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ドリトル先生と日本の鉄道

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第九幕その十

「小柄に見えたんだ」
「百八十って小柄って」
「アメリカのバスケットボールのプロじゃないんだから」
「そんな社会もあったんだ」
「凄いわね」
「僕だってラグビー選手の間に入ると小さいよ」
 先生は定食のお皿にあるポテトサラダを食べつつ言いました。
「ずっとね」
「ああ、あの人達も大きいしね」
「普通に百九十以上あるし」
「身体も筋肉質で」
「巨大よね」
 動物の皆も頷くことでした。
「もう戦車軍団みたいで」
「あの巨体で突進するから」
「アメリカンフットボールでもそうだけれど」
「大きな人ばかりね」
「プロレスやお相撲でもそうだね」
 先生は格闘技のお話もしました。
「大きな人ばかりだね」
「確かにね」
「力士さん達も大きいよ」
「百八十以上が普通で」
「先生が小さく見えるわ」
「結局背は比較なんだよ」
 先生はこう考えているのでした。
「明治維新の頃の日本人の平均身長は百五十四位だったし」
「小さいね」
「今じゃ女の人でも小柄よ」
「日本の大人の女の人の中でも」
「百五十四位だとね」
「先生がその中に入ったら」
「物凄く目立つね」
 先生もこう言います。
「頭一つ分は」
「今の日本でも大きいけれど」
「昔だともっとだったのね」
「大きかったのね」
「そうだよ、それに僕は背があっても」
 それでもというのです。
「スポーツはからっきしだからね」
「乗馬は出来てもね」
「速く走らせることは苦手だし」
「先生とスポーツはね」
「何の縁もないことだね」
「恋愛とスポーツはね」
 ポテトサラダと同じく定食にあるレタスやトマトも食べてです、そうして言う先生でした。
「僕には無縁だね」
「うん、恋愛はともかくとしてね」
「スポーツはそうね」
「先生とスポーツって」
「残念ながら縁がないわ」
「あれっ、恋愛はともかくって言うけれど」
 先生は皆のその指摘に眉を動かして尋ねました。
「僕は本当にもてたことないから」
「主観と客観ね」
「背は比較だけれど」
「それは先生の主観よ」
「客観はどうかしら」
「そして現実は」
「いやいや、僕はもてないんだよ」
 先生は真剣にこう思っています。
「この外見でスポーツも出来ないから」
「だから人間中身でしょ」
「先生みたいないい人いないわよ」
「温厚で紳士的で気配りも出来て公平で」
「こんないい人いないのに」
「そうは言ってもね」
 先生は気付かないまま主観だけで皆に返します。
「僕がもてたことはないしね」
「だから近く見たらいいのに」
「これまでずっとこうだったけれど」
「先生好きな人っているわよ」
「それも凄くいい人が」
「そうは思わないけれどねラブレターとかプレゼントだって」
 そうしたものはといいますと。 
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