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クロスウォーズアドベンチャー

作者:setuna
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第37話:これからの戦い

デジタルワールドに来ては復興作業の繰り返し。

大輔はこのまま何事も起こらなければいいと思うのだが、そういうわけにはいかない。

「勇気のデジメンタル、友情のデジメンタル。マテリアルクロス、デジメンタルアップ」

「ブイモンアーマー進化、地上最大の希望!サジタリモン!!」

【わあああああ!!】

サジタリモンへの進化を見た園児達がはしゃぐ。

「よし、アーマー進化やマテリアルクロスは普通に出来るな。」

最初エクスブイモンに進化させようとした時、何故か出来なかったため、アーマー進化やマテリアルクロスならどうだと思ってやってみたらアーマー進化は可能のようだ。

「これがデジクロスなんですか?」

伊織の問いに大輔は頷く。

「デジクロスの一部な、今のは勇気のデジメンタルと友情のデジメンタルを融合させて作った希望のデジメンタルで進化させたサジタリモンだ。これならブイモンでも完全体の力を出せる。」

「完全体…」

完全体相当のパワーと聞いてパタモンが呟く。

「テイルモンもコピーとは言えホーリーリングを着けてんだし、今ならネフェルティモンも完全体相当の力になってんじゃないか?」

コピーとは言えホーリーリングを身に着けて戦闘能力自体は取り戻した。

完全に成熟期に相応しい戦闘力を持った状態で進化するわけだからそれに相応しいパワーアップをするのではと大輔が尋ねる。

「うーん、そこはまだ分かんないわ。確かにパワーは大分上がってると思うけど進化してすぐにデジクロスしちゃうからネフェルティモン自体の戦闘力は分かんないわよ」

「ああ、確かに。何時も進化した後にデジクロスして戦ってたしな。ワームモンともな」

「私と大輔君と賢君で沢山の敵と力を合わせて戦ったよね、パイルドラモンHMとかインペリアルドラモンHDMにデジクロスさせて進化させたり」

大輔とヒカリが賢との思い出を語る度に京達、特に伊織が不機嫌になっていく。

自分達は全く知らない冒険、培われた力、そして絆。

それがあのデジモンカイザーの賢が共有したのが気に入らないのか。

「取り敢えず、マテリアルクロスが出来るならアーマー体同士のデジクロスなら出来るはずだ。ヒカリちゃん、やってみるか?」

「うん、いいよ…でも…」

「普通の進化が出来ないのは…引っ掛かる…少し周りを見てみるか。」

大輔とヒカリがD-3Xを構えた。

「「サジタリモン!ネフェルティモン!ダブルクロス!!」」

「サジタリモンSM!!」

「じゃあ、俺とヒカリちゃんは周りを見てくる」

「何も無かったらすぐに戻るから!!」

「じゃあ、サジタリモン。頼んだぜ!!!」

「「了解!!」」

サジタリモンSMのパートナーである大輔とヒカリは背に跨がると周辺の見回りに行く。

「何か一気に仲良くなったわねあの2人」

「数々の苦難を共に乗り越えたことにより生まれた絆…でしょうか?」

「うーん、何か凄い疎外感を感じるなあ。最初の頃の京さん達もこんな感じだった?」

「そうねー、何か置いてきぼりにされてるみたいでちょっとね」

「…あいつと一緒に築き上げてきた力……」

アルマジモン「伊織…元気を出して下さい。今はデジタルワールドの復興作業に尽力を尽くしましょう。」

「ねえ、ズノークッキーの爽快感がまだ抜けてないのアルマジモン?」

アルマジモン「?何を言っているのですかパタモン?僕は何時でもこんな感じですよ……だぎゃ」

【あ、戻りかけてる】

パタモンの問いに答えるアルマジモン。

最後に何時ものがついたためにアルマジモンが元に戻りかけてることに気付いた。

そして上空で周辺を見回っていた大輔達。

「大輔君、進化出来なかったのはやっぱり…」

「ああ、多分。ダークタワーの機能が復活したからだ。そろそろ敵も本腰入れてきてんのかもな…」

「…やっぱり賢君を受け入れてくれそうな雰囲気じゃないね…」

「仕方ねえって、1年間一緒にいた俺達とは違うんだよヒカリちゃん。時間が必要なんだ…こういうのは」

「…うん…」

「ヒカリちゃんだってあの1年間があったから賢を受け入れられたんだろ?大丈夫、いずれ受け入れてくれるって、あいつらは頑固だけど良い奴らだから」

「ふふ、大輔君がそう言うと本当にそう思えてくるから不思議」

「どうも…あれ…?ダークタワーが…消えてる……?」

いつの間にかダークタワーが消えていた。そして街から発生した轟音。

「今の…街から!?」

「消えたダークタワー…そして街から聞こえた轟音…まさか!!頼んだぜサジタリモン!!!」

「任せろ!!」

街に向かって最大速度で向かうサジタリモンSM。

パワーはパイルドラモンに劣るが、スピードは上回るため、すぐに到着出来た。

「「伊織(君)!!!」」

吹き飛ばされていた伊織を大輔が受け止め、伊織に攻撃を仕掛けたデジモンを見遣る。

「サンダーボールモン…向こうで戦ったことがある。小さい癖に攻撃力があるのが厄介なデジモンだ。」

「サジタリモン、お願い!!」

「任せろ、奴を叩き落とす!!」

一気にサンダーボールモンとの距離を詰め、ネフェルティモンの前足で地面に勢いよく叩き付けた。

「大輔、あいつは…」

「やっぱりそうか…サジタリモン、早くあいつにとどめを!!」

「ホーリージャッジメント…」

「止めて下さい!!」

「うおっ!?」

伊織が止めようとしたことで照準がぶれ、サジタリモンSMの強力な聖なる光を纏った矢はサンダーボールモンから大きく外れてしまう。

「何すんだ伊織!?」

「それはこっちの台詞です、大輔さん…とどめを刺そうとしたでしょう!?」

「当たり前だろ!?やらなきゃこっちがやられるんだからな!!」

「だからって殺さなくても良いでしょう!?追い払えば…」

「あいつのことに関しては後で説明してやるから、今は大人しくして…げっ!?」

物音が聞こえて振り返ると体中に罅が入ったサンダーボールモンが迫っていた。

「まずい…!!」

伊織達に気を取られていたSMはサンダーボールモンの接近に反応が遅れてしまった。

防御の体勢を取ったが、真横から現れた緑色の影がサンダーボールモンを弾いた。

緑色の影の正体、それはスティングモンと賢。

「今だ!大輔!!ヒカリさん!!」

「サンキュー、賢!!あの時を思い出すなあ!!」

あの時、向こうのデジタルワールドでの初めての戦いの時も賢とスティングモンに助けられた。

「粉微塵にしてやるわ!!」

「メテオネイルクラッシャー!!」

ネフェルティモンとサジタリモンの声が響き渡り、ネフェルティモンの爪はサンダーボールモンを粉砕した。

それを見た伊織の表情は青ざめた。

「よし、片付いたな」

「うん」

笑みを浮かべる大輔とヒカリに伊織は恐怖を抱く。

SMはサジタリモンとネフェルティモンに分離し、地上に降りた。

賢とスティングモンも同様に地上に降りる。

「あんた達、何てことしたの!!?」

青ざめた表情で大輔達に詰め寄る京。

「あ~、京。落ち着いて聞いてくれ。実はなあ」

「聞きたくありません!!」

「え?」

伊織の叫びに大輔とヒカリが振り返る。

体を震わせ、怒りに満ちた表情で大輔達を見つめる伊織の姿があった。

「僕は止めたのに…それなのに。サンダーボールモンを殺して、平然と笑っていられる大輔さん達が信じられません!!」

「伊織君…」

ヒカリが目を見開きながら伊織を見つめる。

伊織は大輔達に背を向けて走り去った。

「ちょ、ちょっと伊織!?」

慌てて伊織を追い掛ける京。

タケルは表情を引き締めて大輔達に向き直る。

「大輔君、ヒカリちゃん…後、一乗寺君も…話してくれるよね?」

「ああ…実はな…」

大輔は地面に落ちた欠片を拾うと、その欠片をタケルに見せた。

「これはサンダーボールモンの偽物の体の欠片だ。」

「体の…欠片!?デジモンは死ねば完全に消滅するはずだよ!?それにこれは…」

少しの間を置いて欠片も消滅する。

「普通のデジモンならそうなります。でもダークタワーから作られたデジモンは少し違うんです。」

タケルは全ての事情を聞くことになる。

ダークタワーデジモンとダークタワーデジモンを作り出せる女のことを。 
 

 
後書き
伊織君大激怒しました。説明していなかったこともありますが、デジモンを倒して平然としているのが許せなかったんです。
因みにダークタワーデジモンは破壊された場合、少し大きめの欠片は少しの間存在出来る設定です。  
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