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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE203 渦巻く欲望のマグマ・・・死神の裁き!

癒されたい・・・・っ! by立木ナレ


散々な一日だった・・・俺の一生で最も忙しい12月1日になった事だろう。優心との地獄の大阪万博デート・・・・そして、帰ったら光太郎から手切れ金で出て言ってくれと要求されて・・・・その最中に総務省の進藤との遭遇で奴から二日後に会う事を要求されて・・・・さらに坂上家に戻ったら戻ったで、俺の荷物と手切れ金、更には一枚の手紙で光太郎から絶縁されて実家に50日ぶりに帰省・・・・帰省したらなんと俺に血の繋がらない妹が出来てしまったなどと言う、ギャルゲーオタクからしれ見りゃさぞ嫉まれるであろう展開だった。

そんな出来事の翌日、俺はその日は日雇いの労働などやる気も起きるはずも無く、昼過ぎまで家でゴロゴロと親父や爺・・・そして表向きの妹と言う事になった芽瑠と過ごした後、俺は車に乗って東京都千代田区の三井記念病院へと向かっていた。

家を出る際に芽瑠が『アタシも乗せてぇ~』とせがんできたのを何とか制して苦労し、この病院――

俺「久々だな・・・・レイナに会いに来るのも」

そう、ここは俺のSAO時代のギルドメンバーにして一番のパートナーだったレイナ・・・・沢井玲奈(さわいれいな)がSAO事件前から眠り続けている病院だった。
俺がここの来たのは、ぶっちゃけて言えば自分の為・・・折角見つけた快適な居候先から端金で追い出された挙句に、50日ぶりに帰省したら帰省したで血の繋がらない妹――もとい京都の名門家系の娘の家出に手を貸してしまったと言う綱渡り状況と化してしまった現状に疲労困憊した精神を癒したい一心でレイナに会いに来ていた。

120年近い歴史を持つ巨大な病院に足を踏み入れて、俺はレイナの眠る病室への面会を受付に申し出る。本来であればレイナの病室に入る場合は身内の同意や動向が必要・・・・すなわちレイナの姉であるエルダに許可を取らなくちゃならないわけだが――

俺「んじゃ、前の時と同じように頼んだぜ」

看護師「おっけ~。本命の女の子と二人っきりで会う為だもんね♪少し妬いちゃうけど・・・・弭間の頼みなら手伝ってあげる」

俺は、この病院の・・・・教育実習生として来ている看護科高等学校の女子生徒を味方につけ、(当然、身体の関係構築済み)彼女を動かす事によってエルダの許可など無しにレイナの病室の鍵を開けて入っていたのだった。

看護師「はい、あんまし長いと怪しまれちゃうから程々にしてよね~。結構危うい橋渡ってんだからねぇ~」

俺「ああ、また今度相手してやるよ」

看護師「ホント♪約束だからねっ!今の彼ってば力任せばっかりで弭間との夜の方が楽しみなんだからっ!」

俺に手を貸してくれたJK実習生は小悪魔染みた笑みを見せて病室の鍵を開けて、何食わぬ顔で去って行った。
俺は解放されたレイナの病室に足を踏み入れる。

俺「レイナ・・・」

病室の窓際のベットで一人、もう既に4年近くも眠り続けているのは間違いなくレイナ。閉じた目の奥には黄色い瞳が・・・薄いピンク色のセミロングヘアの髪形に切り揃えられている端正な容貌のレイナ・・・4年近くもこの病室で眠りについているにもかかわらず、健康的で美しい肌色を失う事無く、普通に眠っているだけにしか見えない様な姿で・・・・レイナは俺に目の前で静かに寝入っている。

俺「ホント、合わす顔ねぇかもしれねぇのにな・・・・相変わらず変わらねぇよこっちは・・・・」

レイナはSAOが終わる直前に、俺なら自分の人生を切り開けると信じてくれてたわけだが、リアルマネーゲームで得た金の殆どは手放す事になり、その後もSAOサバイバーバトルの賞金は車を買う金で大半が消えて・・・・ネットゲーム依存治療施設にぶち込まれ・・・・解放後は50日間の居候生活の既に絶縁されて・・・・まるで進歩無しっ!

一応明日、進藤の話とやらの日だった。本来であれば相手にする気など毛頭ないわけだが、坂上家を追い出されて快適な居候生活を失った俺にとっては現状、唯一今の状況を変えられるかもしれぬチャンスとなってしまった・・・・

俺「・・・・・・・」

俺は不意に・・・静かに眠るレイナの顔に手を当てて・・・・その美貌に自分の顔を近づけていた・・・・


オズマの欲望のマグマ・・・・噴火直前っ!!改めてレイナの美しさを目の当たりにし・・・・この第三者の目の届かぬ密室と言う状況がオズマの自制心、理性を吹き飛ばそうとしていたっ!! by立木ナレ


俺「少しくらいなら・・・・良いか?」

俺はレイナの身体に覆いかぶさっている布団をめくりあげ、自らもベットの中に潜り込む・・・・一台のベットの上に俺の隣にレイナが・・・・既に俺とレイナの身体はほぼ密着状態・・・・っ!や、柔らかい・・・っ!そしてこの香り・・・・っ!

俺「・・・・いっその事」

このまま、眠っているレイナを抱いてしまうのは罪になるのだろうか・・・・?そもそもSAO時代にアバターの身体とは言え何度もやり合った仲だしな・・・・思えばあの時・・・・地下水路でカオスドックに追われて、下水路に逃げ込み、二人きりの状態になり、初めてレイナを抱いた時から俺は現実(リアル)でも何時の日か、レイナの肢体を食らう事を望んでいたはず・・・・っ!


オズマは自覚していないが・・・・今のオズマのそれは、病室で寝たきりのアスナに対して・・・態々キリトの目の前でその髪の臭いを嗅いだ須郷のほぼ同等っ・・・・!まごう事無き変態のそれであるっ!! だが、この時オズマはベットの隣で寝ているレイナに夢中になるあまり気が付いていなかった、この病室――聖域に死神が侵入していたことにっ!! by立木ナレ


「アンタ・・・人の妹になにしてるわけ・・・・っ!?」

俺「な・・・・・っ!?」


オズマは聞いてしまった・・・・・死神の声を!! by立木ナレ


俺「エルダ・・・・なのか?」

エルダ「他の誰に見えるって言うのよ・・・・」

時既に遅し・・・俺がレイナの病室に姉であるエルダの許可なしに入り込み、レイナのベットの中に入り、今まさに襲い掛かる寸前と言う言い逃れ出来ぬ光景は、俺の天敵にしてレイナの姉、エルダ――沢井恵梨香(さわいえりか)によって目撃されてしまった・・・・っ!

俺の事を軽蔑すらしているエルダはまさに今、その男が妹のベットに入り込んでいると言う光景を目の当たりにし、汚物を蔑むような黒い眼差しを俺に向けているが、俺にとって問題なのはその視線ではなく、エルダが右手に持っている銀色の輝きを放つツールナイフだった。

俺「な、何で・・・・病室にそんなもんを・・・?」

エルダ「ああ、これ・・・・」

エルダは黒い眼差しを俺に向けたまま、一瞬視線をツールナイフに一瞥した直後、ワザとらしくツールナイフの刀身を舌で舐める。そして―――

エルダ「これはね・・・・・妹の貞操を狙うクズの皮を剥ぐのに丁度良いのよ・・・ねっ!!」

俺「バッ――――!!」

俺の顔面目掛けて振り下ろされるエルダのツールナイフ・・・・っ!俺は首を全力で後ろに曲げる事により、振り下ろされたツールナイフの直撃をかろうじて回避し、そして目の前にはエルダのツールナイフがベットに・・・・さっきまで俺の顔があった箇所にぐっさりと突き刺さっていた。

俺「バ、バカか・・・・・・!!さ、殺人じゃねぇか!!」

エルダ「殺人・・・・ですって・・・・?」

ツールナイフを引き抜き、俺の言葉をまるで嘲笑うかのような微笑を浮かべて、エルダは再びツールナイフを振り下ろす。

俺「だから止め――のわぁっ!?」

俺の目の前に横垂直に振り払われるナイフ・・・・!俺は大慌てでベットから飛び降りて、辛うじてナイフが俺の肌を斬り付けるのを避ける。

エルダ「オズマくぅ~ん?殺人って言うのはねぇ・・・人が人を殺した場合に適応されるわけでねぇ・・・・寝たきりの人の妹に手を出そうとする屑を殺すのは殺人に含まれないのよッ!!」

俺「誤解だぁぁぁ!!」

今度は真正面に直進して来るツールナイフを俺は両手で白羽取りの要領で止める。こ、これでエルダの攻撃を封じ込めたか?

が―――

俺「もう一本持ってやがったのかよ!」

エルダ「今日ここで・・・・アンタの命と人権を断ち切って見せるわ!!」

左手をポケットに突っ込んだかと思うと、即座にもう一本のツールナイフを取り出し、それを何の躊躇も無く、エルダは俺に目掛けて振り払ってきたのだった。


オズマにとってエルダが持つ刀身が精々5センチ程度のツールナイフもこの時ばかりはまさに死神の鎌・・・!屑の首を狩らんばかりに振り払われる死神の鎌ッ!
この日はまさに、オズマにとって現実世界における、人生初となる命懸けの攻防となった・・・・っ! by立木ナレ


※ ※ ※


俺「何時まで付いてくるんだよ・・・・」

エルダ「決まってるでしょ・・・・君が車に乗ってここから消えるまでよ・・・・っ!」

死神との攻防から数十分後・・・・俺はエルダに背後からツールナイフを周囲には見えないほどに密着した距離まで突きつけられた状態で病院の二階から一階までの階段を下っていた。

常にツールナイフの刀身が背中にチクチクと突いた状態だが、そんな些細な痛みを超越する背筋の寒さが12月の寒さをも超えて俺の全身に至るまで凍て尽くしてしまいかねない・・・・

エルダ「全く・・・・どんな手を使って私の許可なく病室に入ったかは知らないけど・・・・偶然今日この日に、レイナのお見舞いのための休みを取ってなかったらレイナがクズに身体を汚されてたわね・・・・」

ったく・・・・最悪なタイミングで現れてくれやがるこのシスコンの死神姉貴は・・・・っ!!俺の姉と言い・・・このエルダと言い・・・俺は尽く姉と言う存在とは相性が悪いのかもしれないな。

そして、エルダに背後からツールナイフを突きつけられた状態のまま、病院の駐車場まで移動し、俺がこの背筋が凍りそうな感覚から解放されるまでもう一息だ。

エルダ「君の車はどれなの?そこまで移動するわよ」

俺「あれだよ・・・あのイエローの初代ロードスターだ」

俺はミニバンの隣に駐車してある自分のユーノス・ロードスターJリミテッドを指差して伝える。目立つ車なのでエルダもすぐに気が付いたのか、エルダはJリミテッドを見た途端、その視線をじっと俺の車に注視していた。

エルダ「あの車・・・・」

俺「ああ、分かり易いだろ?」

そして、ようやくJリミテッドの前に辿り着くと同時に、エルダは俺の背中からツールナイフを離したのだった。

エルダ「これが、君の車なの・・・・?」

俺「ああ、マツダ・ロードスターの初代って言えば解るか?」

エルダは何も答える事無く、俺のJリミテッドをジロジロと見渡していた。そして、ゆっくりとJリミテッドのトランクルームの前に立っていた。

エルダ「この色・・・このエンブレム・・・・!」

俺「ああ、ユーノスのエンブレムなんて俺ら世代には馴染みが無いからな、初めて見るかもしれねぇ―――って、何してんだテメェェェェェ!?」

こ、この女・・・・・俺のJリミテッドのトランクルームを・・・・ツールナイフの刀身を突きつけやがった!!
俺は大慌てでツールナイフを握るエルダの右手を掴み、そして力づくでエルダを振り飛ばす。
エルダの身体は一メートルほど飛ばされて床に尻持ちをついていたが、今はそんな事よりも俺のJリミテッドのエンジンルームだ!!

俺「くっ・・・・傷跡が・・・・・!!」

エルダ「ごめんなさいオズマ君・・・・実はワザとだから・・・・・」

俺「見りゃ分かるんだよ!!お前が全然悪いと思っちゃいない事もなっ!!」

エルダ「ま、安い代償じゃない?レイナに対する強姦未遂の代償がこの程度で済んだんだから?」

俺「くそ・・・・っ!」

反論し難い俺の落ち度を容赦なくエルダは微笑を浮かべたまま突きつけてくる。これ以上この場に留まり続けていた日にはこの程度の傷じゃ済まなくなってしまうと俺は危篤し、大急ぎで車に乗り込みエンジンを掛けて、アクセルを踏み込んで病院を後にしたのだった・・・・

俺「ったく・・・・この傷の修理・・・板金に持って行ったら幾ら掛かるんだよ・・・・!」


そして、オズマがそんな不安を漏らしていた時、オズマが走り去って行くのを見ていたエルダは・・・・ by立木ナレ


エルダ「あの車・・・・4年前にレイナを刎ねた車にそっくり・・・・!」
 
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