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ドリトル先生と日本の鉄道

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第七幕その一

               第七幕  リアリティ
 先生はこの日もご自身の研究室で論文を書いていました、動物の皆もいつも通り一緒で快適に過ごしていました。
 ですがその中で動物の皆は先生にふと言いました。
「普通の鉄道があってね」
「それで軍事兵器もあったのは面白いね」
「戦争は大変なことだけれど」
「軍事にも使われていたっていうことは」
「うん、本当に日本ではあまり使われなかったけれど」
 それでもとです、先生も皆に論文を書きつつ応えました。
「列車砲なんてものもあったしね」
「写真見たら恰好いいし」
「独特のシルエットでね」
「戦車とはまた違った恰好よさがあって」
「素敵よね」
「そうだね、ミサイルの時代では使われないけれど」
 それでもというのです。
「恰好いいね」
「目の前でああしたのが動いていたら」
「凄いって思うよ」
「線路を幾つも使って動きながら巨大な大砲撃つとか」
「凄い兵器だよ」
「もう戦艦の大砲より大きなものを搭載していた列車砲もあったしね」
 先生は皆にこのお話もしました。
「やっぱり実物は凄かっただろうね」
「戦艦の大砲よりも大きいってね」
「相当じゃない」
「そんなのが列車に乗って動いていたら」
「物凄い光景だよ」
「もう今はないだけにね」
 まさにと言う先生でした。
「余計に見てみたいね」
「そうだよね」
「それじゃあね」
「何処かで何かの形で動いているのを見られたら」
「神様に感謝しないとね」
「そうだね、そういえば鉄道博物館では」
 先生はこちらのことをふと思い出しました。
「模型をリニューアルするけれど」
「どうなのかな」
「順調かしら」
「リニアモーターカーも造るっていうけれど」
「そちらの模型もね」
 皆このことについても興味を持ちました、そのうえで十時のティータイムに入ろうとしましたがそこにでした。
 若いスーツの男の人が先生の研究室に来て先生に言ってきました。
「私は鉄道博物館の館員で宮田明憲といいますが」
「宮田さんですか」
「はい、実は先生にお願いがあって参りました」
 こう先生に言うのでした。
「宜しいでしょうか」
「あっ、お話でしたら」
 そう聞いてすぐにこう応えた先生でした。
「丁度お茶ですので」
「お茶を飲みながらですか」
「ティーセットもあります」
 今日は中華風です、中国茶に杏仁豆腐、ごま団子、桃饅頭のまさに中華風ティーセットが卓の上に用意されています。
「飲みながらお話しませんか」
「宜しいですか?」
「はい、遠慮なく」
「ではお言葉に甘えまして」
 宮田さんは先生に応えてでした、周りの動物達もティーセットを楽しむのを見ながら先生の向かい側の席に着いてです。
 そうしてお話をはじめました、そのお話はといいますと。
「実は鉄道模型のことですが」
「今リニューアルして置こうとしている」
「それのことですが」
 こうお話するのでした。
「どうも違う様な気がするのです」
「造ってみてですか」
「模型自体は出来ていっていますが」
 こちらは順調だというのです。
「立体的に宇宙を走る様な」
「銀河鉄道の様にですね」
「他にもディオラマの細かい部分が」
 そうしたところがというのです。
「何かが違う様な」
「そう思えてですか」
「違うんじゃないかって思えまして」
「それで僕にですか」
「相談に来ました」
「そうですか、鉄道模型ですか」
「先生はこれまで多くの学園の問題を解決されていますね」
 宮田さんは先生にこのことも言いました。 
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