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こんなチートでもありですかい?そうですかい。

作者:わいわい
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第30話。変人と志貴と。

 
前書き
とりあえず一言。シッキーすまん。こんなことになるとは・・・・

今回の合言葉

「俺がアポストロスだ」 

 
side 遠野志貴





「ここは・・・・」

知っている天井であった。

「おはようございます。志貴さま」

いつものように起しに来るメイド。昨日のは・・夢?

「昨日・・俺は?」
「昨夜、中学生ほどの少年が志貴さまを届けてくれました」

独り言のように呟いた疑問に答えるようにメイド・・翡翠が答える。

そうか、晋吾が・・・・

『死』にあふれた世界を急いて隠すようにメガネをかけて、体を起す。

ズキリと頭に痛みが走る。目を閉じて『アノ』光景を思い出す。少し痛みが和らいだ。

もう一度あの優しい銀色の世界を思い出す。心に安らぎを与え、害を排除する銀色の世界。

人の害を払い、人に安らぎを与え、人を救う光。

アポストロス。『神』に与えられた彼の役割。守護者で在り、断罪者。

違う。

彼は守るモノでも罪を断つモノでもない。彼は・・・・

救うモノなのだ

俺は救われた。この『すぐに死ぬ』世界から、『本当』の世界を見せてもらった。死があふれない世界を

・・・・俺もなりたい。救うモノに。『殺すモノ』ではなく、救うモノに。

「アポストロス」
「志貴さま?」
「いや、何でもないよ。なんでも・・・・」

志貴がつぶやいたのは・・・・己の心に住み着いた『神』の名であった。



SIDE OUT





昨夜、ネロ・カオスを消した晋吾は、いつもと変わらず学校に行き、一日を過ごしていた。

比較的真面目に聞くことにした授業中。いつものように違うことを考えているのだが、しかし、少し晋吾らしからぬことを考えていた。

ぶっちゃけ、女のこと、アルクェイドのことである。

なるほど、これが恋か。と達観した意見を出したりしていたが、若干戸惑いを隠せないで居た。

始めての感情ってのは結構、なれないモノだな。いやはや、いかんねコレ。

今アルと会ったら表情無理に隠そうとして、無表情になりそうだわ。

「珍しい顔をしてるな」
「何、俺も男だってことよ」
「ほぉ、興味深いな」

いつの間にかに授業が終わっており、昼を一緒に食べるために一成が教室にやってきた。

シロちゃんはロアの件の関係上、放課後の練習に出ていないので昼休みを使って練習しているらしい。

スゲぇなシロちゃん。俺にその根性はないわ。

「スマンが一成。今日は一緒できへん」
「クックク。遠坂が聞いたらなんて言うかな?」

何故ここで凛ちゃんが出てくる?ちなみに凛ちゃんは今日もお休みです。

俺?アルが近くに来ているみたいだ。こっちに向かってくるのを感じる。

さて、顔洗って気合入れますかね?あっ、弁当も持ってこ





「ヤッホー」
「あっ!・・・・うぅう」

嬉しそうな顔をした後、真っ赤にした顔で俯く姫。

この表情を見て、少し落ち着く俺。なるほど、始めては俺だけではないか。

「昨日は少し怪我してた見たいやけど、大丈夫かい?」
「う・・うんっ。大丈夫」

両腕をプルプル振って健康をアピールするアル。こいつこんなに可愛かったっけ?

「それは良かったわ。ほなら、飯でも食わへん?」
「飯?」
「おう。ピクニックと行こうか」

近くの公園で二人で飯を食う。と言っても、シロちゃんが俺に作ってくれた飯を二人で食うだけだが。

「ほれ、これも食べい」

ひな鳥の如く、ひょいひょいとアルの口に飯をやる。箸が一つだから仕方がないのよ。

「美味いやろ?」
「・・・・よくわからない」
「ふむ。ならそれが美味い味って奴や。覚えとき」

ハムハムと食べるアルを見て和みながら、俺も食べる。

「晋吾はいつもそうよね」
「何が?」
「よくしゃべるけど、深いコト。聞かないもの」
「深いコト?」
「真祖のこととか。・・・・私のこととか。何で会いに来たのかとか」

ふむっ、アルの顔を見ながら少し考える。それは聞いてほしいってことなんだろうけど、聞かないでほしいってとこか。

なるほど、難しき乙女心って奴ですね。

「何で会いに来たか・・か。何、分かるからよ。」
「分かるって?」
「己惚れじゃなければやけど、俺に会いたかったからやろ?」
「え?」
「俺も、アルに会いたかったから来た。」
「ッ――――!」

ゆでダコのように赤くなるアル。あれ?なんか失敗したか?

しばらく話しかけてもそっぽ向かれる状態が続いたが、ようやく落ち着いた様子を見せるアルクェイド

「所で、肝心のロアは見つかったん?」
「・・・・まだね。でも、ある町はもう死者で溢れてるわ」
「なるほど、死者の処理と蛇探しの両方をしないと行かないんか」
「ええ」

んー。正直、両方とも俺がやっちまいたいな。アルはまだシッキーにやられて本調子じゃないみたいだし

しかし、流石のチートな俺でも分裂して2つにはなれん

「やっぱシッキーにも手伝って貰うかの~」
「でも、点を突かれるのは困るんでしょ?」
「なに、俺に任せい」

『線』だけを見せればいいんだろ?シッキーには変身ヒーローになって貰おうか

「何か策でもあるの?」
「おう。俺は出来んことは言わへん。アルに教科書にも載った、いい言葉を教えてやろう。」
「なに?」
「可能性を信じる者に、不可能はない。不可能とは、可能性を信じないことだ。by昔の俺。」
「昔の?」
「なに、ちょっとした過去自慢よ。昔の・・・・な。」





また今夜会おうとアルと分かれた後午後の授業を受け、放課後、部室に向かう。

さて、シッキー用の装備を作るとするか。

「・・・・何を作っているんですか?」

桜ちゃんが怪しんで聞いてくる。

「何、ちょっとしたものよ」
「・・・・ちょっとしてモノには見えなんですけど」

コンセプトは視覚情報の制限です。一言、エーテルすげー。と、言っても流石に部室にはエーテルを持ち込まない

ノウハウはセブの実験にて貯えた。特に脳関係。ホムンクルスと人間でどこまで違うか分からんがな

とりあえずある程度完成させて、帰ったらシロちゃんと姉ちゃんにも手伝ってもらお

よくよく考えたら衛宮家合作品だな。シッキー、大切に扱わなかったら俺のエス○リボ○グが火噴くぞ?





そして夜になり、アルのマンションの前につくと、シッキーがいた。

「おっ、シッキーや」
「あっ・・・・」

驚いた顔をするシッキー。そして俺を見る目が睨んでる訳でもないのに怖い。何でや

「・・・・まだ、この町に居るのか?」
「居るのかって言葉は語弊やな。俺はこの町に来てるんや。」
「そうなんだ・・。どこから来てるんだ?」
「冬木市って知ってるかい?」
「・・・・ゴメン。しらない」
「まぁ、西の微田舎やからのぉ。関東もんには分からんか」
「え?西?」

目が点になってるシッキー。

「で?俺になんか用かの?・・いや、アルのマンション前に来たってことは、アルになんかあるんかい?」
「・・・・ネロが死んだのに、町の猟奇事件が終わらないんだ。」
「ほぉ、せやから吸血鬼であるアルのせいだと思ったってことか」

コクリと頷くシッキー。

「ロア。ちゃんとしたフルネームは忘れたが、他人の魂を勝手に使う、『こちら』的には重罪人よ」
「そいつが・・この事件の犯人・・・・」
「犯人とか、あいつには微妙な言い回しやな。俺からすると敵や」
「晋吾の・・アポストロスの敵・・・・」
「とりあえず、アルん家に上がらせてもらうかの」

後に、『神』を見ているシッキーの目を、良く見ておくべきだったと晋吾は後悔することになるのだが、後悔先に立たずとはこのことかな





アルにマンションのセキュリティを解除してもらい、二人で部屋に向かう。

「いっ・・いらっしゃい」

何故か身構えた様子のアル。なにを緊張してるやら。

「入口でシッキー拾ったわ」
「志貴?」

見えてなかったらしく、驚くアル。

「アルには前にも話したとおもうがの、シッキーにも手伝って貰いたいんよ」
「手伝う?俺が?」
「おう。ロアが作った死者を如何にかしてもらいたんや」
「死者?」
「説明が面倒やから雰囲気で察せい」

困ったように苦笑いをし、分かったと答えるシッキー

「とりま、外に行こうや」





2人を連れて晋吾は時間帯的に人通りが少ない広場に移動した。

「シッキーほれ」
「おっとっ」

志貴に向けてなにかカードの様なものを投げつける。

「・・・・これは?」
「変身グッツよ」

いきなりドヤ顔でそんなこと言われても疑問しか生まれない。現にアルクェイドと志貴は首をかしげている。

「まぁ、かせい。使い方を教えるわ」
「あ・・うん」

じゃ渡すなと言いたかったが、ぐっと飲み込んだ志貴

カードを人差し指と中指で挟み、バッ!と勢いよく腕を水平に広げ、バッ!勢いよく顔の前にカードを垂直に持っていく。

「変・・・・身ッ!」

カードが光ったかと思うとヘッドギアに暗視スコープがくっついたようなヘンテコなメットをつけた晋吾がいた。

「かっ・・・かっけぇ」
「???」

ゴクリと固唾をのみ込む志貴。どうやら男の子としての感性は持ち合わせているようだ。

かたや、どこが?と言う言葉が出かかって飲み込んだアルクェイド。どうやら種族を超えて男女の感性とは相容れないものらしい。

「まぁ、こんな感じよ。ちなみに解除ってイメージしたら勝手にカードに戻るで」

カードに変身を解きながら話す晋吾。

「でも、どうしてそんなものを?」

最もな質問をするアル。待ってましたーな表情な晋吾。

「魔力伝達の優れた金属プレートに転移の魔術を利用した技術により、コンマ数秒での変身が可能!エーテルを練り込んで作ったヘッドギアとマイクロチップにより視覚情報をメモリーに記憶させて使用者が望む情報のみを映すことが(ry」



少々お待ちください。少々お待ちください。少々お待ちください。



「つまり、脳の負担を抑えて見たい対象のみの『死線』が見えるってこと?」
「まぁ、要約するとそうやな」

はじめからそう言って欲しかった志貴であった。

「しかしのぉ。ホムンクルスで得た結果をもとに作ってあるからの」
「え?」

すっごく不安になる志貴であった。

「ってことで実験しにいこか」

そして移動してきたのは8階建てのビルの上。なんでか?そりぁヘッドギアに暗視スコープつけた姿でうろついてたら捕まるがな

どうやって来たって?エレベーターと階段で普通に来たが?

「で?どうよシッキー?」
「ん・・倍率とピント合せるのが難しい・・・・」
「死線は消えとるか?」
「うん。見えない。」

うーん。微調整で何とかなるレベルだなこりゃ。流石爺ちゃんのホムンクルスと言ったらいいか?人間とほぼ同じとかパネェ。

「じゃ次行くで。あそこの奴見てみ」
「あれ?」
「おうそうや。」

サラリーマン風の男に指を指す。

「晋吾。やっぱり貴方も死者が分かるの?」
「おう。当たり前やがな」
「アレが・・死者?普通の人にしか・・」
「見えへんか?」

コクリとうなづくシッキー。

「さて、そいつの死線を見るんやなくて、視界に映る中で一番太い死線を見ようとしてみ」
「・・・・・うっ」

気持ち悪いものを見たように顔をゆがめるシッキー。

「気分は大丈夫か?」
「・・なんとか」
「どないに見える?」
「肩グチから腰にかけてと、顔を斜めに横断するように太い線が一本」
「なるなる。他は?」
「・・・・見えない。」
「じゃ次な。一定レベル以上線が太い奴を見るようにしてみ」
「・・・・ぐっぅ」

少し辛そうに呻く。

「真っ直ぐに居る奴と、奥の自販機の前に居る奴。手前のシャッターが閉まってる家にいる奴」
「完璧やな。」

志貴の眼は死者の死線だけをしっかりと捉えていた。その結果に満足そうにうなずく晋吾。

「後は家に持ち帰って若干修正やな。シッキー、もう外していいで」
「もういいのか?」
「おう。次には戦闘中でも使えるようししてきたるわ。今回は俺にまかせい」

そう言って胸を張り、志貴からカードを受け取る晋吾。志貴は晋吾を頼もしく思った。

その後、晋吾と死者の戦闘を見たのだが、晋吾が作るザクロにしばらくバットが怖くなった志貴であった。





志貴と分かれた後、晋吾はアルと歩いていた。

「そう言えばさ」
「なに?」
「ロアの件で相談があるんやケドええ?」
「・・・・いいけど、何?」

歩みを止めてこちらに体を向けるアル。

「ストレートに言うわ。ロアは俺にやらせい。」
「・・・・晋吾は、私とロアの因縁を知らないんでしょね。だからそんなこと言えるのよ。」
「知らん。・・・・が、会ったとしてもやることは殺し合いやろ?そんな因縁を断つことは所詮自己満足でしかない」
「自己満足でも、私は・・・・」
「自己満足なら、俺の想いを聞け」
「・・・・」
「アルとロアとの間に何があったかは知らん。せやけど・・・・気に入らん。奴を追いかけるアルも、アルを待っている奴も気に入らん」
「晋吾・・・・」
「こんなくだらん因縁。この俺が断ち切る」

晋吾の想いを受け、感情を抑えられなくなったアルクェイドは感情のままに晋吾を強く抱擁する。

アルクェイドの抱擁に愛おしさが溢れ、晋吾は奪うように唇を重ねた。

そんな二人を、二人だけを照らすように、街燈と満月に近くなっている月が輝いていた。 
 

 
後書き
シッキー「俺が!俺たちが!!アポストロスだ!!」
シエルさん「私もですか!?」
って感じなことをしてもらいたいなーとか思ったり?やってしまった感が否めないすまん。シッキー。変身ポーズ。とりあえずライダー変身動画集で勉強して考えた。動画集を見たときの感想。ブラックのキレがヤバいww
 
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