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おぢばにおかえり

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第四十八話 合格してその二十六

「不思議な感じがしますね」
「そうなの」
「穏やかで優しい。色でいいますと」
 この表現何かいじめ漫画で読んだ気がして少し不気味な感じがしました。
「赤、淡い赤ですね」
「そうした赤なの」
「はい、教祖様のお服が赤だったせいか」
 それに灯りもここは赤い感じです。
「そのせいでしょうか」
「そうね、赤衣ね」
「そのイメージありますよね」
「ええ、教祖様はね」
 このことは教祖伝にも書かれています、教祖様は赤い着物を着られていてそれが教祖様の象徴にもなっていました。
「赤い着物を着ておられたから」
「そのせいかです」
「ここに来るとなのね」
「赤い感じがします」
「そうなのね、それはその通りね」 
 これが青とか黄色だったらどうして、と思っていました。けれど赤ならもうその通りと言うしかなかったです。
「私もそう思うわ」
「そうですよね」
「ええ、赤ね」
 いじめ漫画のその表現は消えて自然と笑顔になっていました。
「実際に」
「そうですよね」
「それでね」
 私はさらに言いました。
「ここでもね」
「参拝をして」
「そしてね」
「教祖様にお礼を言いましょう」
「僕も言ってますよ、先輩を合格させてくれて」
「有り難うって」
「言ってますよ」
 心の中でというのです。
「そうしてますから」
「有り難う、ただね」
「ただ?」
「阿波野君もよね」
 ここでまた阿波野君を見ました、私は一日にこの子を何回見ているでしょうか。 
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