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許されない罪、救われる心

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41部分:第四話 岩清水健也その七


第四話 岩清水健也その七

「元をどうにかしないといけないけれど」
「犯人を探そうにもね」
「学校中探し回ることになるし」
「けれどそれしかないかしら」
 皐月は同級生達の言葉からこう答えを出した。
「結果としてね」
「そうよね、それじゃあだけれど」
「私達のルート使いましょう」
 二年生達の提案はこれだった。
「仕方ないからね」
「ここはね」
「そうね。それじゃあ皆」
 皐月は今度は部室に集まっている部員達に顔を向けた。神無のその荒れ果てたロッカーを見てだ。そこで集まってしまっていたのだ。
「いい?それぞれで何気なく探して」
「何気なくですか」
「そうしてですか」
「怪しい奴がいたら私に教えて」
 つまりは部員を使っての情報収集だった。
「そこから調べるから」
「はい、わかりました」
「それじゃあそうして」
「いじめは絶対に許さないわ」
 皐月は強い決意と共に言い切ってみせた。
「そう、何があってもね」
「その通りよ。いじめは最低の人間のやることよ」
「それ、わかってるわよね」
「いいわね」
 皐月の周りの二年生達が一年生達に言う。
「そんなことする奴は絶対に許さないわよ」
「ましてやいじめられているのはうちの部員よ」
 ラクロス部である、それが大きな理由だった。
「だからよ。見つけ出すわよ」
「何があってもね」
「はい、わかりました」
「それじゃあ私達も」
「御願いね。さて」
 皐月は一年生の誓いの言葉を受けてまずは頷いてみせた。そうしてそのうえであらためてこんなことを言うのだった。
「それでだけれど」
「はい、一体」
「どうされるんですか?」
「部活の前にロッカーを何とかしましょう」
 神無のそのロッカーを見ての言葉である。
「椎葉さんのね。いいわね」
「そうですよね。これを何とかしないと」
「あんまりですし」
 一年生の殆どは彼女のその言葉に頷いた。
「じゃあすぐに」
「そうしましょう」
「ええ、部活はその後よ」
 皐月はまた告げた。
「いいわね」
「それじゃあ」
「かかります」
 こうしてだった。神無のロッカーはまたしても元に戻された。この時如月達はあえて動いているように見せて実は動いていなかった。
 そのうえでだ。部活の時にひそひそとこう話していた。
「今度も上手くいったわね」
「そう?まずいんじゃ」
「部長本気で怒ってるわよ」 
 如月の言葉に文月と霜月は複雑な顔になっていた。校庭でランニングをしながらそのうえでひそひそと話をしているのだ。
「若し見つかったらその時は」
「只じゃ済まないかも」
「そうだよな」
 長月もだ。ジャージ姿でランニングをしながら不安な顔になっていた。
「ばれたら退部じゃねえのか?」
「そんなの洒落にならないわよ」
「そうよね」
 文月も霜月も退部という言葉にすぐに反応を見せた。
「そんなことになったら」
「どうしよう」
「そうだよ。洒落にならねえよ」
 このことを最初に話した長月もさらに不安な顔になっていた。
「ばれないか?本当に」
「ばれないわよ」
 だがここでだ。如月が言った。
 
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