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光人間、ヒーローになる

作者:夢狐
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光人間、赤ちゃんになる


「あーうー…あー」
 
意識が戻ると俺は変な声を出していた。
 
「おおあおーあお…う?」
 
ここは何処だろって言おうとしたのに全然言葉にならない…これはまさか!やっぱりぷにぷにの手!それに小さくなってる感!これは…赤ちゃんになってる!!
 
「おー」
 
赤ちゃんかぁ…ま、転生したんだからそれもそうか。人生1からやり直しってな。いやしかし赤ちゃんってこんな感覚なんだなぁ…前世の時赤ちゃんの頃の事なんて覚えてないもんなぁー、これも貴重な経験って訳だ。
 
「あら起きたの?おはよ光」
 
……誰だこの美女ぉぉぉ!!!!う、美しすぎる!そんな美女が俺を抱き抱えて…うわっ、胸の感触が伝わって…ふおぉ…な、なんて幸せな空間なんだろう…美女の胸って感じがする!美女の胸!マジサイコーーー!!!
 
「あいおーー!」
 
「わっ、どうしたの光?」
 
おっとこれは失礼…つい声に出してしまった。…てか、ホントに誰よこの人。いや答えは分かり切ってるか、どう考えても俺の現世でも母親だよな。俺の母親こんな美女なの?前世の何処にでも居るようなおばはんとは大違いじゃないか!
 
「愛華、光起きたのか?」
 
「光輝さん、ええ起きたわ」
 
…な、なんというイケメン…とてつもない敗北感が…もしかして現世の俺の父親なのか?このイケメンさんが?前世の何処にでも居るような太ったおっさんとは大違いじゃないか!!ていうかこの美男美女夫婦から産まれたって事は…現世の俺って結構イケてる顔してんのかな?!だったらいいなぁ…別に前世が悪かった訳じゃないが…というかあの両親を考えたらマシな方だとは思うが…でもやっぱりイケメンの方がいいよな。うん絶対そうだ。
 
「光もそろそろお腹空いた頃だと思うしごはんあげないとね」
 
「そうだな」
 
そう言って別部屋に連れていかれて美女の多分愛華さんは上の服を上げ始め…ふぉぉぉーーーーーー!!!いやヤバいって!何して…いや良く考えれば赤ちゃんのごはんって母乳だもんな…って恥ずかし過ぎる!!相手美女だし!哺乳瓶でいいですけど?!!とか考えてる間に綺麗なアレが目の前に!くっ、ここは羞恥を捨てて…
 
チューーーーーーーーー…………
 
「ごはん終わりね。あら顔が赤いわね、大丈夫かしら…寝んねして休みましょうね」
 
はぁ…はぁ…終わったぞ……精神修行の時間が………………案外悪くなかったな…とか考えてる間に眠く…なって…ふぁあ〜…お、やすみぃ…
 
 
そして四年が経過し、俺は四歳となった。あの精神修行の時間も慣れればなんてことはなく過ぎた。今は普通のご飯を食べてる。それに前とは違い話すこともしっかりできるようになった。そしてやっと…
 
「ぱぱ、まま、ぼくこせいつかえたよ!」
 
全力で子供を演じながら、父さんと母さんに個性発現報告をする。ヒロアカの世界では個性は四歳までに発現する。俺が発現したのがつい先程、つまり四年目。かなりギリギリだ。
 
「そうか!良かったな光!」
 
「ホントに良かったわね!」
 
両親も個性の発現の遅さに不安があったようで、少しホッとしたように見える。ま、絶対発現すると分かっていた俺でさえ余りの遅さに内心ヒヤヒヤしてたくらいだ。不安になるのも仕方ない。あの神め、なんの嫌がらせだこれは…ま、いい。個性のお披露目といこうか。
 
「みててね!」
 
まずは庭に向かって光線を放つ。庭が爆発されても困るので光線はすぐに消す。
 
「レーザービームか。父さんと同じだな」
 
父さんの個性はレーザービーム、僕の個性同様体のあらゆる部位からレーザービームを発することができる個性だ。結婚する前はレーザーマンというヒーローだったが、結婚してヒーローを引退、今務める一流企業に就職した。今やその会社の幹部だ、ハイスペックイケメンやばい。
 
「それだけじゃないよ!」
 
俺は光人間をONにして懐に隠してたナイフで腕をぶっ刺した。
 
「「あ!!…え?」」
 
両親がなんて事をみたいな顔をしたが違和感を感じ、俺の腕を注視した。
 
「けがしてないよ、ぼくひかりになったんだ!」
 
「!そうか、愛華の同化と同じく、光と同化したのか!言うなれば光人間だ!」
 
母さんの個性同化は光人間の様に空気と一体化し空気人間になる事が出来る能力を持つ。空気になるので相手に感知されないという特性を活かし偵察系のヒーローとして活躍していたが、こちらも結婚を機に引退して普通の専業主婦になった。
 
「こら、いくら個性を見せる為とはいえ、ナイフを勝手に持ち出したらダメでしょ!」
 
「う、ごめんなさい…」
 
やはり母さんに怒られてしまったか…以後気をつけるとしよう。
 
「でも凄いね光、こんな凄い個性持てて良かったね。これでいいヒーローになれるよ」
 
「ああ、こんないい個性なんだ。きっと凄いヒーローになるぞ」
 
て、照れますな…ヒーロー、か。一応ヒーロー世界に来たからにはヒーローになるべきだろうと思って両親にもヒーローになりたいといってある。ただ…この四年間で俺一回も現役ヒーロー見たことないんだけど…いずれ会う日が来るのだろうか。会ってみたいものだ、ヒーローに…なんて事を考えながら個性披露会は終了した。 
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