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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE190 仲間達との再会、裏切り者の正体!

オズマは同じ作業班の・・・自信を含めた8人の一週間分の給料を託され、一日コンピュータールーム使用券を購入!

大月にとって思わぬ誤算・・・・収容者達のなけなしのマネーを自らの高額の物品販売で搾り取る事を目論む大月にとってこれは由々しき事態・・・・っ!だが、断わるわけにはいかない・・・・っ!なぜなら勤労奨励オプションは大月に施設の責任者を委託している都の方針であるがゆえに・・・・認めざるを得なかった! by立木ナレ



その扉は、今まで二重の南京錠によって固く閉ざされ、窓はあるもののそれも強化ガラスらしくその辺の適当な道具では到底破壊できるような軟な強度ではない為、無理やり中に入る事に成功した者は今まで一人もいないとの事だった。

そして、俺はその勤労奨励オプションの中では二番目に高額なコンピュータールーム使用券を購入し、ついにその中に足を踏み入れていた。

俺「ちゃんとパソコンやアミュスフィアがあるって事は、こんなところでも流石にWi-Fiくらいはあるって事か・・・」

ま、それは当然か・・・・でなきゃ施設の職員たちの事務作業などに支障が出てしまう。最も俺達がその恩恵に預かれる事はこうでもしなきゃあり得ないわけだが・・・・

大月「良いな、今から24時間だぞ・・・・一分でも制限時間を過ぎる事はダメだ。時間を過ぎた時点で職員の者がお前を部屋から連れ出すから、その時は抵抗するなよ」

俺「ああ、ご解説お疲れさん。今から24時間悠々自適に使わせてもらうぜ」

気に食わなさそうに最後の説明を終える大月に対して俺は含み笑いを見せつけながらそう言い返してやった。
大月は分かり易く醜い顔を更に醜く歪ませると、ワザと聞こえるようなボリュームの舌打ちをしていた。

大月「くくく・・・・何を企んでおるか分からんが・・・たったの一日、たった一日だけネットが出来るようになったところで何が出来る?」

俺「さてと、アミュスフィアは――あったこれだな」

俺はもう大月を無視して、さっさとアミュスフィアに手を出す。辛うじて自分のアカウントのIDとパスワードは覚えているのでそれを使えばこのアミュスフィアでもオズマでALOにログインが出来るはずだ。


そしてオズマ、一カ月ぶりにアミュスフィアを装着・・・・っ!妙に懐かしい感覚を頭に感じながらも、感傷に浸るのはそこまでにして、フルダイブする為のキーワードを一カ月ぶりに口にする・・・・っ! by立木ナレ


俺「リンク・スタート・・・!」


※ ※ ※


そして、一カ月ぶりにインプの剣士、オズマとしてALOにフルダイブした俺は真っ先にキリト達が集まっているであろうエギルの仮店舗に向かって一直線に飛んで行った。
時間帯が時間帯なだけあってログイン履歴からキリト達も丁度ログイン中のようだった。

シリカ「私だって口だけじゃ終わらないですっ!明日には・・・そう明日にはしっかりダイエット始まりですっ!」

俺がエギルの仮店舗の手前までに来て、ドアノブに手を取った瞬間に聞こえてきたのはそんなシリカの威勢のいい声だった。

アスナ「もうリズってば・・・シリカちゃんは3歳も年下なんだからあんまり意地悪言っちゃだめよぉ」

リズベット「いや、ごめんごめん・・・けどシリカったら弄ると本当に面白いのよねぇ~」

シリカ「うぅ~、見ててくださいよぉ~!明日から本気のダイエットを始めて、リズさんが自分の二の腕と腰回りの太さを認識しなおすほどに――」

一カ月ぶりに聞く女どもの声・・・そして同時にそんなシリカのダイエット宣言はまるで施設に収容された俺と同じ・・・・その日一日を耐える事を諦めて、明日から我慢だ・・・そんな事を言い続けてるだけの状況に陥っていた俺と同じ・・・

俺「俺もそうだったが・・・・.『明日からがんばろう』とかいう発想からは・・・・どんな芽も吹きはしない。明日からがんばるんじゃない・・・・今日・・・今日だけがんばるんだっ・・・・・!今日をがんばった者・・・今日もがんばり始めた者にのみ、明日が来るんだよ・・・・とか、大月の野郎なら言いやがるんだろうな・・・・」

エギルの仮店舗に足を踏み入れると同時に、あの腹立たしい大月の奴が如何にも口にしそうなセリフを俺が口にすると――

シリカ「だ、誰ですか・・・っ!人の決意に水を差すような事を言う人は――ああっ!」

リズベット「ははっ・・・っ!けどなかなか的を射そうなコメントだったわよね~・・・っ!――って、アンタ・・・っ!?」

シリカはムッとしたような表情を一瞬俺の方に向けたが、俺の顔を確認した途端に驚嘆し、リズも楽しげに笑いながら俺の声の方を振り返った途端に、まるで亡霊を見るかのように驚愕していた。まったく久々に会ってこんな反応とはな・・・・

俺「何だよお前ら・・・・久々に会って見りゃ、ゾンビでも見るような眼で見やがって・・・」

キリト「って、オズマ・・・・オズマかお前・・・・っ!?」

俺「他の誰に見えるってんだよ・・・・ったく、一カ月会わなかったくらいで俺の顔なんてすっかり忘れちまったってか?」

俺がしかめっ面を見せながらそう言うと、キリトは軽く苦笑。そこにクラインが身を乗り出すようにショートダッシュで急接近してきた。

クライン「オメェ無事だったんかぁ!!変なネトゲ依存の治療施設に連れてかれちまったとか聞いてよぉ・・・・心配で心配で夜も6時間くれぇしか寝れなかったんだぜぇ・・・・っ!」

俺「人並みにバッチリと寝てんじゃねぇか・・・・」

目から再会の感動?――を、思わせる涙を流し続けるクラインに対して俺はツッコミを入れておく。

アスナ「オズマ君、現実世界の君は今、どこからフルダイブしてるの?もう家に帰れたならそれで良いんだけど・・・」

リズベット「いやアスナ、アンタは見てないけど、あの家に帰るのが良いかどうかは・・・・」

俺「残念だが、まだ俺はあの胸糞悪りぃ施設の中なんだよ」

リズベット「は――?ネットゲーム依存治療施設に居ながらフルダイブしてるって事?」

これは説明に時間を要しそうだった。この一カ月間の出来事・・・・施設で見た実態・・・・特に大月の私腹を肥やす物品販売や、劣悪かつネットから切り離された環境下で精神に異常をきたした者たちが送られる末路についてもな・・・・


そしてオズマ、キリトらに自らの身に起きた一ヶ月の出来事を説明・・・・っ!その信じ難い劣悪・・・・・っ!大月の強欲・・・・っ!そしてネトゲ廃人たちの末路を聞かされたキリト達は耳を覆いたくなるような話の数々に寒気を感じ・・・・オズマが送られた施設が真っ当なネットゲーム依存者の治療施設とは言い難い状態である事を確信した!! by立木ナレ


キリト「そうか・・・オズマはその勤労奨励オプションって言うので一日コンピュータールーム使用券を買って、そこからALOにフルダイブしてるってわけか」

リーファ「それにしても一週間6日間働いてお給料が2400円って・・・・いくら衣食住が付いてるからって流石にブラック企業も真っ青待遇ですよね・・・」

リズベット「ホント、エギルの店のバイトがホワイトな境遇に思えるくらいじゃない!」

エギル「おいおい・・・・っ!俺の店は真っ当な労働基準法に則った営業なんだよ!」

俺「ちなみに、リーファが言った衣食住についてだが、部屋は80人が一斉に一箇所に集まるタコ部屋で、飯はオーソドックスなメニューが少ない米にたくあんにおかずは精々一品程度、着る物に至っちゃ作業着と囚人服しかねぇよ」

とまあ、説明はこんなところであり、キリト達はキリト達で俺が収容された施設の事、他にも俺が収容された原因などについてもある程度の調べをしてくれてたらしく、ひと先ずは一日コンピュータールーム使用券を使ったのは正解だったと俺は安堵していた。

ユイ「オズマさん」

そこに、ALOではキリトとアスナの娘とプライベートピクシーのユイがキリトの頭の上からピョンと飛び出し、机の上に着地していた。

ユイ「オズマさん、これはオズマさんを収容している施設の公式ホームページの更新履歴をハッキングで調べた際に手に入れた画像です」

俺「そんなもんまで手に入れたてのか・・・ハイスペックな特技持ってやがるんだな・・・・」

最先端型のAIの恐るべき行動力に俺は多少冷やりとつつもユイが手に入れたと言う画像を見てみる、そこに映っていたのは俺が見知った顔も何人かいる――この施設の作業場の一つだった。

俺「あ、これって確か――鉄工作業班の連中の作業場だったな。」

アスナ「やっぱり・・・・本当に収容者の人達に低賃金での労働を課していたってわけね・・・」

アスナが険しい表情を見せてユイが表示させた画像を睨み付ける様に凝視していた。

俺「これだけじゃ、大月を追い詰めるのには不十分か?」

アスナ「そうね・・・・これを見せただけじゃ・・・・ネットゲーム依存の脱却の一貫だとか幾らでも言い逃れされるわね」

キリト「そもそも、この画像自体がユイのハッキングで入手した情報だからな、逆にその事で追及されると厄介だな・・・・それでだオズマ、俺たちなりにあの施設の事を調べるうちに妙な行動を取ってる事に気が付いたんだ」

俺「言ってくれ」

キリトは首を小さく縦に振り、そして話し始める。

キリト「あの施設の職員――たまに大月施設長も含めて何だけどな・・・毎週月曜日に決まってドン・キほうていに行ってきて、そこで酒とかタバコとか・・・他にも嗜好品を大量にまとめ買いしてそのまま施設に持ち帰ってるらしくて――」

俺「そこが仕入れ先か!!」

キリトのその言葉を聞いた途端に俺は大声量で発していた。キリトも俺がいきなり大声を出すもんだから、一瞬目を凝視させ、その直後に今の言葉が俺にとって重要な情報である事を察したようだった。

キリト「覚えがあるんだな?」

俺「ああ、俺等からなけなしの給料を搾り取る為の餌ってところだ―――」

そうだ、それこそが大月たちが俺達の給料を搾り取る為のぼったくり物品販売の仕入れだったわけだ。奴らは毎週その店で物品販売の商品を仕入れて、それを俺達に仕入れ額の倍の値段で売り付けて儲けを出してたと言う事だ―――


クライン「高っけぇっ!ビール一本で450円だぁ!?ノンアルですら260円っておま・・・・ぼったくりじゃねぇかっ!!」

施設で行われている物品販売の・・・特にその高額なぼったくり価格を聞いたクラインが怒りを孕んだ声を上げていた。
酒飲みのクラインとしては限られた給料の中からやりくりされる酒と摘まみの相場の値段と言うのをよくわかっているだけに、いかに俺達がぼったくられているかすぐに理解できたようだった。

リーファ「けど、どうしてそんな無茶苦茶高いのに皆して買っちゃうんですかね?」

一方でリーファはなけなしの給料をぼったくり価格だと分かっていながら買い込んでしまう実情に対して呆れ気味にそう言葉を漏らしていた。

俺「あの施設にはとにかく娯楽が無い上に給料の本来の使い道の勤労奨励オプションはもっと高額だからな、俺達見てぇに先々の為に今を我慢するって事の出来ねぇような連中は手元にある金で買える物に注ぎ込んじまうんだよ・・・・」

まあ、それは大月も俺達のそんな自堕落な人間性を上手く利用していやがるとしか言いようがない。同じ手段を用いたとしても・・・例えばアスナの様に強固な意志と先を見据えて努力する事が出来るような人間相手じゃ同じ手は通用しないだろう・・・・最も、アスナのような奴ならこんなところに来る事すら無いわけだが。


ひとまずオズマはキリトとその日は深夜の12時近くまでALOで共に過ごし、今後の行動方針について話をまとめるのであった。
コンピュータールーム使用券が有効なのは翌日の日曜日の夜の7時ごろまで・・・それまでに今の状況で出来る事を可能な限り進める為の作戦会議・・・お呼びキリトらからもたらされた情報にオズマは想像を超えた人物の介入に驚きつつもその日は一旦ログアウトした、そして――― by立木ナレ


深夜の12時を手前にログアウトした俺が目覚めた場所は無論、既に一人きりとなったコンピュータールームだった。
ログアウトの少し前にキリト達から聞いた話を思い出して、俺はジワジワと怒りを燃やすように拳を握り締めていた。

俺「やっぱり姉貴とお袋が俺を施設に売りやがったか・・・・っ!」

意外な事にアスナと姉貴は中学時代の同級生だったらしく、そのアスナが偶然を装い姉貴に接触する方法で姉貴から情報を得る事が出来たようだった。
奴らの狙いはありもしない俺がSAOのリアルマネーゲームで得た金を学費の為に奪い取る事・・・・っ!

だが、本来そんな事はSAOとは一切無縁の姉貴が知るはずがなく、それを姉貴に報告し俺をはめる作戦の共犯者がいたわけだったが――

俺「ユッチの野郎・・・・っ!まんまと俺を裏切ってくれやがったな・・・・っ!」

その裏切り者の共犯者の名前を呼び、俺はSAO時代の最初期からクリアに至るまで同じギルドに属し続けたはずの仲間に裏切られたと言う事実には流石にショックを受けたが、こうなった以上奴の事は完全に敵としてみなし――

俺「叩き潰ししかねぇ・・・・見てろよあの野郎っ!」 
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