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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE178 2020年のオズマ・・・囚われるオズマ!

 
前書き
ようやく不具合が解消されたようですので、普通にこれからも投稿できそうです。 

 
時は西暦2020年、東京オリンピックが開かれていたのとほぼ同時期の事であった……

大志(たいし)「弭間先輩、おはようございます!」

弭間「相変わらず元気だけはよろしい」

小田桐弭間は当時、取りあえず小学校には通っていた。そして、小学校であるにも拘らず、弭間の事を先輩などと呼び慕い、深々とお辞儀をしていたのは弭間の一歳下の宇藤大志(うどうたいし)と言う、小柄な少年だった。
この少年は更に遡る事一年ほど前に、他所の小学校の虐めっ子たちに追い掛け回されていた所を成り行きで弭間に助けられ――それ以来弭間の事を一方的に先輩と呼び慕う少年であった!

そして、この大志と言う少年は―――

大志「先輩もビーバップハイスクール読みましょうよ~、めっちゃ面白くて先の展開が楽しくて、魂震えるほど熱くなるんですよ!」

弭間「お前は本当に好きだね~、そう言うヤンキー漫画とか」

そう、この少年、宇藤大志はその小柄な体躯に反して代のヤンキーマンガ好き!年代を問わず様々なヤンキーマンガを愛読し続けて、学校でそれを見つかった際には担任の女性教師が卒倒する程であったのだが――教師の注意にも耳を貸す事無く、大志は今日もヤンキーマンガを読んで夢を膨らませていたのであった!

大志「へへ、弭間先輩。荒川区にある不良高校って知ってますか?」

弭間「荒川区に不良高校だって……今時そんな学校なんてあるのかよ?」

弭間が当時イメージしていた不良高校なんて言うのは既に過去の遺物で、少なくともこの2020年の東京にそんな荒れた高校などが存在するとは思ってもいなかった。
そして、大志まるで憧れの聖地を想像しているかのように、目を希望に満ちた光に溢れさせながら語り続ける。

大志「それがあるんですよ!東京23区最後のヤンキー高校生の砦って言われてる高校なんです!弭間先輩、オレ……中学卒業したら絶対にその高校に入るつもりなんです!」

弭間「お前が……大丈夫なのか?」

小柄で腕っぷしなどはからっきしな大志がヤンキー高校に入る等と楽し気に言い張るのを見た弭間は耳を疑い、思わずそう聞き返していた。

大志「大丈夫ですよ弭間先輩、流石はヤンキー高校って呼ばれるだけあって、入試試験とか無茶苦茶簡単で名前さえ書けば受かるらしいですよ」

弭間「いや、そうじゃなくてだな――」

自分の心配している意味が上手く伝わらず、弭間は改めて自らの懸念を大志に問いただす。

弭間「んなヤバイ学校に入っちまってさ、お前、パシられたりしねぇか?」

そう、言うまでも無く弭間が懸念していたのは大志のような小柄で喧嘩も苦手な大志がヤンキーの巣窟などと呼ばれている高校に入ったところで、よくてパシリ――下手すりゃ虐めに遭う事であった。だが……大志は目の前で何となくシャドーボクシングを軽くしながら、自信ありげに言った。

大志「俺はそんな簡単に下っ端になったりなんてしないですよ!絶対にその学校のボスになるんです!目指すは一年生で学校の頂点ですよ!」

弭間「お前が一年で不良高校のトップ……」

全くそんな姿を弭間が想像できるはずも無かったのだった――



※ ※ ※



姉の呼び出した遭った数日後、俺は台東区御徒町にあるエギルの店『ダイシーカフェ』を訪れていた。今となってはSAO時代の連中の溜まり場的な場所になっているこの店には、夏休みで時間を持て余してるらしいキリトとリズベットとシリカも来ていた。

俺「アスナって、夏休みでも学校に行ってんのかよ?」

キリトと一緒にいるのが当たり前のイメージがあるアスナがせっかくの夏休みだと言うのに、この場に居ない事について俺がそう尋ねると、キリトは少し残念そうな様子で答える。

キリト「いや、アスナは夏休みが始まってすぐに予備校で夏期講習なんだよ。アイツの家がそう言うのに厳しい所だってのは知ってるだろ?」

俺「なるほどね……本当にそう言うのってしんどそうだよな。同情したくなっちまうよ」

キリト「いや、お前に同情されるとアスナも凹むだろうから止めてやってくれ」

そりゃどういう意味だって話だ……

シリカ「けど仕方ありませんよね……アスナさんってもうすぐ18歳ですよね?本当なら今は受験生なんですから夏休みも中々遊べなくても、受験生の人にとっては受験のための夏休みみたいな感じですから……」

シリカが少し寂し気にアスナの境遇を語った後、微妙にジト目をリズに向けて――

シリカ「アスナさんと同級生で18歳のリズさんは割と暇なんですけど……リズさんみたいな人の方が少ないのかもしれないですよ」

リズベット「ちょ―――ア、アタシが暇人みたいな言い方やめてよシリカ!アタシだって夏休み中は週3で勉強会に参加する……つもりなんだからね!!」

シリカ「本当ですか~?リズさんってば前も冬が終わって暖かくなったらダイエットして3キロ痩せるわよ!―――とか言ってましたけど、あれだって結局言う仕舞いだったじゃないですか~」

リズベット「知らない知らない知らない!アンタ勝手に変な話捏造してるんじゃないわよ!」

シリカ「捏造でも作り話でもなく、実話ですよ!」

気のせいか、シリカはリズに対しては微妙に手厳しい事を言ったり、容赦のない事をさらりと言う事が多い気がしていた。
リズはシリカの口を黙らせようと背後から回り込み、チョークリーパーを掛けて、そのまま持ち上げると円を描く様にグルグルとその場で回転していた……その光景をキリトが呆れ呆けた表情で呆然と眺めて『君達、エギルの店以外ではほどほどにしとけよ』と一言苦言を呈していた。

エギル「あのなぁ……俺も店なら好き放題幾らでも騒いでも良いってわけじゃねぇんだぞ……」

そこに店主エギルが口をへの字に曲げた状態でキリトの頭を軽く叩きながら摘みの品のスティックチーズを持ってきたのだった。

リズベット「おっと、待ってました!やっぱりビールとスティックチーズの組み合わせは悪魔的に最高よねぇ~」

シリカにチョークリーパーを掛けて回転させていたリズはエギルが持って来てくれたスティックチーズとノンアルコールの酒を見て、シリカを投げ捨てる様に解放して早速ノンアルコールのビールをグラスに注ぎ始めていた。
一方でリズに投げ捨てられたシリカは目をぐるぐると回してフラフラとした足取りだったので、キリトがため息を付きながらシリカを支えて椅子に座らせていた。

グラスに一杯に注ぎ込まれたノンアルコールのビールをグイッと飲み干したリズはまるで仕事終わりのおっさん染みた雰囲気を丸出しにしながら『かぁぁぁ』っと声を上げていた。

俺「お前、こんなノンアルコールの酒で良く上機嫌になれるもんだよな……」

リズベット「何言ってんのよアンタ?アタシまだ18なんだから本物のビールは後2年経たなきゃ飲めないんだからノンアルコールでスカッとするしかないじゃない」

シリカ「リズさん!スカッとする前に私に言うことがあるんじゃないんですか!?」

中学に入ってすぐに位の頃から酒や煙草を嗜むようになった俺としてはノンアルコールの酒は一日に一杯まで飲む事を親父から認められてる事もあり、あくまで二本目をどうしても飲みたい時に我慢して飲む程度のビールモドキだった。

リズベット「言っときますけどね、アタシはアンタの家と違って未成年の娘に酒や煙草を一日にこれくらいまでならとか言って見過ごす様な大人は一人もいないのよ!」

俺「そいつは、真っ当な家庭に生まれ育ったもんだな……」

つくづく俺は、ちゃらんぽらんで教育や躾に無関心な親の元で良かったと思っていた。

シリカ「全然聞いてないですね……もうこうなったら私も飲みます!今日は飲まなくちゃやってられません!」

キリト「はは……まあ、ノンアルコールだからいくら飲んでも酔ったりはしないから良いけどさ……」

俺「そう言えば、リーファも夏休み早々から忙しいんだって?」

キリト「ああ、昨日か剣道部の五日間の合宿に行ってる所だよ。合宿にはアミュスフィアも持ってけないから当分はフルダイブも出来ないってぼやいてたぜ」

俺「良い所のお嬢様じゃなくっても、強豪校のスポーツ推薦で入った奴も忙しいもんだな」

キリト「まあ、お前と同年代でお前よりも暇な奴捜す方が難しいと思うけどな……」

余計なお世話だがそれは俺が望んだ事でもあるので否定も出来なかった。そして、エギルの店で適当に騒いで談笑して一時間そこそこが経過した頃――

キリト「じゃ、エギル。そろそろ出るよ」

エギル「おう、今度はALOでな」

リズとシリカが注文したノンアルコールビールは二人によって飲み干し尽くされて、その時点で二人とも流石にこれ以上は飲めなくなったらしく、自然とその場でお開きとなる事になった。

各々の注文した分の会計を済ませて、俺達はエギルに店の外まで見送られながら外に出て、俺はこの店の数少ない駐車スペースに止めてあったJリミテッドに近づく。

リズベット「ホント、相変わらず狭い上に環境に悪そうな車よねぇ~。せめてサポートAI位は付けたらどうなのよ?」

俺「いらねぇよそんな余計な機能。そんなの付けたって無駄に車重が重くなるし、そもそもサポートAI付けたところで俺の車にはAIの恩恵を受けられる機能なんて付いてねぇだろ」

近年の車に付けられている事が多いサポートAIは自動運転機能の制御はもとより、カーナビ操作や各電子制御の管理などを自動で行ってくれる機能なのだが、あいにく俺のJリミテッドには自動運転機能どころかカーナビも電子制御すら皆無なので後付けて付けたところで一切の恩恵はないわけだった。

キリト「まあ、俺は悪い車じゃないと思うよ。実用性はともかくさ、この時期にオープンにして高速道路とかを全開で走るのって気持ちよさそう―――」

キリトがフォローするかのように俺の車を褒めたのだったが、その言葉は途中で途切れてキリトの視線の先は俺のJリミテッドの正面に止めてあったトヨタ・ハイエースに向けられていた。

キリト「俺たち以外の客で、こんなデカい車使う団体客っていたっけか?」

シリカ「う~ん、だいたい2~3人規模のグループのお客さんはまだお店の中に他にいますけど……それにしてはこの車って凄い大きいですよね~」

俺「そりゃハイエースは普通免許で乗れる車としちゃ最大――」

ハイエースの事を俺が簡単に説明しようとした直後だった、そのハイエースの4つのドアが一斉に開き、その中から次々と同じ青色の制服を着た集団が降りてくると、俺達はその異様な迫力ある光景に呆気にとられて――それが致命的な隙となってしまった。

俺「って、何だテメェら!?」

その集団は唖然としていた俺達の中から俺に狙いを定めていたかのように一斉に俺だけを取り囲むと、そのまま集団で抑えつけて、そのまま一方的にハイエースの中に連れ込んできたのだった。
無論必死に暴れて抵抗しようとするのだったが、何せ相手は10人近い人数でその大半が俺を捉えに掛かって来てるので全く敵わず、そのまま俺はハイエースの広い車内に無理矢理誘拐同然に連れ込まれるのだった。

シリカ「え?え?お、オズマさん!?」

リズベット「な、何なのよアンタ達!?アイツになんか恨みでも持ってる集団なわけ!?」

キリト「おい待てっ!何のつもりだこれは一体!?」

エギル「おいおいおい、馬鹿に外が騒がしいと思って来て見りゃ、アンタ達なにしてやがんだよ!?」

キリト達も流石に黙って俺が連れていかれる光景をぼんやりと見過ごす事は無く、俺をハイエースに無理やり乗せた連中を問いただしていた。

「おおっと、弭間君のお友達でしたか。こりゃちゃんとご説明してあげないとね」

そんなキリト達が車の外で騒いでいる様子を見ていた助手席の小太りの男が、まるで仏如来のような笑顔を浮かべたまま車を降りて、キリト達の前に姿を見せたのだった。


まさに急変!一体なぜ……オズマは謎の集団に連れ去られようとしているのだろうか!?そしてこの謎の集団の正体は一体!? by立木ナレ 
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