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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第三百三十話 勝利か敗北かその十二

「一度も」
「俺ですら」
「他のセイバーズの人達もそうですし」
「副長だけですよ」
「私は毎日みたいに笑顔で頭を握られているぞ」
 迅の十八番であるアイアンクローを受けているのだ。
「あの痛さは恐ろしいが」
「ですから副長が暴走するからですよ」
「いつもそうですから」
「ああなることもです」
「仕方ないですよ」
「ううむ、あの痛さは凄まじいが」
 セイバーズの叱咤役であり鍛えられ方も尋常ではない斎子ですらだ。
「私専用だったのか」
「というか副長は本当に暴走されますから」
「それを抑えられる人って隊長しかいませんから」
「だからです」
「それも仕方ないですよ」
「ううむ、体長は厳しい人だと思っていたが」
 実は今まで本気でこう思っていた。
「違うのか」
「はい、違います」
「私達から見ましても」
「そうだったのか、では後ろにロシアさんの上司がいると思え」
 自分の言葉をこう訂正した斎子だった。
「あの支部長でもいいぞ」
「ああ、ロシアの雷帝さんですね」
「あの人もかなりでしたよね」
「そうだ、部下を共に消し飛ばすなぞ平気だった」
 実際にそうした人物だった。
「その人がいると思え」
「その意気で気を引き締めて」
「そうして戦うことですね」
「そうだ、こうした時こそな」
 結末が見えてきた時こそとだ、こう言って実際に自ら気を引き締めてそのうえで戦う斎子だった。その彼女と共に。
 春鹿と亀吉も戦う、敵は確かに多いが。
 終わりが近付いてきている、このことは戦士達も感じ取っていた。
 オルガもその状況を見てだ、司令部から言った。
「終わりが近いな」
「うむ、そうだな」
 その通りだとだ、学園長も彼に応えた。
「ここにきてようやくな」
「それが見えてきた」
「ではだ」
「あと一息だ、気を引き締めてだ」
 そのうえでというのだ。
「戦っていくことだ」
「そういうことだな」
「だが。問題はだ」
 戦場を見つつだ、オルガは険しい顔でこうしたことも言った。
「皆もつかどうかだ」
「そろそろ全員限界だな」
「休養を取っていても長い」
 戦闘が長引いている、このことを言うのだった。
「皆気力も体力も限界だ」
「雪も近いな」
 学園長は空を見上げた、すると実際にだった。
 天気も崩れようとしている、それで言ったのだ。
「どうやら」
「天気ももってくれるか」
「戦いが終わるまでな」
「そうであって欲しいがな」
「いや、ここはだ」
 銭念が彼等に言ってきた。
「スサノオの性格を考えるとな」
「最後の自分との戦いではか」
「雪が降る時にだ」
 まさにその時にというのだ。
「戦いたい」
「そう考えているか」
「奴はそうした神だ」
 これまでの多くの戦いからだ、銭念もスサノオの性格もっと言えばその趣味がわかっていて言えた。
「芝居がかった派手な演出を好む」
「だからだな」
「そうだ、雪が降るその時こそだ」
「絵になるからだな」
「そこで戦う」 
 そうしてくるというのだ。
「まさにな」
「そうか。ファンガイア達との戦いが終わってか」
「自分が出て来る時はだ」
「雪が降る、か」
「その中で戦いたがる筈だ」
「私もそう思います」
 万里もオルガにこう言ってきた。 
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