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ドリトル先生と日本の鉄道

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第八幕その十一

「情熱と言っていいね、それはね」
「学問だね」
「そちらに向かってるわね」
「本当に」
「そちらによね」
「学問なら何でもだけれどね」
「うん、どうも僕は学問に関心の全てがいっていて」
 自分でもこう考える先生でした。
「他のことはね」
「出来ないにしても」
「関心がない」
「そうなんだね」
「うん、そうなるかな」
 考えるお顔で言いました。
「僕は」
「そうだね」
「人の関心、情熱を向けるものはそれぞれだけれど」
「先生は学問で」
「学問に全関心がいっているのね」
「そうなるだろうね、人はまず情熱を持つ」
 関心と情熱をここでは同じものとしてお話する先生でした。
「そしてね」
「情熱を向けた対象に熱く向ける」
「それでだね」
「努力していく」
「それが大事なんだね」
「そうだね、じゃあ今から僕はね」
 先生はあらためて言いました。
「その情熱を向けるよ」
「学問だね」
「それをするんだね」
「これから」
「今度は医学についてだよ」
 先生の第一の学問です。
「それに励むよ」
「そうそう、学問ね」
「医学の学問をするんだね」
「先生の博士号は医学が最初だったし」
「病院も開いていたしね」
「そうだしね、頑張るよ」
 笑顔で言った先生でした、そしてです。
 先生は本を読みはじめました、ドイツ語のその医学書を。それは論文を書く為でしたがそのドイツ語の本を読んでからです。
 先生は皆にです、こう言いました。
「ドイツ医学は細菌で有名だったけれどね」
「あっ、コッホね」
「コッホだったよね」
「細菌学の権威だった」
「あの人だね」
「うん、コッホは日本の文豪森鴎外にも教えた人でね」
 舞姫や高瀬舟で有名なこの作家さんは本来はお医者さんでありドイツに留学して多くのものを学んだのです。
「細菌学についてはね」
「まさに権威で」
「細菌学を大成させた人だね」
「凄い発見もしたし」
「それで沢山の人が助かったんだね」
「うん、その人のこともあるし」
 それでと言う先生でした。
「今細菌学の本を読んでいてもしっかりしているね」
「しっかりした本なんだね」
「先生が今読んでいる本は」
「そうなんだね」
「うん、今ドイツでは列車砲の話に関わっていたしその前も鉄道のお話をしていたけれど」
 それでもというのです。
「こうした分野でも凄いんだよね」
「医学、特に細菌学で」
「凄い実績を残していて」
「今も有名だね」
「うん、そうなんだよ」
 まさにというのです、そしてです。
 先生はその論文の本も読んでそうしてでした、論文を書く用意もしていきました。鉄道博物館のこともこちらのことも励む先生でした。 
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