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提督はBarにいる。

作者:ごません
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やっぱ冬は鍋でしょ!・その1

「今夜は……鍋だな」

「どうしたんですか?急に」

 昼下がりの執務室。唐突にそう呟いた俺に今日の秘書艦の夕雲が尋ねてきた。

「いやな、今日の帰還予定の連中を見てたら北方方面から帰ってくる奴等ばかりだからな?何か温かいモンでも食わせてやろうと……」

「もう、お店の事も良いですけど今は執務に集中して下さいね?」

「へいへい」

 しかし夕雲よ、『めっ』とガキを叱るように注意するのは止めて貰えねぇかなぁ?俺これでももうすぐ五十だよ?下手すりゃ孫がいてもおかしくねぇ歳なんだが。

「……それで?どんな鍋を出す予定なんです?」

「内容考えるのはダメなのに聞いて来んのかよ……」

「それはもう、妹達と食べに来るつもりですから?」

「ならその時の楽しみにしとけ」

「は~い♪」

「お二人とも?口よりも手を動かして欲しいのですが?」

 大淀、その眼鏡レンズから発光してない?とかツッコめる状況じゃねぇなこりゃ……。

「「は~い……」」

 さて、仕事仕事……っと。





「提督、言ってた通り来ましたよ?」

 提督としての仕事が終わり、店を開けるといの一番にやって来たのはやはりと言うべきか、夕雲が妹達を引き連れてやって来ていた。今日は店が休みの早霜も今日は客として来ている。

「店長、やっぱり私何かお手伝いを……」

「いいっての。折角久し振りの姉妹揃っての食事会なんだろ?たまにゃあゆっくりしろって」

「提督~、腹ペコで我慢出来ねぇよぉ。早く早く!」

「お前は我慢しろよ長波ィ!朝霜も騒いでねぇだろうが!」

「あ、提督……」

「あ?どうした岸波」

「朝ちゃんは……お腹が空きすぎて気絶してます」

 …………あっそう。ツッコむ気力も起きんわ。



《インスタ映えする!パンダみぞれ味噌鍋》※分量4人前

・豚小間切れ肉:300g

・白菜:3~4枚(300g)

・長ねぎ:1本

・しめじ:1パック

・生しいたけ:4枚

・大根:小さめの1本(1kg)

・ホールコーン:60g

・焼き海苔:適量

・だし汁(鰹と昆布の合わせ):800cc

・味噌(赤味噌系がオススメ):大さじ5

・みりん:大さじ2



 腹減って気絶してるような奴もいるんなら、急いで作るとしますかねぇ。まずは具材の下拵えから。白菜は食べやすい大きさのそぎ切り、長ねぎは1cm幅の斜め切りにする。しめじは小房に分け、しいたけは石附を取り除いて4つに割る。豚肉は長いと思ったら半分の長さに。ホールコーンは缶からザルにあけて汁気を切っておく。

 大根は皮を剥いてすり下ろし、ザルにあけて水気を切る。丁度握って団子になるくらいがベストだ。そのくらいになったら半分を取り分けてちょいと細工をしておく。

「司令官、それ何してるの?」

 さっきから俺が大根おろしをこねくり回してるのが気になるのか、清霜が尋ねてくる。

「これか?ちょっとした小細工だ」

「ぶ~っ!ケチケチしないで教えてよぉ」 

「はいはい、提督が食べ物を無駄になんてしないのは清霜さんも解ってるでしょ?お楽しみは取っておきましょう」

「は~い……」

 流石は夕雲、お母さんかな?なんて事を考えつつ、大根おろしを成形していく。胴体は半球、腕は楕円に、頭もそれっぽくして……と。後は焼き海苔をキッチンばさみで切って、黒い部分のパーツを作ってくっつければ完成だ。おっと、見えないように隠しとかないとな……

 さて、鍋の調理に戻るぞ。鍋にだし汁、味噌、みりんを入れて火にかける。煮汁が煮立ってきたら豚肉、白菜、長ねぎ、キノコ類を加えてアクを取りながら2分程煮る。一旦火を止め、鍋の中心に成形した残りの大根おろしを円形に敷き詰める。仕上げにさっき作った『アレ』を中心に置いて……と。

「さぁ出来たぞ、『特製味噌みぞれ鍋』だ」

「あっ、パンダだ!」

「おぉ~、可愛いです!」

 そう言うと一斉にカメラを構えてバシャバシャと写真を撮りまくる夕雲達。もちろん、パンダ作らなくても大根おろしと焼き海苔を刻んで散らせば味は同じだ。でも、料理ってのは見た目も楽しむモンだからな。

「う、うまそうなメシの匂いだぁ……」

「あ、朝ちゃん起きた」

「ゾンビかお前はっ!」

 思わずツッコんでしまった、不覚。しかし、腹ペコで匂いに釣られて起きた朝霜はともかく、他の連中は箸が進んでない。

「ん、どうした?まさか腹が減ってねぇとかか?」

「いや、そうじゃなくて……」

「パンダが可愛くて崩すのが勿体無い」

 なんだ、そんな理由か。俺はお玉を掴むと、大根おろしのパンダに刺し込んだ。

「「「「「あぁ~~~~~~っ!」」」」」

 悲鳴が上がるが、そんなの関係ねぇ。パンダの形を崩し、鍋全体をかき混ぜる。大体、料理は鑑賞して楽しむモンじゃねぇぞ?食べて楽しむモンだ。

「ホレ、よそってやるから器寄越しな」

 ブーブーと文句を垂れつつも、器を差し出してくる夕雲型の一同。

「あつっ、ふー……ふー……あ~、温まるなぁこりゃ」

 ジュルジュルと汁を啜って、ぷはぁと息を吐き出して笑う長波。

「白菜が味噌味の汁を吸って、丁度いい塩梅ね♪」

「キノコのコリコリも美味しいですよ夕雲姉さん!」

 出だしは上々。お次はちと辛い中華の鍋、『火鍋』を作るとしよう。


《お家でチャレンジ!ピリ辛火鍋》※分量4人前

・牛肉(しゃぶしゃぶ用):250g

・白菜:3~4枚(300g)

・大根:300g

・ニンジン:1本

・エリンギ:4本

・えのきだけ:2袋

・春菊:1束(200g)

(スープ)

・サラダ油:1/3カップ

・ニンニク:4片

・赤唐辛子:5~6本

・長ねぎの青い部分:2~3本分

・生姜:2片

・豆板醤:大さじ1

・粉山椒:大さじ1/2

・水:800cc

・醤油:大さじ2

・鶏ガラスープの素:大さじ1

・砂糖:大さじ1

・塩:小さじ1/3




 さて、作っていこう。まずは下拵えから。白菜は食べやすい大きさの削ぎ切り、大根とニンジンは皮を剥いてピーラーでリボン状にする。エリンギは縦4等分に裂き、えのきは石附を落として食べやすいようにほぐしておく。春菊は葉を摘む。

 お次はスープの材料の下拵えだ。生姜は薄切り、ニンニクは半分にして芽を取ったら包丁の腹等を使って潰す。長ねぎの青い部分も鍋で煮やすい大きさに揃える。

 鍋(鉄鍋がオススメ)に油を敷き、弱火で熱する。ニンニクと赤唐辛子を加えたら1~2分焦がさないように炒める。長ねぎ、生姜、ニンニク、豆板醤、粉山椒を加えて更に炒め、香りが立ってきたら他のスープの材料を加えて煮立てる。

 スープが出来たら、肉と野菜を適量入れて好みの加減まで煮て、お好みでごま油に塩を混ぜたつけダレを付けて食べる。




「次の出来たぞ~……って、何を揉めてんだお前ら」

 火鍋をコンロに出そうと抱えていくと、テーブル席でぎゃあぎゃあと揉める声がする。

「おじやだ!」

「うどんだろ!?」

「あ、あの、ラーメンが……」

「お餅だよ~っ!」

「あら提督、ごめんなさいね。皆が鍋の〆を何にするかで揉めてて……」

 夕雲が申し訳なさそうに軽く頭を下げる。鍋の〆を何にするかは個人の好みもあるから難しい問題なのは解る。だがな……

「ウチは店内での喧嘩はご法度だ、やるなら3ヶ月出禁な」

「「「「それは困る」」」」

 俺の一言で騒ぎは終息。大体、これから幾つも鍋が出てくるんだぞ?

「みぞれ鍋はおじや、ハイ決定。うどんやらラーメンやらは次以降にしろ」

「よっしゃあ!」

 ガッツポーズをしているのは朝霜。おじや、そんなに食いたかったのか。〆のおじやは水で洗ったご飯か、面倒だったらパックご飯をレンジで加熱しないで鍋に加える。お玉で解しながら煮立たせ、好みの固さになったら器に盛り、焼き海苔等を散らして食べる。 
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