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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百九十六話 八条学園の結界その十二

「流石に」
「そうだよね」
「というかルイ十四世は五歳で即位してあるな」
「それで七十九歳までだったから」
「少し特殊な例あるな」
「うん、幼くして王様になって」
 そうしてだ。
「そのうえで当時としてはかなり長生きの七十九歳までだったから」
「特別あるな」
「それこそダルタニャン物語の歳月より長いから」
 主人公の彼がパリに出て死ぬまでよりもだ、大体四十年か。
「それも遥かにね」
「ルイ十四世は特別あるな」
「やったことも凄いけれどね」
「ベルサイユ宮殿建てテ」
 ジューンさんが言ってきた、ルイ十四世といえばこの宮殿だ。
「それでバロック芸術デ」
「戦争もやたらしてね」
「色々あったネ」
「うん、色々やり過ぎてね」 
 その結果だ。
「フランスにお金なくなったし」
「それ問題よネ」
「問題も問題で」
 それこそだ。
「後でフランス大変だったし」
「革命はずっと後よネ」
「それはね。けれどその後のルイ十五世も」
 ルイ十四世から見れば曾孫になる、お子さんもお孫さんも全て先立たれてしまったのだ。その長寿の間に。
「女の人と遊んでやっぱり戦争もあって」
「次がルイ十六世よネ」
「そこで革命だから」
「革命にはつながるノ」
「長い間それが続いたのが駄目なんだよね」
 戦争ばかりしていたことがだ、しかも負けてばかりだった。
「だからね」
「革命ネ」
「結局それにつながるんだよね」
「じゃあ革命の種ハ」
「もう十四世の頃にあったかな」
「そこからなノ」
「何しろ戦争ばかりして」
 王宮の贅沢よりも実はこちらの方が遥かに問題だったという、それだけフランスは戦争ばかりしていたのだ。
「お金使っていたから」
「戦争お金使うからネ」
「それもかなりある」
「そればかりしていたラ」
「お金がなくなるのは当然あるよ」
「どんな国でもそうだししかもフランスっていつも複数の国と戦っていたから」
 戦争をするその時はだ。
「三銃士の時からね」
「神聖ローマ帝国とスペインネ」
「あの頃はその二国あるな」
「うん。ハプスブルク家ね」
 どちらの国もこの家が君主だった、フランス王家は伝統的にこの家と宿敵関係にあったのだ。それもかなり激しくだ。
「あの家だけだったけれどルイ十四世以降は」
「イギリスともデ」
「あの国とも戦ったあるな」
「そこにオランダも入ったりで」
 スペイン継承戦争の時はそうだった。
「いつも複数の敵と同時に戦っていて」
「一国だけならまだしモ」
「二国も三国共なると余計に大変ある」
「お金もその分余計にかかるネ」
「敵が多いと戦う相手も多くなるあるからな」
「そんな戦争ばかりしていて」
 ルイ十四世からずっとだ。
「すっかり借金大国になってね」
「赤字対策に三部会開いテ」
「そこからどんどんあるな」
「しかもそこで寒波から飢饉になっテ」
「余計にあるな」
「実際飢饉が大きかったみたいだね」
 革命の導火線はこれだったらしい、大寒波でセーヌ川が凍ってパリにパンを作る小麦粉を乗せた船が来られなくなってだ。一気にパンを寄越せと大暴動に発展してそれが抑えられなくなってだったという。
「革命があそこまでなったのは」
「それでベルサイユの薔薇ネ」
「エロイカあるな」
「マフィア映画みたいに殺し合いしテ」
「よく見たら過激な武侠ものあるな」
「あの革命って見たら」
 よくだ、理想だの民主主義だの抜いてだ。というかジャコバン派が民主主義とはとても思えないけれど。 
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