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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE177 交渉決裂!姉弟トーク破綻!

親の離婚により、離れて暮らしていた実の姉の桃華(ももか)により、新宿区のファミレスに呼び出されたオズマ。
全く気の進まぬ中……数年ぶりに姉弟水入らずの一対一トーク開始! by立木ナレ


俺「折角の夏休みの上に土曜日だってのに、制服着てるとやっぱ目立つよな」

桃華「当然でしょ、ウチは土曜日だろうと夏休みだろうと午前中くらいは誰だって自主的に学校の勉強会に参加してるんだから」

ウチの親父は午前授業だとか言っていたが、姉の言っている言葉の意味を勘違いしていたらしかった。ともかく、当然だと言わんばかりの口調の姉は早速話を切り出してくる。

桃華「けど、アンタでも分かってると思うけど……ウチは私立の高校だから学費が高いのよね、特にウチみたいな母子家庭にとっては本当に大変なんだから……」

俺「月に5~6万円とかか?勿体ねぇよな~……毎月そんだけの金が事由に使えりゃ、色々と買えるものもありそうだってのにな~」

俺だったら恐らく、その分働く時間を減らすか、賭け事や車に費やす金に回すくらいになりそうだが、学校に通う為だけに月に5万円以上だなんて正気の沙汰じゃない――と、俺は思ってはいるが、姉貴に関しちゃ全くそんな風には思っておらず――

桃華「何言ってんのよ!?ウチの高校は大学附属校なのよ!学校の教育レベルの高さはそれだけのお金を払ってでも子供を入学させたいって考えてる親御さんたちなんて幾らでもいるんだし何が勿体ないってのよ!」

姉貴はバカにされたと受け取ったのか、鋭い目つきを俺に向けてムキになり声を荒げる。

俺「怒んなよ……こっちは唐突なそっちの呼び出しに応じて来てやってるんだぜ?しかも数年ぶりの再会と同時に物調面を見せられたってのに俺は嫌な顔一つしてないじゃねぇか」

桃華「悪かったわね、この顔は生まれつきだからどんな風に捉えれれたところで、直しようがないの……それで、母さんは私の学校の学費とか、塾のお金とかを捻出するのに大変で少し何とか楽にさせてあげたいと思ってるのよ」

あ、学校だけでなく塾にも行ってやがったのか。そう言えば、一緒に暮らしてた頃に姉貴も散々塾で勉強したいと愚痴ってたっけな?母親も姉貴を塾に入れてやりたいと(ついでに俺まで)散々親父や爺さんに掛け合ってたが、『親父も爺さんもそんな金は無い!』の一点張りで取り合った事など一度も無かったが、親の離婚により、母親の方について行ったことで晴れて念願の塾通いになれたと言うわけか。姉貴としちゃまさに願ったり叶ったりだな。
俺は俺で母親から勉強の事やらなんやらで口うるさくとやかく言われる事がなくなったし……まさにあの離婚は姉弟揃ってWin-Winだったわけだ。

俺「お袋を楽にさせてやりたいってのは金銭的な負担の意味でだろ?――だったら姉貴がバイトでもして、そのバイト代のいくらかを塾だとか学費だとかに出してやりゃ少しは助けになるんじゃねぇの?」


オズマのこの言葉は特にからかうつもりも無く……冗談のつもりで言った覚えもないわけなのだが……桃華に取手はオズマの提案は圧倒的論外……万に一つにあり得ぬ愚策であり……再び姉はヒートアップ!瞬間湯沸かし器の如く沸騰する! by立木ナレ


桃華「バカな事言わないでよ!!うちの学校の勉強がいかに大変かアンタ全然わかってないわね!私だって付くのがやっとの状態で、アルバイトなんてそんな事に時間割いてる場合じゃないわよ!」

俺「……んじゃ、どうしたいってんだか……」

まさに万策尽きたも同然だ。学費と塾代が高く、母親に金銭的な負担を掛けている事を申し訳なく感じており、何とか少し手助けしたいとは思っているのだが、アルバイトをやると勉強に支障が出るかもしれないからそれはあり得ない……そんな、俺からして見りゃ無茶苦茶な理屈で相談されたところで俺にはどうしようもない―――と、俺が思っていた次の瞬間……姉貴の口から予想外の言葉が発せられるのだった。

桃華「何のためにアンタに相談したのか察しなさいよ……アンタ、少し前に……ヘンなゲームの大会で凄い大金を貰ったらしいじゃない」

俺「なんだよ、ゲーム大嫌いな姉貴殿が、よくそんなゲームの大会の情報なんて掴んでやがったな」

姉の桃華は俺と違いゲームは学生にとっては勉強に支障をきたし、社会人にとっては仕事への支障をきたす害悪そのもののように考えているような奴で、特にオンラインゲームと言うジャンルに対しては、そのゲームに手を出している者全体に対して犯罪者予備軍だとかニートや不登校を生み出す根源だとか、ともかく偏見にどっぷりとつかっているわけで――まさかそんな姉貴が弟である俺のゲーム内での実績を嗅ぎつけて来るとは……やはり金が絡むと変わるもんって事か?

桃華「ネット上にあの変なゲームの大会の動画は見たくなくても、目に付くぐらいに流れてたわよ。それで、アンタにそっくりなアバターだったかしら?とにかくアンタにそっくりな変な格好して背中から羽生やしてるのが優勝して200万円獲得だとか言われてて驚いたわよ……ゲームの大会で優勝しただけでそんなお金が貰えちゃうだなんてね!」

まるで、VRMMOゲームで大金を得た事自体が姉貴にとっては気に食わないかのように、不機嫌さを丸出しにしながらそう言った。
更に姉貴は続けて、一方的の俺に対して要求してくるのだった。

桃華「アンタ、今までロクな事してこなかったけど、せっかくそんなお金が手に入ったんだから……生まれて初めての親孝行くらいしてみようって気にはならないの?」

俺「親孝行……あの雀ゴロもどきの親父にか?」

俺はワザとすっとぼけた言動を返していた。姉貴が言う親孝行と言うのが母親に対する金銭的な――更に言えば姉貴への学費の支援だと言う事は分かり切っていた上で、ワザと理解していない体を装うと、姉貴は両手をパーにした状態で机を強く叩きつけて、大きな音を店内一帯に響き渡らせていた。

ドンッ!と言う大きな音により周囲の店員や客達の視線が一斉に俺達に向けられていた。その内の何人かはボソボソと『痴話喧嘩』だとか『彼女を怒らせたのか』などと見当外れな極まりない勝手な事をボヤいているが、今の姉貴にそんな周囲の言葉を気にする余裕はない位に苛立っているのは明白だった。

姉貴「あんな親父の事なわけないじゃない……母さんよ!アンタが全く勉強しないでゲームばっかりしてたせいで気苦労が絶えなかった母さんへの親孝行に決まってるでしょ!」

俺「お袋ねぇ~……俺は俺で困ってたんだぜ、そんなにお勉強が大事だって言うなら自分がやりゃ良いって俺は何べんも言ってたのにしつこくしつこく同じ台詞をさ~」

俺がめんどくさそうに右手をひらひらとさせて言い返すと、姉貴の目付きは更に険しくヒステリック気味な表情に変貌する。

姉貴「いい加減にしなさいよ!母さんは今だって私を今の学校に通わせてくれる為に安い給料の仕事で毎日残業三昧の生活に耐えてるのよ!母さんが今苦労してるのは若い頃に怠けてたツケがまわって来たって自覚してるから私やアンタには勉強するように言い聞かせててくれたんじゃない!それをアンタは―――」

俺「だいたいさ」

このまま姉貴に喚き散らされ続けても話が一向に終わる気配が無さそうなので俺は無理やり口を挟み、そこから一方的に言い返す事にした。

俺「姉貴は今でもよ……ゲームなんてクソだとか思ってんだろ?」

姉貴「当然でしょ!あんなのは教育の敵よ!人間を堕落させてる点ではギャンブルと変わらないわよ!あんなのに熱狂してるのが全国に何百万人といる事自体が大問題なのよ!」

俺「姉貴が寄こせとか言おうとしてる俺の200万円だって、その姉貴が大嫌いなゲームでゲットした金なんだぜ……その金で今の学校に通い続けるって事は……俺がゲームやってるおかげで学費の心配しないで学校やら塾に通えてるって認めるようなもんだよな?」

姉貴「―――――は、はぁぁぁぁ!?な、なんでそれでアンタがゲームやってるおかげで私が助かるみたいな事になるって言うのよ!!」

俺「あ、やっぱりそう思われるのは嫌なんだな……だったら、そこは勤勉学生の意地に掛けてよ、俺がゲームで稼いだ金なんてアテにしないで今まで通り自分の力でどうにか乗り越えてみなって」

そもそも、姉貴の当ては根本的に外れている。姉貴は俺がSAOサバイバーバトルの優勝賞金の200万円の一部を自身の学費や塾代に充ててもらおうと俺を呼んだわけだが最早そんな事は不可能だ。

俺「んでさ、実は俺……車買っちゃったんだよね」

姉貴「え?く、車を……買ったですって……」

俺「ああ、ほら外に黄色のロードスターがあるだろ?あれだよあれ」

俺が窓を指差すと、姉貴はそれに次いで席から立ち窓の外にある俺の黄色いユーノス・ロードスターをじっと見て――それによって俺から学費や塾代を援助させる計画が根本的に成り立たない事に気が付いたらしく、手を震えさせていた。

姉貴「ば、馬鹿じゃないのアンタ!アンタが賞金を獲得したのってほんの一ヶ月か二ヶ月くらい前の事なのよね!?それでもう車買ったって……そのお金後幾ら位残ってんのよ!?」

俺「えっとだなぁ、車買うのに総額で150万円で、免許取るのに20万円とその他諸費用(筆記試験のカンニングのための費用)に10万円だから……」

姉貴「もうほとんど残ってないじゃない!なんでせっかくそんな大金が入ったのにすぐに馬鹿な事に使ってんのよ!本当にロクなことしないわ小田桐家の男どもは!!」

口から唾を吐き散らし、俺はもとより、小田桐家の男達全体に対して激昂し罵倒する姉貴だった。取りあえずこれで姉貴も否応でも認めるしかないだろう、幾ら俺に対してしつこく呼び出したり連絡したところで、俺から援助させられる金なんてもはや存在しないのだと言う事を。

姉貴「け、けど……アンタには、アンタにはまだ……」

俺「残念だけど、車を一台買うにはやっぱりどうしても金がかかるって事だよ。古い車でも限定車でチューニングされてる車だったしなぁ~」

姉貴「つくづく失望したわよ……アンタが私と血の繋がった弟だなんて……私が小田桐家の男達と同じ血を引いてるなんて……」

俺「別にそんなのどーだって良いんだよ。姉貴は姉貴で、俺等とは関係なしにこれからも勤勉学生としてお勉強に励んで、社会人になったらどこぞの大企業にでも就職して毎日バリバリ働きゃ良いだけの事だよ」

もはや姉貴が俺から金の援助を要求する事は一切無駄である事は思い知らせてやった。俺はその場で席を立ち、後ろから身内に対する視線とは思えぬ目付きで睨みつけている姉貴の視線を受けつつも、さっさと店を後にして車に乗り込み、店の中からこちらを見ている姉貴を確認して、最後に俺が本当に車を買った事を知らしめるためにターボ付きのNAエンジンを掛けてみせたのだった。

俺「ったく、久々に会ったけど、ますます頭が固くなっちまったな……我が姉ながら俺の方こそ本当に実の姉なのか疑いたくなるもんだ……」


※ ※ ※



弟がJリミテッドに乗り去って行く光景を目の当たりにした桃華はその直後、胸ポケットから自分のスマホを取り出した桃華はとある人物に連絡をする……!by立木ナレ

桃華「私よ……弟が200万円の殆どを車に使っちゃったのは本当だったみたいだけど――大丈夫なのよね?弭間にはまだ、2000万円って言う大金があるって言うのは?」



 
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