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ドリトル先生と日本の鉄道

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第八幕その一

               第八幕  二つの部活
 先生はプラモ部と軍事研究会に事前にアポを入れてそうして翌日お邪魔することを予定に入れました、そのお話をお家で聞いてです。
 トミーもこの日もお邪魔している王子はこの日の夕食であるナポリタンを食べながら先生に言いました。
「そうですか、列車砲ですか」
「あれのディオラマをだね」
「鉄道博物館のコーナーに置いて」
「動く様にするんだね」
「そう考えているんだ、ただね」
 どうしてもと言う先生でした。
「列車砲は日本には縁がないんだよね」
「もうない兵器ですしね」
 トミーはナポリタンの中にあるソーセージとパスタと一緒に食べながらそのうえで先生に言いました。
「列車砲は」
「第二次世界大戦までだね」
「そうですよね」
「色々不便だったしね」
「線路の上でしか動かせないですしね」 
 列車だからです、このことは。
「しかも置いて撤去するのに手間暇もかかるし」
「ミサイルが出来たらね」
「もうそこにいきましたね」
「車両も発達したしね」
「戦車とか装甲車の方が便利ですしね」
「だからもう列車砲はないよ」 
 他の兵器が発達した結果だというのです。
「本当にね」
「そうですよね」
「うん、けれどね」
「スペースが空いて」
「普通の列車はもう全部あるからね」
 それでというのです。
「列車砲をって思っているんだ」
「軍事も重要ですからね」
「軍事のことも頭に入れておかないとね」
「学問としてはですね」
「よくないからね、それにね」
「恰好いいからですね」
「そうなんだよ、列車砲を見ているとね」
 この兵器をとです、先生はトミーにこうもお話しました。見れば皆のスパゲティはかなり沢山あって先生のスパゲティの上には粉チーズがたっぷり乗せられています。ケチャップにソーセージと玉葱、ピーマンにマッシュルームそして大蒜が入っていてオリーブオイルがたっぷりと使われています。
「恰好いいからね」
「だからですね」
「いいと思ったんだ」
「そういうことですか」
「そうなんだよ」
「ただね」
 ここで王子が先生に言ってきました。
「大丈夫かな」
「ああ、兵器とかを置いているとだね」
「戦争を連想するとか子供に影響がとかね」
「そう言う人が多いね」
「日本にはね」
 こう先生に言うのでした。
「いるね」
「そうだよね」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのです。
「抗議でイベントが中止とかね」
「日本じゃあるね」
「それ大丈夫かな」
「はっきり言えるよ、そのことは」
「軍事も学問ってだね」
「戦争も軍事も知らないと」
 そうしないと、というのです。
「何も対応出来ないからね」
「だからだね」
「列車砲も置いていい筈だよ」
 先生は王子に確かな声で答えました。そうしつつナポリタンの横に置かれている野菜スティックにバーニャパウダーを付けて食べます。
「そちらもね」
「そうだよね」
「しかし日本にはね」
「本当にそんな人がいてね」
「それでクレームをつけてくるのは」
「おかしいよね」
「迷彩服を子供が着ることが」
 どうにもというお顔で言う先生でした。
「おかしいかな」
「何か市民団体の人が抗議したんだよね」
「ある政党の市会議員の人がね」
「そうした人って何なのかな」
 王子はフォークを動かしつつ首を傾げさせました。 
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