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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百四話 タキタロウの味その十一

「そりゃ殺人とか偶像崇拝とかはね」
「絶対に駄目だね」
「けれどね」
「多少のことならだね」
「人は弱いもの、過ちを犯してしまうもの」
「アッラーはもうわかっているから」
「それでね」
 だからだというのだ。
「そんなにね」
「酷い神罰は受けないのね」
「というかコーランで神罰受けるって」
「聖書よりずっと少ない筈よ」
「そうみたいだね、それで登場人物はバッドエンドにならないし」
 ことを果たしたり生きていてハッピーエンドが多い。
「全体的に明るいんだね」
「苦難はあってもね」
「耐え忍ぶものじゃなくて」
「乗り越えて幸せを掴む」
「そういうものなんだね」
「逆境になると奮い立つのよ」
 コーランの人達はというのだ、こう言うと漫画の熱血主人公だ。
「そして苦難を乗り越えて」
「幸せになるんだね」
「それがコーランなのよね」
「本当に聖書と違うからね」
 同じ登場人物でも全く違う。
「名前の呼び名以外にも」
「イスラムではこちらが真だから」
「最後の預言者ムハンマドが伝えた」
「そう、本当のことなのよ」
 聖書でバッドエンドでもというのだ。
「全部ね」
「真実はハッピーエンド」
「そうよ、けれどハッピーエンドならいいでしょ」
「そうだね、バッドエンドよりはね」
 聖書の常のそれもだ。
「ずっといいでしょ」
「それはそうだね」
「だってね、人間弱いもので」
「間違えるものだね」
「間違いを許さない様な神様じゃないわよ」
 アッラー、この神はというのだ。
「むしろその苦難を乗り越える努力をね」
「アッラーは見てくれるんだね」
「そうよ、イスラムを信じてジハードで戦死すれば」
「必ず天国に行けるし」
「天国に行く条件も緩やかよ」
 キリスト教よりはというのだ。
「こんないい宗教そうそうないわよ」
「ハッピーエンドで神様は寛容で」
「だから私もムスリムなのよ」
 いい加減でもというのだ、そうしてというのだ。
 イタワッチさんは書斎で未確認動物の話を読みはじめた、秋が次第に本格的になっていく中で僕達は色々と話をした。


第二百四話   完


                   2018・9・15 
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