| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

許されない罪、救われる心

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

100部分:第九話 全てを壊されその九


第九話 全てを壊されその九

「皆の力でなくすものです」
「だからです!」
「ご近所の皆さん協力して下さい!」
「いじめ反対!」
「いじめ撲滅!」
「何でお家にまで来てるの・・・・・・」
 ここでも顔が蒼白になり脚ががたがたと震える如月だった。
「どうしてなのよ・・・・・・」
「あいつだ!」
「間違いない!」
「あいつだ!」
 ここで見つかってしまった。
「あいつが家に帰って来たぞ!」
「よく帰って来たな!」
「そのいじめっ子だ!」
「そうです、彼女がです」
 岩清水の言葉が来た。
「彼女がそのいじめをしていた人間です」
「よく来たな!」
「帰って来るのを待っていたぞ!
「来い!許さないからな!」
「地獄に落ちろ!」
「死んでも許さないからな!」
「そう、いじめは絶対に許されない行為です」
 岩清水は周囲だけでなく近所にも聞こえるように訴える。
「ですからここは」
「いじめをした奴を許すな!」
「あいつを許すな!」
「絶対にだ!」
 そして如月を取り囲んでだった。怒り狂った顔で糾弾しはじめた。
「どうしていじめをやった!」
「言え!」
「言っても言わないでも許さないぞ!」
「ずっとこうしてやる!」
「も、もう駄目・・・・・・」
 如月は怒り狂った彼等に取り囲まれる中でしゃがみ込んでしまった。
「もう無理。誰か私を殺して・・・・・・」 
 こう言ってその場に泣き崩れる。しかしだった。
「皆さん!」
「!?」
「何ですか、一体」
「この言葉を聞いて下さい」
 まただった。岩清水は携帯を出していた。そしてだ。
 そこから聞こえてくるのは如月達の言葉だった。何処かで録音したその言葉はだ。彼女達が神無に対して話しているものだった。
 そこでだ。如月が言っていた。神無を死ぬまで追い詰めてやる、と。
 それを周囲に聞かせたのだ。ここでだ。
 そのうえで岩清水はだ。同志達に問うた。
「どう思われますか」
「殺してやる!」
「地獄に落としてやる!」
「絶対にそうしてやる!」
「いえ、殺すとかそういうのはいけません」
 岩清水はまた良識の仮面を被った。
「それはこの連中と同じです」
「じゃあどうするんですか?」
「一体」
「いじめは許しませんよね」
「はい、絶対に許してはなりません」
 岩清水はこれは当然だというのだった。
「しかしです」
「しかしとは」
「じゃあ何を」
「どうするんですか?」
「死ねばそれで終わりでしょうか」
 岩清水が言うのはこのことだった。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧