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足を洗った後で

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第三章

「貴方のお話を聞く限りでは」
「そうなのか」
「はい、何しろです」
 まさにと言うのだった。
「堀内組は貴方のお力を借りたいのですね」
「そのことは間違いないな」
「ならです、お子さんに何かすれば」
「そうなるとか」
「貴方に協力を得られることは出来ません」
 それ故にというのだ。
「ですから」
「それはないか」
「はい、ですから息子さんはです」
「あんた達ならか」
「助け出せます、ではまずは」
「堀内組のことを調べさせてもらいます」
 極めて冷静な顔でだ、鈴子は主に述べた。
「それからです」
「息子を助けてくれるか」
「そうさせて頂きます」
 このことを約束してだった、そうしてだった。
 二人は早速だ、堀内組のことを調べる為に街の中を歩き回りかつ術も使って情報を集めた。その結果。
 鈴子は宿の風呂の中で共に湯を楽しんでいる雅に話した。ここで鈴子は雅の湯舟にはっきりと浮かぶ豊かな胸にも注目していた。
「街に入った時のならず者達も」
「おそらくですね」
「堀内組ですね」
「今佐和山で最も勢力の大きな組ですね」
「その様ですね」
「そしてですね」
 雅もまた鈴子のやはり大きい胸を観つつ話した、コボルトなので小柄だが胸は結構な大きさである。
「そのうえで」
「はい、佐和山を完全にです」
「牛耳ろうとしていますね」
「裏家業において」
「よくある話ですね」
「そうですよね」
 鈴子は眉を曇らせて雅に応えた。
「ヤクザ屋さんや暴走族の世界では」
「不良の世界でもそうですね」
「まことに。街の裏を牛耳って利権も独占する」
「魂胆が見え見えですね」
「まことに。ですが」
「ヤクザ者自体が許せないです」
 悪事を為す、それ故にだ。
「しかも子供を攫って足を洗った人に脅しをかけるなず」
「余計に許されないです」
「全くですね」
「まことに。ですから」
「この度はですね」
「絶対に許せないですね」
「何とかしなければならないです」
 それこそとだ、こう話してだった。
 鈴子は雅にあらためて述べた。
「堀内組の構成員と組の状況、屋敷の中のこともです」
「全て調べました」
「ならですね」
「明日です」
「組の屋敷に入り」
 彼等の本拠地にというのだ。
「そしてです」
「一気に倒しましょう」
「術を使って、その術ですが」
 鈴子はここでだ、湯舟から出ている湯気を見て雅に話した。
「霧を使いましょう」
「霧を使ってですね」
「ヤクザ屋さん達の視界を完全に妨げ」
「そのうえで」
「中に入りましょう、私と雅さんはそれぞれ暗がりでも目が利きます」
「コボルトとダークエルフですから」
「そうです、かなり深い霧の中でも」
 その時もというのだ。 
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