ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~
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FILE186 施設の闇の一面・・・アスナとの接点?
オズマが劣悪極まりないネットゲーム依存治療施設に収容されている最中・・・・キリトらは独自で施設側の情報・・・・更にはオズマが施設に収容されてしまった理由について調べていたのであった! by立木ナレ
ユイ「パパ、ママ、これがオズマさんを収容したネットゲーム依存治療施設の宣伝サイトですよ」
キリト「ありがとうユイ、仕事が早いな」
キリトはアスナやクラインらと共に同じ時間帯にALOにログインして、ネットからオズマを収容している施設のサイトの存在に気が付き、それを調べていた。
アスナ「ええっと・・・・私、施設長の大月にドーンとお任せあれ・・・ってこんな施設長のプロフィールとかどうでも良いわよ・・・・・」
キリト「あ、ああ、そうだよな・・・・」
キリトはホログラムのキーボードとマウスを操作してホームページに早速アクセスしたのだったが、真っ先に表記されたのは施設長、大月のドアップ画像と詳細プロフィールであり、そんなのはキリト達にとってはどうでも良い情報だった!
クライン「おいおい・・・・やっぱり金は取るみてぇだぜ、半年ごとに10万円だってよ」
リズベット「この手の施設の利用料金としては安い方なんじゃないかしら?」
リーファ「けど、この施設に入れられた人は・・・・ネットゲーム依存治療の一貫として、施設内での労働に従事して頂きます――って書いてありますね」
一同はこのホームページの内容からして、半年ごとに掛かる10万円は初期費用と追加費用であり、その他の施設利用料は収容者達の労働によって賄われているのだろうと言う推測に至った。
リズベット「アタシ、この施設長ってどうも胡散臭いと思うのよね!このホームページだけ見てみると、自分たちで働いて自立する事を促せる為の労働なんて書いてあるけど、良い様に安く働かせて、金儲けでもしてるんじゃないの!?」
シリカ「う~ん、確かにあの人って人の好さそうな笑顔でしたけど・・・・何か裏がありそうですよね~」
やはり、キリトらの中からも施設――敷いては大月施設長に対する不信感が挙がっていた。
クライン「んで、オズマの親父さんと爺さんがオズマを預かる様に施設に依頼したわけじゃねぇのは確かなんだよな?」
エギル「それは間違いねぇよ。半年ごとに10万円掛かるって言うのなら猶更だぜ・・・オズマの躾だとか教育だとか、そんなのに無関心な連中が高い金払ってオズマを胡散臭い施設に預けるなんて信じられねぇ・・・・」
リズベット「ま、あの父親と・・・特に下品な爺さんは保護者としてあり得ないけど、お金が掛かる以上、この施設に預けるなんて考えられないわよ。こんなところに預けるのに10万円も費やすならギャンブルや酒に注ぎ込むわよ!」
アスナ「その話ってホントなの・・・?自分の息子の教育にそこまで無関心な親がいるなんて、想像できないわ・・・・」
アスナはその時――キリト一行がオズマ宅を訪ねた際には同行していなかったので話に聞いただけだが・・・・教育熱心な自身の両親が子供親の基準となっているアスナにとっては、本当にそんな親がこの現実に存在しているのか・・・・?存在するのだとしたら親として大いに問題があるのではないか・・・・?
ユイ「あ・・・皆さん。このサイトの情報を探った結果・・・過去に恐らく何かしらのミスで一時的にアップされてしまった画像の中から気になるのを一枚見つけましたので見て下さい」
最先端型のトップダウン型のAIであるユイは施設の公式サイトのありとあらゆる情報履歴を探るうちに施設側にとって一般に余り見せたくないのであろうと思わしき画像の入手に至る。
そしてそれは・・・キリト達の想像を絶する壮絶な画像であった!
シリカ「な・・・なんですかこれ・・・?この人達・・・なにされてるんですか・・・・?」
その画像を見たシリカは、思わず顔を覆い隠し、壮絶な画像から目を背けていた。それは・・・・収容者と思わき緑色の服を着せられた者たちが、ある者は身体をベットに寝かしつけられた状態で口の中にカメラを入れられていたり・・・・ある者は何かの薬を飲まされていたり・・・・ある者は体中を妙な管に繋がれていたり―――
アスナ「これって・・・治験?」
リズベット「え?治験って薬とか医療器具のモニターになるって言う・・・一種のアルバイトの治験?」
その様子を目の当たりにした面々の中で真っ先にアスナがその様子が治験であると察し、一同の表情が更に曇っていた。
キリト「こんなことまでやっていたとはな・・・・働けなくなったもの・・・反抗的な者はこういう所に回されるって事だったりしてな・・・・」
クライン「おいおいおいおいっ!オズマの奴ぅ・・・・こんな妙な事までやってやがる施設に入れられちまって大丈夫なのかよ・・・・っ!?アイツもその内よぉ・・・こんな事させられちまってたりしてねぇだろうなっ!?」
キリトが流石に焦りを孕んだ表情で懸念を口にすると、クラインが怒り交じりに声を荒げていた。
リズベット「オズマの事は心配だけど・・・こっちからはアイツに接触する手段がないんじゃオズマの無事も確かめられないわよ・・・・」
リーファ「なんだか、むず痒い感じですよね・・・・オズマさんが妙な所に入れられてて・・・その施設が妙な怪しい一面を持っている事が分かって来たっていうのに、肝心なオズマさんへの連絡が取れないなんて・・・・」
ユイ「すいません・・・出来れば他の情報も得られれば良かったのですが・・・あれ以上のハッキング行為はセキュリティシステムに探知されてしまう危険性が高かったので・・・・」
キリト「いや、むしろ上出来だぜユイ」
ユイとしては思ったほどの成果を上げられなかった事を悔しんでいる様子だったが、キリトはそんな娘に対して人差し指で頭を軽く撫でるのだった。
アスナ「それに、私達は私達で、現実世界で出来る事がまだあるはずよね?」
キリト「ああ、オズマの親父さん達がオズマの事を施設に預けたんじゃないとなると次に探るべきは――」
リーファ「やっぱり、離婚して出て行ったって言うオズマさんの母親とお姉さんの方だよね?」
キリト「そうなるな、オズマの親父さんや爺さんの話によると離婚した母親の旧姓は森本で、今は新宿区でアパートを借りて暮らしてるって言ってたから、捜そうと思えば探せるはずだ」
キリト達は小田桐家に訪れた際の話を可能な限り覚えており、そこからオズマの母と姉が暮らしている場所を尋ねる為の足掛かりとしていた。
シリカ「あ、そう言えばオズマさんの一切上のお姉さんの名前をオズマさんのお父さんが言ってましたよね――確か桃華さんだったと思います――あうっ!?」
シリカがオズマの姉の本名を思い出し、口にするとリズはシリカの背後から腕を首に回して抱き着いたのだった。
リズベット「お手柄じゃないシリカ・・・・っ!新宿区と森本っていう名字だけじゃ流石にすぐには分からなかったかもしれないけど――本名まで分かればもう簡単だわ!ね、アスナ?」
アスナ「・・・・・・・」
アスナは口元に人差し指を当てて、深く考え込んでいるような挙動を見せて黙り込んでいた。その様子に声を掛けたリズベットもアスナの様子がおかしい事に気が付く。
リズベット「アスナ・・・・?一体、どうかしたの・・・?」
アスナ「あ、うん・・・実は・・・」
リズに声を掛けられている事に気が付いたアスナは、自身がようやく思い出した――偶然か・・・或いは同姓同名の別人か・・・中学時代の同級生の事を思い出し語る・・・・っ!
アスナ「私が通ってた中学・・・女子高なんだけどね・・・・そこの同級生に森本桃華っていう子がいたのよ・・・・」
キリト「なっ・・・っ!?アスナの同級生と、オズマの姉貴が同じ名前って・・・・」
急浮上!オズマの姉・・・森本桃華はアスナの中学時代の同級生の可能性・・・っ!調べなくてはならない・・・っ!その真偽っ!
キリト「じゃあ、次は――」
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