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レーヴァティン

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第八十九話 大坂に戻りその十

「思ったよりならず者が多い街だな」
「何かとでござるな」
 智が英雄のその言葉に応えた、一同は今は共に屋敷の中で集まってそうしてそこで晩飯を車座で食べて酒も飲んでいる。
「シマを持っているヤクザ者もいれば」
「ゆすりたかりのゴロツキもいる」
「人が多いと」
「どうしてもな」
「そうした輩も多いでござるな」
「そうだな、そうした連中は片っ端からだ」
 自分が言った言葉通りにというのだ。
「倒していってだ」
「そうしてでござるな」
「街の憂いをなくしていく」
 そうしていくというのだ。
「そして連中のシマはな」
「拙者達のものになっているでござる」
「表に出したうえでな」
 自分達はヤクザ者ではない、英雄はその自負があるからこそ表に出してしっかりと公にしているのだ。
「そうしている」
「そうでござるな」
「そしてだ」
「シマの収益がでござるな」
「俺達の今の基盤になっている」
「全くでござるな」
「しかしシマだの何だので店にはな」
 一般の商いをしている者にはというのだ。
「一切要求しない」
「そうしているでござるな」
「ショバ代だのはヤクザがたかるものだ」
 そう思っているからだというのだ。
「俺は一切だ」
「求めないでござるな」
「そうだ」
 その通りだというのだ。
「俺はこれからもな」
「そうしていくでござるな」
「汚いシマは不要だ」
 だからそれは手に入れても片っ端から潰していっている、それがどれだけ大きなものを自分達にもたらしてもだ。
「それはな」
「そしてでござるな」
「儲けているが」
「それがだ」
 今度は幸正が言ってきた、当季と共に商いをしている彼が。
「我等の名を余計にあげていっているな」
「ならず者達の成敗と共にな」
「いいことだ、どちらにしろああした連中は成敗するつもりだった」
「早いか遅いかだけだな」
「それだけの違いだった」 
 それならというのだ。
「今やっても悪くない」
「そういうことだな」
「そしてだ」
「御前達もな」
「商売が上手にいっている」
「利益を得てきているな」
「我は一店一店の要領で進めていっている」
 着実にというのだ。
「商売をしていっている」
「わしはでっかくやってるぜよ」
 当季は笑って話した。
「これはって思うものをやってじゃ」
「投資の様にだな」
「でかくやってるぜよ」
「これが凄いんや」
 情報を集めている耕平が言ってきた。
「それがしが集めてきた情報をや」
「一緒に分析してだな」
「これやって思う商売にや」
「一気に動いてだな」
「一気に儲けてるわ」
 そうしているというのだ。
「そやからな」
「成功していっているな」
「そや、博打の様でな」
 当季の商いはというのだ。 
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