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おぢばにおかえり

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第四十八話 合格してその三十四

「後はね」
「もう寮に帰られて」
「それお休みするわ」
 正直色々あって何か疲れました、合格発表から。
「そうするわね」
「そうされるんですね」
「ええ、それで阿波野君は」
「もう一回こっちに戻りまして」
 神殿にというのです。
「それで回廊ひのきしんさせてもらおうかと」
「今日なの」
「膝当て持って来てますし」
 回廊ひのきしんに使うそれをというのです。
「ちゃんと」
「いつも持ってるの?」
「そうですね、基本持ってますね」
「それで回廊を拭かせてもらってるの」
「そうさせてもらってます」
「それは凄いわね」
 私もこのことはびっくりしました、こんな子もいるのねと。
「そんな天高生の子いないんじゃないかしら」
「そうですか?」
「いつも膝当て持ってる子なんて」
 それで拭かせてもらってるなんてです。
「とても」
「そうなんですね、まあとにかくです」
「今日は私と別れたらなの」
「はい、またこっちに戻って」
 そうしてというのです、
「やらせてもらいます」
「勇んでるわね、私も負けていられないわね」
 心からこう思いました、阿波野君のおみちへの熱さに正直内心驚いているというか舌を巻いていました。
「今日は無理でも明日は」
「回廊をですか」
「拭かせてもらうわ」
「いさんで、ですね」
「やらせてもらうわ」
 最後は阿波野君には負けていられないと思いました、大学に合格しても阿波野君と一緒にいるとよくそうなるのが不思議です。ですが何はともあれ私の進路は決まりました。


第四十八話   完


                    2018・1:15 
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