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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百二話 恐竜の像その六

「数は多くはないね」
「というか少ないわよね」
「絶対にね」
 二人もこのことを察して言った。
「だから滅多に見られないのね」
「人が多い場所にもそういなくて」
「そうだろうね、ただいないかっていうと」
「完全には否定出来ないわね」
「そうよね」
「うん、人間今が知っていることが全部じゃないから」
 それが世界の全てではない。
「知らないことは幾らでもあるし」
「というか人間が知ってるこの世のこととか」
「少しよね」
「この世界のことでも」
「ほんの、って感じよね」
「そうだよ、若し今の時点で自分が知っていることが世の中の全てなら」
 それならだ。
「もうね」
「もう?」
「もうっていうと」
「うん、世の中は狭くて」
 それでというのだ。
「つまらないものだよ」
「つまらないっていうか」
「凄く小さいわよね」
「人間が今知っていることが世の中の全てなら」
「もうそれこそ」
「そうだしね、世の中の広さを認めない人だよ」
 そんな風に思う人はだ。
「だから空想科学は何の夢もないんだよ」
「そうした本については」
「日本にはそんな本もあるけれど」
「自分の知っていることだけで全部語るとか」
 アニメや漫画の設定でもだ。
「進歩の否定で何も生み出さないし未確認動物についてもね」
「まだまだ知らないことが多い」
「わかっていないことが」
「この世にあるものは全部そうだよ」
 科学にしてもだ、今の科学が科学の全てなら科学の進歩なんてもうない。技術の進歩も終わってしまう。
「だから恐竜についても」
「いるかも知れない」
「そうなのね」
「うん、まだまだわかっていないからね」
 地球の生物のこともだ。
「だからね」
「恐竜はいない」
「そう言い切ることは」
「出来ない筈だよ」
 地球の生態系のことが全部わかっている訳ではないからだ。
「それはね」
「そこでいないって言い切ったら」
「本当に駄目よね」
「それこそ非科学的じゃないわね」
「そうなるわね」
「実際絶滅したって思われていた生物いたりしたよ」
 こうしたことが本当にあったのだ。
「シーラカンスとかね」
「あのお魚ね」
「太古からいるっていう」
「うん、絶滅したって思っていたら」
 これがだ。
「南アフリカの深海にいたんだよ」
「それ有名よね」
「うちの学園の水族館に化石あるけれど」
 標本ではなく発掘されたそれがあるのだ。
「今もいるし」
「絶滅したって言われていても」
「そうだよ、絶滅したと思っていたらとか」
 これがだ。
「あるしね」
「フクロオオカミとか?」
 ラブポーンさんはこの生きものを出してきた。
「オーストラリアの」
「タスマニア島のだね」
「まだいるのよね」
「何かビデオ置いておいたら映っていたとかね」
「そうしたお話あるのよね」
「あるけれどね」
 僕はこの生きものについてはこう答えた。
「今の時点では恐竜と同じで」
「絶滅したってなの」
「そう言うしかないかな」
「そうなのね」
「もう八十年位公式には目撃されていないから」
 映像でも野犬かディンゴだと言える位だったりするからだ。 
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