帯にログインすれば向こうから接触してくれるんだとからしいが・・・・

俺「確か、GGOの舞台設定は最終戦争後の地球だとかだっけな・・・」

この真昼間に不釣り合いな赤い空もその世界観設定を出す為の演出の一巻だと言う事かもしれない。改めて眼前に広がるGGO世界の中央都市《SBCグロッケン》を見渡す。
世界観がALOやSAOとは根本的に異なるとだけあって、その佇まいも街並みも大きく異なり、俺が今までフルダイブしてきたファンタジーチックな世界観から一転して、荒廃した近未来的な世界観と様変わりした状態だった。

高層の建物がそびえ立ち、空中回廊が網目のようにつながっており、ビルの谷間をホログラム広告が賑やかに流れている。

背後には初期キャラクターの出現位置に設定してるドーム状の建物があり目の前に街のメインストリートらしい広い通りが伸びていた。

そこを行き交うプレイヤー達は銃を舞台としたゲーム世界であるからか男のプレイヤーが明らかに多い。
ALOでは比較的女プレイヤーが高いからかその男女の比率の格差はSAO以上に際立って見えていた。

俺「まさに某世紀末バトル漫画のモブ悪役見てぇな連中がゾロゾロとしてやがるな・・・・」

明細のミリタリージャケットや黒いボディアーマーを纏った男達に今の台詞を聞かれた日には、一瞬にして俺はこの場で取り囲まれて、長時間に渡り袋叩きにされたり、どこかに連れていかれたりされかねないだろう・・・・

「おおい!モブ悪役とか抜かしやがったのか兄ちゃんよぉ!?」

俺「なんつぅ地獄耳なんだよ・・・」

俺のボソボソとした声のつもりの独り言は肩にプロテクターを装着した四角形の顔付きの男に聞かれたようで、四角い顔を真っ赤にした怒りに身を燃やしてこちらを睨み付けていた。

このGGOにも聞き耳スキルのようなのが存在していて、それで聞かれてしまったとかだろうか・・・


そしてオズマ、気が付けば周囲を如何にも荒くれモノと言わんばかりの男達によって取り囲まれてしまっていた。
大半はモヒカン頭・・・・っ!その他はスキンヘッド・・・・っ!そして、その集団のリーダー格と思わしき筋骨隆々の上半身裸の男がオズマを見下ろしながら睨みつけて近づく。

「ひゃっはぁぁぁ!我らがボス、シード様に睨まれちまったらお終いだぜテメェ!!」

「見たところニューピーだぜコイツ!ぎゃはははははっ!このGGOの洗礼をキッチリと受けるこったなぁっ!!」

シード「黙ってろ・・・・テメェら・・・・っ!!」

シードと呼ばれたボスの男は手下の連中に対して眼力と静かな怒気の籠った声で押し黙らせると、再びその厳つい顔つきを俺に向けてくる。

シード「テメェ・・・俺達スコードロンを・・・・Zのメンバーと知ってのことか~~~っ!!」

知らねぇよ・・・・っ!俺はほんの数分前にこのGGOに初めてログインしたばっかりだってお前らも気が付いてんだろ!

シード「さて、楽しい楽しい狩りの始まりだぜ・・・・」

バカかコイツら・・・・?ここはGGOの首都のSBCグロッケンと言う街の中。即ちいかなる方法を用いてもダメージが発生することの無いアンチクリミナルコード有効圏内のはずなのでどちらにせよ、こいつらが俺達をどんな大人数で取り囲んだ所で、どんな大口径の銃で頭やら心臓やらを撃ち抜いたところで殺す事も狩る事も出来やしないってのに―――

シード「テメェらっ!!このクズっ面を街から連れ出して袋叩きにしてやれぇっ!!」

下っ端共「「ひゃっはぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

俺「悪かった悪かった!!取りあえず話し合いで解決だ!話せばわかる・・・分かるだろ!!」

俺の必死の叫びも空しく、10人近い人数のプレイヤー達は一斉に俺の動きを封じてそのまま動き始める。
一応俺のこのアバターも全くの新規のアバターではなくALOからコンバートしたアバターなので全くの無力ではないのだが・・・・地のステータスはともかく、武装は丸っきりの初期装備故に強力な装備補正によって強化されたステータスを持つこの集団に太刀打ちなど不可能だった・・・・


コンバートシステムとは・・・あるVRMMOで育てたキャラクターを別のVRMMOへと移すことができる機能である。VRMMO開発支援パッケージ、ザ・シードを利用して生成されたタイトルの全ては例外なく、このコンバート機能が備わっているのである。が、無論これは・・・・キャラクターをコピーして増やすという機能ではなく、コンバートした瞬間、もとの世界でのキャラクターデータ完全消滅し、更に移動出来るのはキャラクター本体でアイテム類は一切持ち出せないと言う制限が強いられているのであった・・・・っ!

要するに、例えばとあるAと言うゲームで育てた筋力100、素早さ80と言うステータスのキャラクターをゲームBに移動させた場合は、ゲームAでの強さの度合いを相対的に保持した変換が行われ、ゲームBにおいてATR40、AGI30といったキャラクターが誕生する。

更に簡略的に説明する場合、ALOにおいて中の上程度の強さを持った近接戦闘型のキャラクターはGGOにおいても中の上の戦士タイプとして転生するわけであった!

無論、一切のアイテム、金銭の類を持ち出す事が出来ない為、便利である反面、そう易々と気軽に行える事でもなく・・・・オズマの場合は所持しているアイテム、(ユルド)のほぼ全てをイングドラルシティに正式な店舗を開店したばかりのエギルの雑貨屋の保管庫に預かってもらう形を取っていたのであった by立木ナレ


何だこりゃ・・・?GGOにログインして早々に訳の分からねぇ某盗賊集団の真似事モドキの連中に街の外に連れ出されて袋叩きの末にDeadとは・・・・これがSAO時代にユニークスキルの使い手の一人にして灰色の剣士なんて呼ばれたプレイヤーの姿とはな・・・・

「そこまでにしときな・・・・街の外でやり合うにしたって丸腰の一人に大勢で狩ったところで実入りは無いんじゃないのか?」

その声は、実に渋い。哀愁を帯びた中年男のような渋い声だった。10人ほどの男に囲まれている俺はその声の主の姿は未だに見えないが、その台詞からして少なくとも俺の事を気遣ってくれている事は何となくわかった。

シード「貴様・・・・スネーク、スネークかぁ!?」

Zのボスであるシードがその声の主を見て、声からして困惑している様子が分かる。どうやらこのGGOにおいては名の通った実力者なのかもしれない。

ボスのシードの動揺はそのままスコードロンのメンバー達にも瞬く間に伝染し、驚嘆を帯びた声が次々と上がり続ける。

「ス、スネークって確か前のBoBでランキング12位まで入り込んだって言うあのスネークか!?」

「俺にも分かるぜ・・・・奴の放つ危険な男のオーラが・・・・俺達じゃ勝てねぇ!!」

おお・・・マジで名の通った実力者だったとはな・・・。まさに地獄に仏とはこの事だな、実際に仏のような顔をしているかどうかは知らないが、取りあえずこの窮地を救ってくれたその渋い声の主に俺は感謝していた。

スネーク「どうだいZのリーダーさんよ?俺の言う事なんて聞いてられねぇってんなら・・・俺が街の外で遊び相手位にはなるつもりだが・・・?」

シード「ふん・・・オメェら行くぞ」

スネークと言う渋い声の男によってZのメンバーは俺を解放して一斉にその場から立ち去って行った。それにより俺はこの窮地を救ってくれたスネークと呼ばれた男の姿を初めて目の当たりにする事になった。

ちなみに・・・・スネークは蛇の英語読みである事くらいは俺ですら知っており(ただし、アルファベットのスペル表記は知らない)。
そのスネークと呼ばれた男はきっと蛇を思わせるような風貌なんじゃないかと思っていた俺の想像は―――

スネーク「若いの、見た所ぉ初心者(ニューピー)のようだが・・・・ログインして早々に災難だったな」

実に渋い・・・・渋い哀愁の漂う中年男の声の主の姿はと言うと――

黒い円らな瞳・・・

茶色のふさふさの毛に覆われた身体・・・

そして全長で精々80センチ程度と言う小柄な体躯・・・

俺「ぬ、ぬいぐるみが喋ってるのか・・・・・!?」

スネーク「おいおいいきなりご挨拶だな・・・・俺はこれでもこのGGOのプレイヤーだぜ。クマ・ザ・スネークって言うもんだ」


唖然・・・・っ!その哀愁漂う渋井声色とは裏腹に・・・声の主の姿はまさにクマのぬいぐるみ・・・テディベアであった!
そもそもキャラクターネームに何故クマと蛇の両方の名前を使っているのか・・・・!?クマは何故日本語のままで蛇は英訳してスネークになっているのか・・・・!?

謎多きオズマの窮地を救ったこのテディベアこそが・・・・実は進藤が手配したGGO内におけるオズマの協力者である事と知るのは間もなくであるっ!! by立木ナレ 
 

 
後書き
今回登場したZのシードのモデルはまんま北斗の拳の第一話でやられ役として登場した一話限りの悪役です。

そしてカズタカイザーとユキオ―の入れ替わりネタは中間管理禄トネガワですw 
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