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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE191 自由を得る為・・・新たなる反撃!

コンピュータールーム使用券を使いオズマは一カ月ぶりにALOにフルダイブし、キリト達との再会を果たしていた・・・・っ!明らかになった様々な状況・・・・許し難き裏切りの事実っ!そして、大月の尻尾を掴むための作戦は続くっ! by立木ナレ



俺がALOにフルダイブしていられるのは日曜日の夜の7時頃までだった。施設から出る事の出来ない俺に出来る事は総じて限られているが、俺と情報交換したキリト達に託せる事は数多くある。

俺「上手くやってくれりゃいいがな・・・・」

アスナ「大丈夫よきっと、それにしても毎週のその・・・・ぼったくりの物品販売だったかしら?それの仕入れが日曜日なのは幸いだわ、クラインさんが車を出せるから」

当人がフルダイブしていない状態の、エギルの仮店舗の椅子に座りキリト達の報告を待っている俺に対して、丁度同じ時間帯にフルダイブしていたアスナが声を掛けてくる。
ちなみに、キリトはクラインが運転する車に同行しているらしくこの場にはいなかった。

ユイ「ママ、それにオズマさん。あの人たちが毎週、商品の仕入れのために同じお店に出入りしている事は既に証拠を得ています――ただ、重要なのは何のために大量購入を行っているのかを立証するかですけど・・・・」

アスナの頭の上のピクシーサイズのユイが、最初は腰に両手を当てた状態で堂々とそう言い放ったが、後半は少々不安現な様子を見せていた。

俺「そんなのは奴らのぼったくり商売の商品の仕入れで間違いないんだが、それを証明しろって事か」

ユイ「はい、クラインさん達がなるべく早い段階で施設の人達に接触で切ればよろしいんですが・・・・」

アスナ「それに関しては、私がオズマ君のお姉さん――森本さんと接触した時に使ったユイちゃんとキリト君の自作アプリが役に立ってくれると思うわ」

キリトと言い、このユイと言い・・・本当に俺が出来ない様な頭脳労働やら技術作業を易々とやってのけてしまうもんだ。
そもそもアプリの制作なんて個人単位で出来るような事だなんて俺には到底想像が付かなかった。


そして、現実世界で施設長大月たちの行動を調べていたキリトやクライン達がALOに戻り、オズマへ報告――出来得ることは可能な限りやり尽くしたことに対してオズマはこの時ばかりはキリト達に感謝―――ッ!そして――by立木ナレ


俺「そろそろ、あのタコ部屋に戻される時間になりそうだな・・・」

俺は右上に表示されているタイマーを確認して、既にフルダイブしてから24時間が経過しようとしてことを確認してそう呟いていた。

キリト「それじゃあ・・・打ち合わせ通りで大丈夫なんだな?」

俺「ああ、こっちの方でも何とか協力者達に話は通してるからな。同じ作業班の奴らが一緒に説得してくれたりな」

ログアウトの直前に、キリト達から今度の方針についての最終確認をし合い、ひと先ずこの場はお別れし、次は現実世界で会う事を約束する。

キリト「分かった、お前の家の方はなんだかんだで大丈夫だったみたいだからな、そっちは安心してくれ」

俺「んなこと心配しちゃいねぇよ。滅多に留守にならねぇあの家にこっそり忍び込もうって考え自体が甘いんだよ・・・・そんじゃあな」

丁度制限時間ギリギリのタイミングでウインドウメニューからlog outをタップし、

ログアウトしますか?――と言うメニューが表記されて、俺はYESを選択する。その瞬間に俺の意識はALOから切り離されて、瞬く間に現実世界で目を覚ます事になり――

大月「おはよう弭間くぅ~ん。一カ月ぶりのVRゲームはどうだったかぁ~?」

俺「SAOの目覚めの時よりも・・・・最悪な気分だぜ・・・・っ!」

ぼやけた視界がクリアになり、その目に飛び込んできたのは俺に顔を目の前まで近づけて、大月特有の仏染みた笑みをにんまりと浮かべた見苦しい事極まりない顔面ドアップだったっ!
ハッキリ言ってSAOから目覚めた直後に最初に視界に飛び込んできたのが色黒スキンヘッドマッチョのエギルだったと気を驚愕するレベルの不快な目覚めになってしまった・・・・っ!

大月「まーまー、そんな事を言わんといてくれよぉ~。私はね、君のほんの一時のVRMMOの時間が終わるのを未届けに来てあげたんだからさ~」

明かに俺が悔しがるのを期待して態々自ら出迎えに来たと言ったところか・・・・そして、その予想を裏切る事無く、大月は不敵な笑みを浮かべて言葉を続ける。

大月「それで・・・・君がここから出る為の準備とやらは出来たのかぁ~?」

俺「残念ながら、流石に一日ネットが出来るようになったくらいじゃそうもいかねぇよな」

大月「なっはっはっはっはっ!そーか、そーかぁぁぁぁ!!」

大月、言わんこっちゃないと言わんばかりに盛大に下品な笑い声を上げていた。そして、コンピュータールームを後にしてタコ部屋に戻る道中、大月は勝ち誇った様子のまま―――

大月「同じ作業班のクズ連中7人だったっけかなぁ?アイツらの一週間分の給料を預かって来たってのに、くくく・・・っ!さぞアイツらは失望して君を恨むだろうねぇぇぇぇぇっ!!なんたって一週間分給料を台無しにされちゃったんだからさぁ!!」

俺「そうだな~、このまま終わるのは忍びないもんだよな・・・・」

大月「ふふふふ・・・けどダァメェ~、24時間のタイムリミットが過ぎた時点で君の希望は潰えて・・・今こうしてタコ部屋に逆戻りで~す」

丸一日ぶりに俺はタコ部屋の扉の前に立っていた、この中には同じ作業班の連中を含む収容者達が一週間に一度、日曜日だけの休日で付かぬ間のひと時を過ごしている頃だろう。

そして同じ作業班の連中は俺が上手くやってくれる事を祈り、願い、期待し待っている事は分かっている・・・。

大月「は~い、弭間君ご帰還で~すっ!」

大月は満面の勝ち誇った笑みを浮かべたまま、タコ部屋の扉を開け、自ら先陣で部屋に入ってきた。日曜日は基本的に大月は休みで施設には顔を出さないにもかかわらず、こうして姿を現したことに収容者達は驚き、一斉に振り向くと同時に、その中には不安気な様子を浮かべている者も少なくなかった。

大月「は~い、皆の衆、聞いてくださ~い」

大月は軽く手をパンパンと叩いた後に室内に聞こえる声量でそう言い放つ。壁際のカプセルホテルのような狭い寝室に入っていた者達も、何事かと気が付き顔を出していた。

大月「え~、先日――自身を含む同じ作業班のメンバー8人分の給料をかき集め、一日コンピュータールーム使用券を購入した弭間君ですが・・・普通に丸一日をアミュスフィアを使ったフルダイブで費やして終わりました~」

やたら嬉しそうに大月の発表――だが、これはこの部屋にいる連中の大多数にとっては無関係の事なので、特に関心無さそうな様子で、欠伸をして聞いていたり、中には沼崎が売っていた物品販売の品を飲み食いしながら聞いている者達が多いが、そんな中・・・・その言葉を聞いて悲観にくれるものが現れる。

光太郎「そんなぁぁぁっ!折角・・・・折角今週は妹との面会を涙を呑んで諦めたってのにそんなぁぁぁぁっ!!」

やはり光太郎だった。まあ、奴にして見りゃ一週間分の給料の殆どを妹との面会券に使っていた為に、このショックは大きいだろう・・・奴には申し訳ないがな。

浩美「・・・・・・・・・」

そんな中、浩美を始めとした一部の同じ作業班の連中は固唾を飲みながらその様子を静観していた。一方で大月たちはこの場を利用し、自らの思想を収容者達に更に根付かせるべく、勝手に演説を開始。

大月「え~、いいですか皆さん?一日外出券とか、コンピュータールーム使用券とか、高額マネーで得られる勤労奨励オプションはまさに皆さんにとっては魅力的でしょがね・・・・やっぱり皆さんにとっては高すぎるでしょう?高い物を手に入れる為に、他の人からお金を借りたり・・・・長期間色んなことを我慢して苦しい思いをし続ける・・・・果たして、これが正しいんでしょうか?」

そう言い放った直後、大月は沼崎が担当していた物品販売のぼったくり価格の嗜好品を指差し、更に言葉を続けるのだった。

大月「否っ!私はそれは正しいとは思えません!――高望みせ・・・・無理をせず・・・・今の自分に手の届く物で妥協し我慢する・・・・それで良いじゃないですか!?」


大月のこの言葉は・・・・オズマが一日コンピュータールームと言う高額な勤労奨励オプションを仲間達からのカンパにとって購入したにもかかわらず、起死回生の一手に踏み切れなかったと言う事実が相乗効果となり・・・・今まさに魔法の言葉となり収容者達に対して異常な説得力を与えるのであったっ!! by立木ナレ


大月「そしてっ!この一見すると高いように思える物品販売は今の皆さんのお給料でも手が出せる・・・・買う事の出来る救いの品だと言う事なんです・・・・さぁ、今宵は日曜日!給料日翌日でまだまだお金を手元に残している人が大勢いるでしょう?買った買ったぁぁぁッ!!」

大月がそう叫んだ途端、収容者達の大半が一斉に物品販売へと押し寄せていた・・・・まるでここに金を注ぎ込む事こそが正しいのだと信じて疑わない様子で・・・・

「俺、ビール2本っ!」

「僕は焼き鳥!当然温めてから頼みますっ!」

「わ、私はシュークリーム買いますっ!」

沼崎「はいはいっ!まだまだ品揃えはこの通りっ!沢山あるからあわてないで、慌てないで皆っ!」


沼崎も流石にこの異様な収容者達の購買意欲と勢いに圧倒されつつも、これなら大月がまた自分を何処かうまい店に誘い奢ってくれるだろうと内心でほくそ笑みながら商売に精を出し・・・・一方で大月は腹の奥の底・・・・底の底の深層心理でこう考えていたっ! by立木ナレ


大月(くくく・・・バ~カな連中だよ全く・・・。ちょっとした出来事と、このわしの弁舌だけでこうも容易く堕落に墜ちおって・・・・っ!)


大月、収容者達を腹の底で完全に愚弄っ!徹底的に見下しっ!嘲笑っていたっ!! ――と、そこで大月の視界に入ったのは物品販売に群がらない一部の収容者達であった by立木ナレ


大月(ん・・・?あ、ああ、アイツらは弭間の馬鹿に自分の一週間分の給料を託した間抜けな同じ作業班の連中か・・・・クク、これにて奴らも反省しただろう・・・・バカな望みをバカな男に託したばっかりに、一週間の苦労の糧をドブに捨てて―――)


と、そこで大月気が付く・・・・物品販売に群がらずに傍観している収容者達の数にっ! by立木ナレ


大月(ん・・・・じゅ、十八人いる・・・・?何故だ、奴らは弭間を除いて7人しかおらんはずなのに、別の作業班の連中まで混ざって18人もおるとは?)


この時大月は、他の11人は恐らく、給料日初日に派手に使い切ってしまいもう使える余裕がない無計画極まりない収容者連中の筆頭的な者たちなのであろうと一瞬考えたのであったが・・・・その甘い思考、短絡的な考えは、次の瞬間に木っ端みじんに打ち砕かれるのであったっ!! by立木ナレ


同じ作業班の7人と・・・・浩美たちの説得によって仲間に加わった別の作業班の11人が一斉に俺と大月の方に接近してくると、大月の表情が一体何事かと思わせる焦りの表情に変わっていた。

大月「な、なんだ・・・貴様らっ!ワ、ワシに用など無かろうっ!」

「いえ――、一応あなたにも話をこの場で通させてもらいます」

大月「なにっ!?」

大月の言葉に対して収容者の一人が自分の給料の入った封筒を懐から取り出すと、その中からその全額を取り出していた。

大月「に、二万・・・・四千だって?」

そう、それは昨日の給料日から1マネーも使われていない金額だった。そして、浩美たちの説得で仲間に加わった11人の収容者全員が同じ額を揃えて、大月に突き出していた。

大月「な、なんだ・・・これはっ!?何の真似だっ!!」

俺「11人か・・・俺の残りの手持ちの42000マネーと合わせてギリギリってところだな。けどうまくやってくれたなお前ら」

俺は浩美たちの方を振り向き、軽く労いの言葉を掛けると、浩美は無言のまま右手の親指を突き立てていた。
まさか、あの無口でコミュ障気味のアイツがこんな事をするとはな・・・・

俺「んじゃ、俺の残りの手持ちと、11人×24000マネーで総額306000マネーになったわけだからよ」

大月「ま、まさか・・・・まさか貴様ぁぁぁぁぁっ!!」

驚愕のあまり口を全開に開け、口からよだれを零すほどに唖然としている大月に対して俺は言い放つ。

俺「今度は一日外出券・・・30万マネーでよろしくな」


オズマが協力者に加えたのは同じ作業班の者達だけではなかった!実に収容者の内の4分の1近い、総勢19人での大月への反逆っ!
これぞ、正真正銘最後の一手になるとだけあって決して無駄に出来ぬ自由な一日を得たオズマ・・・・果たして自由を得られるか!? by立木ナレ 
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