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レーヴァティン

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第八十七話 上からの改革その三

「武力が背景にあってこそでござる」
「本当に何か出来るものだからな」
「だからこそでござるよ」
「まずは常備軍か」
「それを手に入れるでござる」
「わかったぜ、じゃあ護民官に就任したその日に」
 まさにその時にというのだ。
「すぐにな」
「傭兵達を雇ってでござるな」
「常備軍にするぜ」
「それでは」
「改革はそこからだな」
 武力、それを備えてだ。
「俺達自身も強いけれどな」
「それは個々の武勇でござるから」
「軍隊じゃないからな」
「この場合は武力は国家の武力でござる」
 個人のそれでなくというのだ。
「だからでござる」
「軍隊は絶対に必要だな」
「そして改革を行って」
「戦争をするにもな」
「軍隊が必要でござるから」
「よし、じゃあな」
「大軍を揃えるでござるな」
 進太はスペアリブをじっくり煮たものを齧りつつ久志に問うた、よく煮られた肉は柔らかく実に美味い。
「そうするでござるな」
「ああ、ただ軍隊はな」
「金やで」
 美奈代がラザニアを食べつつ言ってきた。
「ほんまこれがないとな」
「何も出来ないからな」
「軍隊でもな」
「だから金の許す限りか」
「軍隊を整えることになるで」
「そうだよな」
「ただ、その金はな」
 美奈代は金の話をさらにした。
「ローマはこの島一の街や」
「それでか」
「そや、人が多くて商業が栄えてる」
「金はあるんだな」
「ここはこの島一の商業都市でや」
 それにというのだった。
「漁業も盛んでな」
「金もあるか」
「そや、ほんま凄いあるで」
「セビーリャよりもあるか」
「かなりちゃう。そやからな」
「金の心配はいらないか」
「それなりの軍隊用意出来てな」
 そしてと言う美奈代だった。
「維持も出来るで、ええ食事と装備も用意出来てな」
「そうか、じゃあ傭兵を常備軍に雇って」
 そのうえでとだ、久志は美奈代の言葉を受けて考える顔になって述べた。目の輝きも相当なものになっている。
「水軍もな」
「揃えるんやな」
「ローマは湖にも面しているしそれにな」 
 久志はさらに話した。
「やっぱり海、こっちの世界じゃ湖や川を制したらな」
「大きいからやな」
「ああ、だからな」
 それ故にと言うのだった。
「水軍もな」
「用意してか」
「そうしてな」
「勢力を拡大してくか」
「水軍は鐘と手間がかかるにしても」
 それでもと言うのだった、船を造り船員も揃える。そちらの軍隊は陸のそれよりも金も手間もかかるものなのだ。
「用意しておくぜ」
「そうか、ほなな」
「水軍も用意するぜ」
 陸の軍隊だけでなくというのだ。 
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