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琵琶湖の人魚

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第三章

「困り果てています」
「左様ですか」
「どうにも」
「では我々が問題を解決出来れば」
「お礼はギルドを通して」
「わかりました」
 こうしてだった、二人は今度は琵琶湖を出て近江の役所でこの話を詳しく聞いた、すると村長の言った通りだった。
 それでだ、役所でこの話の解決を素性を隠したうえで解決すると誓った。そうしてそのうえであった。
 また湖の中に戻った、尾崎はそのうえで吉川に言った。
「では次は」
「移住してきた人達の村にだな」
「そこに行って」
 そしてというのだ。
「話を聞きましょう」
「お互いの話を聞くことだな」
「問題の解決を考えますと」
「それが一番だな」
「一方だけの話を聞いても」
 それでもというのだ。
「よくないですからね」
「その通りだな、ではな」
「これからです」
「もう一方の村に行くか」
「ブラジルから来たという」
 その移民達の村に行くことにした、村は最初に行った村から少し離れたところにあった。その村はというと。
 まさにブラジルのアマゾン川流域にある様な村だった、その村に入ってだった。
 そこで村の長老、年老いた魚人そちらの鯰の頭の老人が二人に行った。着ている服もアマゾンのラフなシャツとズボンだ。
「いや、わし等はあれじゃ」
「あれとは」
「日本に憧れてな」
 そのうえでというのだ。
「有志達がこぞって移住したのじゃ」
「アマゾンからですね」
「アマゾン川中から移住したいという者あ集まってな」
「そうしてですか」
「役所と話を通して移住してきた」
「そうだったのですか」
「そうしたらいい国じゃな」
 呻ってだ、鯰頭の長老は述べた。
「この国は」
「そう思われますか」
「うむ」
 実際にというのだ。
「気候もよいし川の中にモンスターも多くない」
「そういえばアマゾン川は」
「水は温かくて食べものは有り余る程あるが」
 しかしというのだ。
「モンスターも危険な獣や魚も多くてな」
「危険ですか」
「それもかなりのう」
「そういえばあそこモンスターの密集地域でしたね」
 尾崎もこのことをよく知っている。
「獣も多くて」
「川の中でもそうじゃ」
「それで危険が一杯で」
「これが暮らすには厄介じゃ」
「それで移住をですか」
「考えてじゃ」
 それでというのだ。
「実際にここに来た」
「そうした事情がありましたか」
「そうじゃ、そしてな」
「実際に日本に来てみて」
「よかったと思っておる、しかしな」
 鯰頭の長老は尾崎そして吉川に強い顔で話した。
「わし等が魚を養殖したり植物を植えたり漁をしたりするとじゃ」
「それで、ですか」
「周りの村と揉めておる」
 そうなっているというのだ。 
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