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ドリトル先生と日本の鉄道

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第八幕その五

「少し不安だよ」
「そうなんだね」
「僕としては」
「出来ることを祈ってるよ、ただね」
 こうも言った王子でした。
「列車砲は兵器だからね」
「だからだね」
「鉄道模型のディオラマか」
「軍事のディオラマだね」
「同じディオラマでも少し色が違うね」
「そうなるみたいだね」
「そうだよね、ドイツ軍の兵隊さん達が周りにいるよね」
「多分そうしたディオラマになるよ」
 実際にと答えた先生でした。
「やっぱりね」
「恰好よさそうだね」
「軍隊を恰好いいと考える人達にとってはね」
「そうした人達が主流だと思うけれど」
「それはどうか」
「そうなるね」
「僕は軍隊に関わったことはないけれど」
 先生はそうしたこととは本当に縁がなかったです。
「けれどね」
「それでもだね」
「知識はあるつもりだよ」
「軍事も学問だからね」
「歴史の中でも重要だからね」
「そうしたことも学ばないとね」
「学問に支障が出るからね」
 だからだというのです。
「学んでいるよ」
「そうだよね」
「ナポレオンのことも学んできたし」
 この人の時代には鉄道はまだなかったですが軍事のことで考えると歴史上とても重要な人の一人です。
「その他の人達のこともね」
「孫子も読んだかな」
「読んだよ、中国語の方もね」
「流石先生だね」
「それで学んできているし」
「列車砲もだね」
「そうだよ、そしてね」
 さらに言う先生でした。
「その列車砲はね」
「ああ、列車砲にも種類があるね」
「とびきりのがいいね」
「インパクトがあるから」
「ドーラがいいかな」
 こう言ったのでした。
「その列車砲は」
「ドーラ?」
「ドイツ軍が建造した八十センチ砲の列車砲だよ」
「八十センチって凄いね」
「大和が四十六センチだからね」
 日本を代表する戦艦の主砲がです。
「大和は九門、ドーラは一門だけれどね」
「数は大和の方が多いね」
「ずっとね、けれど八十センチ砲なんてね」
「他の国は使っていないね」
「それだけに運用は大変だったけれど」
 それでもというのです。
「列車砲の中で一番インパクトもあるし」
「だからだね」
「この列車砲を置ければ」
 そして動かすことが出来ればというのです。
「凄くいいよ」
「だからだね」
「置きたいよ」
「それはいいアイディアだね」
「ドイツ軍は他にも列車砲があったけれど」
「そのドーラがだね」
「一番大きくてインパクトもあったから」
 それ故にというのです。
「あれを置きたいね」
「じゃあそのこともだね」
「明日お話するよ」
「その様にしてね」
「是非ね」
 王子は先生に笑顔で応えました。 
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