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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百四話 タキタロウの味その五

 そしてだ、ラブポーンさんがこんなことを言った。
「座敷童も怖いわね」
「そうよね、いなくなった時のことを考えたら」
 イタワッチさんも言ってきた。
「かなりね」
「怖いわよね」
「傾いてどうなるか」
「そう考えたら」
「火事とかになったって話があるよ」
 座敷童がいなくなったそのお家がだ、僕は傾く話を具体的に話した。
「それでね」
「お家が焼けて」
「大変なことになったのね」
「そうらしいんだ」
 話によるとだ。
「これがね、しかしね」
「しかし?」
「しかしっていうと」
「いや、いなくなるのも妖怪次第だからね」
 その座敷童のだ。
「何時そうなるかってわからないこともね」
「怖いわね」
「このこともね」
「座敷童自体に悪気はなくてもね」
 ただいたい場所にいるだけでもだ。
「人間にとってはね」
「怖いわね」
「どうしても」
「うん、まあこれはね」
 どうしてもだ。
「人間ではどうしようもないんだよね」
「災害みたいなものね」
「このことは」
「地震も台風もどうしようもないからね」
 こうした災害がコントロール出来ればどれだけ素晴らしいか、未来では少しでもそう出来るのだろうか。
「だからね」
「座敷童もそうで」
「それだけに怖いのね」
「幸福と不幸は何時来るかわからない」
 僕はここでこの言葉も出した。
「だからね」
「怖いのね」
「座敷童も」
「そうなるかな、いたら幸せになって」
 そしてだ。
「いなくなったらね」
「不幸せになる」
「人間が気付かないうちに」
「そうだろうね、山形県以外にもいるけれど」
 うちの学園もそうだけれど東北全体に座敷童の話がある。
「若し大人でも見られる座敷童がいれば」
「その時は」
「どうなのかね」
 正直見られる可能性はタキタロウより少ないと思う、妖怪は見ようと思うと見られないものみたいだ。
 それが何故かもだ、僕は二人に話した。
「妖怪は自分達を見たい相手のことはわかるみたいだから」
「それで隠れるの」
「そうした人からは」
「それで観たいと思っていない人もわかって」
 それでだ。
「そうした人の前にね」
「出て来るのね」
「それが妖怪なのね」
「それで驚かせるんだ」
「人を驚かせるのが妖怪だから」
「それでなのね」
「うん、そうして喜ぶんだよ」
 考えてみれば悪趣味だけれどとにかく人を驚かせることが好きなのが妖怪だ。このことは習性なのだろう。 
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