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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百一話 家庭その八

「イギリスのお料理はね」
「とんでもないと」
「それで日本に来てね」
「美味しさに驚いていると」
「大抵の子が言うんだよね」
 イギリスからの留学生の子はだ。
「あとオランダもね」
「アメリカの子はあまり言わないですが」
「あそこは結構味がよくなってるみたいだし」
「それもかなり」
「だからね、オーストラリアもね」
 アメリカと同じくイギリスと関係の深いこの国もだ。
「あまりまずくないみたいだね」
「そうですね」
「何かね」
 僕が思うにはだ。
「イギリスがとにかく酷いみたいだね」
「ことお料理は」
「映画の食事も酷いな」
 留美さんはこちらの話をしてきた。
「イギリス料理のそれは」
「そういえば凄い粗食ばかり出るね」
「粗食といっても味付けや食材がいいと美味い」
「その味付けがね」
「どう見ても普通にしていない」
 かなり粗末な感じだ。
「料理番組も酷いものだ」
「ギャグみたいなね」
「とんでもない包丁捌きに調味料の加減だ」
「火の通し方も」
「日本の料理漫画ではギャグになる」
 特に勝負する漫画ではだ、そもそもそうした漫画でイギリス人やイギリス料理が出たのを見たことがない。
「烏賊は食べられるとか言い出す程だからな」
「あれじゃあね」
「知れたものだ、お寿司を出してもな」
「どうにもね」
「あの様なお寿司はない」
「日本だとね」
「実に酷いものだ」
 とにかくお料理は何でもだ。
「二世紀に渡って世界帝国であったが」
「料理文化は発達しなかったって言われてるね」
「そちらはな」
 文学も音楽も発達してきた、だがそれでもお料理はだ。
「結果としてな」
「不思議の国のアリスのお料理は」
 円香さんはその文学の話からしてきた。
「あれは」
「贅沢な食材やいい味付けは出ているか」
「そう言われますと」
「出ていないな」
「確かに」
 あの作品でもそうだったりする。
「実は」
「そうだ、オックスフォードは食費は無料というが」
「何かそのことで日本はどうかという作家さんもいますね」
「その作家はある作品の十四巻がずっと出ない作家か」
「私達が生まれる前に十三巻が出たそうですが」
 もう十六年以上か、そこまで続巻が出ないともう普通の人はその作品の存在すら忘れてしまいそうだ。
「そこからですね」
「ずっと出ていない」
 続巻、十四巻がだ。
「今もな」
「その作品の作家さんが」
「オックスフォードはそうで日本の大学はとだな」
「批判しておられますが」
「オックスフォードだったか。しかしあの大学はだ」
 この世界的に有名な大学についてだ、留美さんはこう言った。
「元々執事さんが付く様な学校だ」
「貴族の学校ですね」
「日本の大学とは全く違う」
 今は執事さんは付くかはわからない、どっちにしてもかなりの所謂セレブが行く大学であることは間違いない。
「そんな大学と日本の誰でも合格すれば通える大学はな」
「違いますね」
「そこがわかっていない」
 その作家さんはというのだ。 
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