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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE197 取り戻した自由、そして未来

大月が運営を委託されていた施設は・・・例の生配信により都からの調査、介入によって大月が私欲と私腹を満たす為の暴挙が横行していたことが明らかとなり、大月は解任・・・・お呼び警察での事情聴取と言う末路を辿ったのだった。

当然、施設の運営は一時中断となり、収容されていた80人余りの収容者は解放、帰宅・・・・そしてその中には、精神的に疲弊しきり治験に回されていた者もおり、特にそいつらの存在が世論からの大月の施設に対する非難を集める事になったのだった。

俺も晴れて完全に自由の身となり、俺を嵌めた姉貴とユッチは大志によってシバかれ(具体的に何をされたのかは知った事ではない)、あれから一週間・・・・一週間が経過した・・・・

俺「ああ~、やっぱり娑婆は良いよなぁ~・・・・・」

俺はタバコを吸いながら、左手に缶ビールを手に、久しぶりに満喫するアルコールとニコチンの美味を噛み締めていた。

浩美「弭間君・・・・お父さんからビールは一日に一本までって言われてるんじゃない・・・・の?」

俺「固い事言ってんじゃねぇよ!折角の祝いの席に一日に何本までとか堅苦しいっつーのっ!!」

俺は浩美や光太郎――収容所で同じ作業班だった連中と共に釈放祝いで格安の焼肉食べ放題の店で祝勝会をしていた。

格安と言ってもドリンク&アルコール飲み放題セットだと一人当たり3000円以上と俺にとっては中々の贅沢な祝勝会になるわけだが・・・・そこはお嬢様――アスナに一緒にここから出る為に戦った仲間との門出を祝いたいと懇願した結果アスナはこういった。

アスナ「あげる・・・・」

俺「貸してくれるのか!?」

アスナ「あげるって言ったの!さっさと行ってきなさいっ!君はその人達にとってはヒーローみたいなものなんでしょう?」

俺「た、助かった・・・・っ!恩に着るぞっ!」

アスナ「良いから行ってきなさいっ!」

と、まあ・・・・アスナに借りを作る形で金を得て、祝勝会の会費を無事に得る事が出来たと言うわけだった。

光太郎「弭間君、君って奴は・・・まさに男の中の男だよ!」

一応ギリで未成年ながら、すっかり酒を飲んで顔を赤くして酔っている光太郎は俺の隣から肩を組んできて豪快に笑いながら、俺の事を何度も称賛していた。

俺「何だよお前、いざ大月に反逆する時はあんなに消極的だったくせに事が終わったら有頂天になりやがって・・・」

かく言う俺も悪い気はせず、ビールジョッキを手に持った光太郎と俺のジョッキを合わせて乾杯を交わす。

光太郎「よし・・・弭間君・・・・っ!」

俺「あ、どうしたよ?」

唐突に光太郎が――顔を真っ赤にしながらブサイクな顔つきにしては真剣身を感じさせる表情を浮かべて、俺の方を向き直っていた。

光太郎「君になら任せられる!」

俺「いや、だから何をだよ?」

いきなり何を任せると言うのかまるで分からん・・・・が、光太郎は再び上機嫌に笑いだしていた。

光太郎「はっはっはっ!そんなの決まってるじゃんかっ!」

そして光太郎はウキウキと笑みを零しながら、自分のスマホを取り出して待ち受け画像を俺に見せつけてきた。

俺「う・・・・っ!」

そこに映っていたのは施設にいた際にも見た事のある光太郎の妹の写真だった。

分厚い唇

お茶の水博士のようなデカい鼻

まる子のクラスメイトのハマジのような目付き

兄の光太郎にこれでもかと言うくらいにそっくりな妹の優心(ゆここ)の待ち受け画像だった!

光太郎「僕の可愛い可愛い・・・・たった一人の妹の優心を・・・・君になら・・・・君になら任せられるっ!」

光太郎のその妹を任せる宣言により、周囲の連中が一斉におぉ~っと言う驚嘆の声を上げていた。他の連中も光太郎のシスコンぶりを知っていただけにこの言葉に驚きを隠せないようだった。

浩美「光太郎の妹が弭間君と・・・・?と言う事は・・・・弭間君は光太郎の義弟・・・・」

俺「まあ待てっ!今はその話は良いじゃねぇか!飲もうぜ食おうぜ!」

悍ましい事を平然と口にする浩美を制して俺はその場を何とか乗り切ろうと必死だった・・・・妹を任せられる男を見つけて有頂天の光太郎には申し訳ないが俺は光太郎の妹を嫁に貰う気は1%もあり得ない!
結婚はめんどくさいとか――独身の方が気楽だとか――色々と理由はあるが特に一番最たる理由は、この妹があまりにもブサイク!それが決定的な理由だった・・・・・

光太郎「なんだよ照れちゃってぇ~」

光太郎は酔いもあってか上機嫌になりながら俺の肩をパンパンと叩いていた。

光太郎「それとね・・・今度の10月に鉄道会社の中途採用があるからさ・・・・今度こそ就職してみようと思ってるんだ」

俺「そうか・・・・採用されるといいな・・・」

長期間無職の引きこもり生活を送っていた者が採用されるとは思えないが・・・妹の話題が逸れれば俺としてはそれで万々歳なので適当に苦笑いを浮かべながらそう答えておいたのだった。

光太郎「ま、楽しみにしててよ弭間君。就職が決まった暁には君もウチに招待してお祝いするカラさ!」

俺「あ、ああ、楽しみにしてるぜ・・・・」

それはそれでありがたいが、コイツのブサイクな妹と会わなくちゃならなくなるのが唯一の不安だった。

ま、狩りに会う事になったとしてもだ、コイツの就職祝いをするだけ――そう、それだけであり別に長期間滞在するわけではないのだから少し言葉を交わす程度で特に親しい付き合いをするわけじゃないんだ・・・・

浩美「皆・・・・」

そこで、騒ぎの成り行きを静かに無言で見ていた浩美が、珍しく微かに笑みを零しながら小さく口を開いていた。

浩美「皆・・・・これからの事とかで不安だったり・・・・先の事が心配な人もいるかもしれない・・・・」

俺「まあ、今回は施設が劣悪だったから、悪事を暴いて晴れて釈放と放ったが、ここにいる連中の大半が親の方針でネトゲ依存の施設に預けられたことに変わりはねぇからな・・・・」

浩美の言葉を聞いて、他の者達も少しばかしそれは感じていたのか、気負ったような表情を浮かべたり、苦笑いを浮かべる者がいた。

浩美「けど・・・・今の、今の私達ならね・・・・何となくだけど・・・・何も怖い事なんて無いと・・・・思うの・・・・」

光太郎「ああ、そうさ!もうあんなところに送られる僕らじゃないさ!僕らなら未来を掴める・・・・っ!!そうだろ皆っ!?」

浩美が何となくで、特にこれと言った確証も無く発した言葉ではあったが、酔いでテンションが高くなっている光太郎が気をよくして同調し更に盛り上がりを見せると、周囲の者達もそれに乗る様に「勿論だ!」とか「やったるぜぇぇ!」などとおのれを奮い立たせるような言葉を発し始めていた。

俺「ったく・・・いくらなんでも単純だっての・・・・」

俺はそんな連中を見て呆れつつも、こんなのもなんだか悪くは無いような気がして微笑を浮かべていた。



自由を獲得したオズマ達・・・・っ!未来を掴んだオズマ達・・・・っ!今は確かにある、未来は僕らの手の中に・・・・っ!!

そして次回、オズマが再び堕落する? by立木ナレ 
 

 
後書き
今回でオズマ施設収容編は完結となります。

次回よりファントム・バレット編に入りたいと思います。 
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